ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
2019年 09月 20日
やや居心地の悪さも感じつつも、とても面白かった。居心地の悪かった点も下の方で説明するので、この感想の途中からネタバレして内容に触れます。
それにしてもタランティーノの映画のディカプリオとブラッド・ピットはとてもとてもよい。今回の作品でも二人のよさが存分に引き出されていた。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Once Upon a Time in Hollywood)』監督: クエンティン・タランティーノ
かつてのスター俳優リック・ダルトン(ディカプリオ)とリックの専属スタントマンのクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は固い絆で結ばれていた。最近、人気に陰りが出てきたリックは、将来について悩んでいて気弱になっているのだが、そんな彼の精神的な支えとなっているのがスタントマンのクリフである。
そんな人生黄昏タイムであるリックの家の隣に、まさに今キラキラと輝く人生を謳歌している真っ最中の映画監督ポランスキーと女優シャロン・テートの夫妻が引っ越してくる。
ご近所として仲良くなっていずれは自分もポランスキーの映画に……な〜んて夢見るリックだったけど、そんな機会はなくて、結局リックは最初渋っていたマカロニ・ウエスタンの映画への出演を決意。クリフとともにイタリアに行くのだった。
そして1969年8月、二人は再びハリウッドに戻ってくる……
俳優とスタントマンの深い深い友情の話が中心で、その背景にあるのがチャールズ・マンソン・ファミリーやシャロン・テート事件です。一連の事件については誰もが知ってると思っていたので、意外と知らない人がいて(例:うちの夫)驚いた。アメリカだと知る人ぞ知る事件という感じではなく、テレビや小説でもちょくちょく取り上げられる。たとえば最近では、事件をモデルにした小説にエマ・クラインの『The Girls(邦訳:ザ・ガールズ)』があります(メンバーの少女の視点で語られる話で、おすすめです。邦訳は早川から)。
リックのことを献身的に支える、まるでリック自身の影のようなスタントのクリフですが(実際リックとクリフのエピソードがなんとなく表と裏のような構造になってて面白い)、一見爽やかな笑顔の下に得体のしれない恐ろしさがあり、それがときどきチラっと見えたときに、ああこの人は本当にやばい人なんだなーと感じる。それにしてもブラッド・ピットはロバート・レッドフォードにますます激似。しかし若い頃のロバート・レッドフォードの写真を検索して比較してみると別にそこまで似てない。なのに似てる。なんだろう。
ちなみに、劇中に登場するスティーブ・マックイーンも演じているダミアン・ルイスは別にマックイーンには似てない。なのに、ものすごく似ていた。また、一部で批判が出ていたブルース・リーの描かれ方も私は全然気になりませんでした。おそらくクリフとの場面が批判されたんだろうけど、後半ではしみじみいい場面だってあったのに。
しみじみ、といえば、何よりも切ない気分にさせられたのが、シャロン・テート(マーゴット・ロビー)で、文字通り「キュート」で誰にでも親切で毎日を楽しんでいて、スクリーン全体から「生きている!」という感じがあふれ出ていた。実際の彼女もこんな風にキラキラしていたのかなあと想像するととても悲しい。
では、写真の下から結末までネタバレします。
ブルース・リーとのいきさつや、マンソンファミリーの「牧場」での緊迫した場面などで、スタントのクリフのやばさは十分にわかるんですけど、最高潮にやばさが発揮されるのがラストの展開です。
私は、公開前の誰かのほんの何気ない一言で結末の展開を察してしまっていたので、まったく驚きはなかったんですけども、あったかもしれないもう一つの現実において、クリフが全員をボッコボコにする場面ではちょっと引いたというか、まあこの人たちは実行犯だし当然の報いっちゃ報いなんですけど、肝心のマンソンは何もなくのうのうと生きてるわけだし、スッキリした気持ちにはならなかった。ただ、こうやって何も知らないまま危険を回避できていたらよかったのにね……と余計にむなしさが増して終わりました。なんでだろうな。やっぱりそれだけ現実が悲惨すぎたということなのか。そこのあたりが、まだうまく自分の中で消化できていません。そういうわけで、最後はあまり好きじゃないんだけど、もう1回観たいな。
by rivarisaia
| 2019-09-20 14:16
| 映画/洋画
|
Trackback
|
Comments(0)




