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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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セールスマン

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セールスマン (Forushande)
監督:アスガー・ファルハディ


第89回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品。ファルハディ監督らしい、なんとも嫌な展開が待ち受けていて、もやもやとした気持ちを抱えて終わる(のは毎度のこと)。

本作では小さな劇団に所属する教師とその妻が主人公。劇団ではアーサー・ミラーの「セールスマンの死」の舞台を手がけることになっていて、夫婦そろって出演するので練習に励んでいるところ。

ある日、住んでいたアパートが手抜き工事のせいで崩壊しそうになり、住むには危険すぎるので急遽引っ越しを余儀なくされた夫婦は劇団員仲間の紹介で新しい家に移り住む。しかしそこには前の住人の荷物が残されていて、それらがとても邪魔な上にいつまでも引き取りに来てもらえないという、引っ越し早々どうも不穏な雰囲気に包まれているのだった。

そして舞台初日の夜、ひと足先に帰宅した妻がシャワーを浴びている最中に男が侵入、妻はその男に襲われてしまう。警察に通報することを拒否する妻は、トラウマに苦しみがならも日常に戻ろうと努力するのだが、一方で妻が汚されたことに対して行き場のない怒りを抱える夫は、犯人探しに奔走する。そしてようやく容疑者らしき人物を突き止めるのだが、予想外の事態になってしまう。

妻が警察に行かない(行けない)のは、警察に訴えた女性の側が明らかに不利になるのがわかりきった社会だからで、なんとも理不尽でやりきれないのですが、妻以上にやりきれない気持ちの夫は、傷ついてる妻を思いやるよりも先に復讐心に燃えて暴走する。暴力に暴力で返そうとする構図がなんとも辛いけれども、たぶん夫は犯人が許せないのと同じくらい、妻が汚されたこと自体がもう許せないんだと思う。夫の気持ちもわからないでもないけどね……。この夫婦の関係はこの後どうなったんだろう。


by rivarisaia | 2020-07-29 22:36 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)