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by 春巻まやや
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The Last House on Needless Street


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The Last House on Needless Street
Catriona Ward著、Viper

寂れた一軒家に住むTedという男性と彼の飼い猫Oliviaが語り手。Tedは一人暮らしのようなのだが、たまに娘のLaurenが彼の家を訪れる。

そしてある日、Tedの家の近所にDeeという女性が引っ越してきた。その昔、Deeの幼い妹Luluが行方不明になっており、彼女は妹を誘拐した犯人がTedではないかと疑っていた。

確かにTedは事件当時容疑者のひとりだったが、彼には確かなアリバイがあり容疑は晴れていた。しかしDeeは、必ずLuluを見つけ出すという気持ちでTedの家を見張りはじめる……


これはシリアルキラーの話であり、犯罪に巻き込まれた子供の話であり、復讐と虐待と死にまつわる話。それからすれ違いや先入観が引き起こす不幸についての物語であり、勇気と癒しの物語でもあります。前情報をあまり入れずに読まないと面白くないと思うので、説明しがたい。

そもそもホラーなのか、サスペンスなのか、シュールな話なのか、最初は何が起きているのかよくわからないのです(いったいこれ何を読んでるのかな?という気持ちにもなった)。

どうもTedは精神面に問題があるような気配で、ときどきやってくる娘のLaurenとの関係も何かがおかしい。いちばんまともに見えるのは飼い猫Oliviaの語りですが、いかんせん猫なので、Oliviaの説明だけでは状況がうまく把握できません。大体、Oliviaは本当に猫なのか?

いっぽうTedのことを探っているDeeは心に大きな傷を負っています。十代の頃、家族旅行で訪れた湖で6歳の妹が行方不明になったことで、彼女の家族はバラバラになってしまって、人生が台無しになったからです。妹を見つけ出すことがDeeにとって唯一の生きる希望のようになっていました。

したがって、Tedに対する執念もただならぬものがあります。

Tedと猫のOliviaの語りの章と、LaurenとDeeについての章で構成されていて、どの話も噛み合っているようでどこかしっくりこなかったけど、すべてが判明したらあれもこれも腑に落ちた。なんとなく察した部分とまったく予想外の展開が入り混じって、かなり変わっていて心に残る本だった。しばらく時間をおいてもう一度読み直そうと思う。

読後に、巻末の著者のあとがきは必ず読んだほうがよいです(あとがきから先に読んだら絶対にダメですよ)。


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by rivarisaia | 2021-05-22 23:14 | 書籍 | Trackback | Comments(0)