Home Before Dark
2020年 11月 18日
『Home Before Dark』
Riley Sager著、Dutton
これまた屋敷小説ジャンルの1冊です。『The Amityville Horror(悪魔の棲む家) 』にも言及されていて、ホラーなのかサスペンスなのか途中まで曖昧なので、いったいどっちだろう?と思いながら読む感じ。
主人公のMaggieは幼い頃に両親とともにヴィクトリアンハウス「Baneberry Hall」に短期間住んでいたのだが、とても恐ろしい幽霊現象が起こり、ある晩一家は命からがら屋敷から逃げ出して、二度とそこに戻ることはなかった。そのときの体験を元にMaggieの父は『House of Horrors』という本を出版、一躍有名になる。
そして25年後、父親が他界。Maggieが受け継いだ父の遺産には「Baneberry Hall」も含まれていた。生前の父からも、そして父と離婚していた母親からも「二度と屋敷に行ってはいけない」と忠告されたMaggie。しかし幼い頃の出来事を覚えておらず、幽霊も信じていない彼女は、屋敷を修復して売りに出すために「Baneberry Hall」に向かうのだった……
という内容で、Maggieの現在の話の章と、父親が書いた「House of Horrors」の章が交互に出てくるという、本の中に本があるという構成になっています。Maggie自身は父親が書いたことは全部嘘と思っているけど、さてどこまでが嘘なのでしょうか。真実も多少は含まれているのでは?というのが次第に明らかになり、屋敷では再び不気味な怪奇現象が起こり始めます。
お屋敷には当然ながら過去に負の歴史があり、そうした過去を探っていくところは面白いので、そこもっと詳しくてもよかった。父親による「House of Horrors」の怪奇現象のパートはそんなに怖くないんですよね。実際にそういうことが起きたら生理的に気持ち悪いだろうね、とは思うけど、アジアの幽霊話にあるようなぞっとする怖さは全然ない。こういうのって気候が関係するのだろうか。
Maggieはやがて父親が毎年のように屋敷を密かに訪れていたことを知ります。そしてMaggieたちが屋敷から逃げ出した晩に、行方不明になっている少女がいることもわかり……と謎が謎を呼ぶ展開に。
ドラマか映画になりそうな話だなと思ったら、権利は売れてるみたいですけどCOVID-19の影響で制作はどうなるか未定だそうです(参照)。
by rivarisaia
| 2020-11-18 23:12
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