この茫漠たる荒野で
2021年 03月 15日
『この茫漠たる荒野で(News of the World)』
監督:ポール・グリーングラス
ずいぶん前に感想を書いた、テキサスを舞台にしたPaulette Jilesの小説『News of the World』の映画版。原作とは細かい点でちょこちょこと変更があり、特にBritt Johnsonが映画には登場しないのも寂しいんですけど、小説版もよかったし、この映画版もとてもよいです。これはおすすめ。
退役軍人のキッド(トム・ハンクス)は、テキサス北部の町をまわりながら人々に新聞を読み聞かせる仕事をしていた。ある日、彼は道端で放置された馬車を見つける。馬車には先住民の服装をした少女(ヘレナ・ゼンゲル)がいた。ジョハンナという名前のその少女は、幼い頃にカイオワ族に連れ去られて彼らと暮らしていたらしく、言葉も通じない。キッドそんなジョハンナを親族の元へ送り届けることになり……
原作ではブリット・ジョンソンに依頼されて、ジョハンナを叔父と叔母の元へ送り届けることにしたキッドですが、映画では無法者に襲われたと思しき馬車を発見します。馬車の傍には殺された黒人がいて、キッドは馬車の中で怯えているジョハンナに遭遇するのでした。
そこに通りかかったユニオン軍の兵士が、少女を近くの検問所へ連れていくようキッドに指示します。なんだかめんどくさいけど仕方ないか……という調子で検問所までいくキッドでしたが、少女を親戚の元へ連れていく手配をしてくれるはずの担当者とやらは数カ月戻ってこないというし、ではそれまでの間、少女を知人の家に預けようとするんだけれど、これもうまくいかない。放っておけない性分のキッドは、仕方なく自分がやるしかないと心を決めます。
そこからキッドとジョハンナの旅が始まるのでした。はじめはコミュニケーションも満足にとれないふたりだけど、徐々にジョハンナはキッドに対して心を開いていきます。しかしテキサスの道中は危険がいっぱい。はたして無事にふたりはジョハンナの親戚の家にたどりつけるのか。
トム・ハンクスとヘレナ・ゼンゲルのふたりがはまり役。そしてラストシーンがとても美しい。これまでの大変な道中だけでなく、ふたりのつらい人生に思いをはせたとき、心からよかったと思える温かい終わり方でした。
おまけ:原作の感想を下に貼っておきます。
by rivarisaia
| 2021-03-15 23:59
| 映画/洋画
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