瞳の奥に・Behind Her Eyes
2021年 03月 10日
あれは今から3、4年前。びっくりするオチ「WTFエンディング」といってSNS上で話題になった(というかそういうハッシュタグを使って出版社が盛り上げた)『Behind Her Eyes』というサスペンスというかスリラー小説がありまして、わたしもだいぶ乗り遅れて「一応読んどくか」という気持ちで読んで、「なんだこれ……わたしの!時間を!返してほしい!!!」などと呆れてレビューサイトに星2つをつけつつ(それなりにページターナーなので星1個はおまけ)「ちょっと読んでみてほしい」と他人に勧めたりしていました。
そして今年。
ネットフリックスが勧めてきたドラマが、まさかの『Behind Her Eyes』の映像化。えー。あれを?どうやって映像にすんのかな?という興味もあってしっかり観た。
精神科のクリニックで秘書をしているシングルマザーのルイーズは、ある晩バーで理想の男性と知り合う。その翌日、自分の新しい上司となる精神科医デヴィッドを見てルイーズは仰天する。なんと昨晩のその男性だったからだ。デヴィッドへの気持ちが抑えられないまま、彼の妻アデルとも親しくなっていくルイーズだったが、この夫婦にはどうもおかしなところがあり……
なんじゃそりゃ……というとんちきエンディングを知っているせいなのか、わりと安心してドラマは楽しめたし、むしろドラマ版はなかなか頑張っていて、よくできていると思う。文章で読んだらバカバカしく感じたあれこれも、ドラマで見るともはやあまり気にならない。この「原作は個人的にパッとしなかったけど、映像版はなかなかよい」というパターンは、Darcey Bellの『A Simple Favor』もそうで、あの場合も原作本よりも映画の『シンプル・フェイバー』のほうが断然よかったです。
どちらにも共通するのは、キャスティングがよいということ。
『瞳の奥に』では主役をシモーナ・ブラウンにしたのも功を奏しているけど、アデル役をイヴ・ヒューソンにしたのが大正解でした。あの何考えてるのかよくわからないぼーっとした目つきのイヴ・ヒューソンだからこそ、ヘンテコ設定でもなんか納得しちゃうよ。
ちなみに本は邦訳が出たみたい。原書はこういう表紙↓
この本はサスペンスとしては反則技を使用しているため、その後しばらくレビューサイトでは「驚きの結末」を売りにしている他のサスペンス小説のQ&Aに「Behind Her Eyes」みたいなオチじゃないですよね?という質問が何度か出現しているのを見かけました。
by rivarisaia
| 2021-03-10 23:19
| ドラマ
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