Where'd You Go, Bernadette
2019年 01月 13日
2012年に出た本で、ベストセラーになったコメディ小説。ちょうど『ゴーン・ガール』が出たのと同じ年。とても面白く読んで、そういえば感想書いてなかったので、映画化を機にちょこっとだけ書いておく。映画はリンクレイター監督で主演がケイト・ブランシェット、と期待できそうで、予告編も貼っておきます。
『Where'd You Go, Bernadette』Maria Semple著、
バーナデットは昔は才能のある建築家だったけど今は専業主婦として、成績優秀な娘のビー、マイクロソフトでバリバリ働くITエンジニアの夫エルギーとともにシアトルで暮らしている。
人づきあいがうまくいかないバーナデットは友人もいないし、近所からの評判も悪く、特に隣人オードリーとは犬猿の仲。とにかく人と関わりたくない性格で、身の回りのこともインドの秘書サービスを利用して行ったりする。
娘のビーが優秀な成績をとったご褒美に家族で南極旅行に行こうという計画が立ち上がってから、バーナデットの奇行がエスカレート、夫が対策を講じようとした矢先、彼女は忽然と姿を消す。
いったいどこ行っちゃったの、バーナデット?という話です。
学校の手紙や関係者のEメール、FAX、記事、医師のレポートなどさまざまな文書の合間にビーのナレーションが入る、というちょっと変わった構成。いろんな文書を読んでいくうちに、バーナデットとはどんな女性なのか、ということがだんだん明らかになってきて、最初と最後では彼女のイメージはガラッと変わっているはず。身近にいる夫がなんもわかっちゃないことも露呈するけど、娘のビーのほうがよくわかっていて、その上タフで頼りになるのが救い(子供だからかわいそうなんだけどね)。
日本でも映画が公開されるだろうと期待して、これ以上はあまり詳しくは書かないけど、バーナデットの気持ちはとてもよくわかる。特に能力のある女性がうまく活躍できない日本社会ではありがちな状況で、バーナデットに共感する人も多いんじゃないかなあ。
切ないけど、ユーモアもたっぷりのコメディ小説で(笑っちゃいけないけど、とても可笑しい場面もある)、読みやすいので映画の前か後にぜひどうぞー。
by rivarisaia
| 2019-01-13 23:33
| 本
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