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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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The Puppet Show(Washington Poe #1)

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The Puppet Show(Washington Poe #1)
M.W. Craven著、Constable

今日から連続で、イングランドのカンブリア州(湖水地方のあるところ)を舞台に、NCA(国家犯罪対策庁)の捜査官ワシントン・ポーが活躍するシリーズの紹介。5月下旬はずっとこのページターナーなシリーズにハマっていた。途中で読むのを中断できないんですよ……。

1作目は、カンブリア州に点在するストーンサークルで高齢男性が焼き殺されるという連続殺人事件が発生、3番目の被害者の体になぜか「ワシントン・ポー」という名前が刻まれていることがわかり、停職中だったポーが現場に呼ばれる、というところから話は始まります。

以前は州警察の警官だったワシントン・ポーは、いまはSCAS(NCAの重大犯罪分析課)に勤めているんだけれども、事件で不祥事を起こした責任を問われて停職中。カンブリアの田舎の家に愛犬とともにこもってのんびりしていたところに、元部下でいまはかつての自分のポジションについているステファニー・フリン警部補がやってきます。

被害者の体に名前と数字の「5」が刻まれているために5番目に命を狙われてるのではないかと言われるものの、まったく身に覚えがないポーですが、停職を解かれて捜査に加わることになります。

死体にポーの名前が刻まれているのを発見したのは、NCA勤務の民間アナリストで超天才のティリー・ブラッドショー。ティリーは天才肌であるがゆえに世間ずれしていて、他人とのコミュニケーションにかなり難ありなのですが、このティリーとポーのコンビがとてもよい。不器用なふたりがお互いの足りないところを補っていて、シリーズを追うごとにそれぞれ成長が見られるので、ふたりの活躍が楽しみ。シリーズとしてはポー、ティリー、フリンの3人がメインのキャラクターとなります。

なんとなく話の展開は途中から察しがついてしまうところもあるんだけど、それでもすごく面白い。どんでん返しにつぐどんでん返しという展開というよりは、地道に捜査してたら新たな事実が判明して、さらにそこから次の新事実がわかるという具合に展開していくところがよいです。また舞台背景となるカンブリア州という設定も気に入っちゃった。事件自体はかなり陰惨ですけど、読んでいて楽しい。

この1作目は『ストーンサークルの殺人』という題でハヤカワ・ミステリ文庫から邦訳が出ていて、来年2作目も刊行されるようなので日本語でもシリーズで読めそうです。

Commented by hana at 2021-06-09 06:59 x
こんにちは!
「ストーンサークルの殺人」の方、私のkindleの読書履歴からよくおススメに出てくる本なので以前から気になっていました。イギリスのミステリー、私もロンドン舞台よりは片田舎(?)で起きる話の方が好きなので、早速サンプルをダウンロードしてみたいと思います!!
一時期、エディンバラ舞台のリーバス警部シリーズにハマってよく読みました。
Commented by rivarisaia at 2021-06-09 23:45
こんにちはー! このシリーズの3作目をKindleがやたらとすすめてくるので、そんなに言うなら…と1作目から読むことにしたらハマりました。読みやすくて、メインのキャラクターの面々がよいです。

リーバス警部シリーズ、じつは読んだことないので今度読んで見ます!(そういえばドラマにもなってますよね)
Commented by hana at 2021-06-10 15:11 x
リーバス警部、20年くらい前にジョン・ハナー主演で実写化されてますよね。何故かシーズン2・3は別の俳優に変わってましたが…。私はジョン・ハナーの方を偶然1話だけスカパーで観ましたが、イメージするリーバス警部よりちょっと見た目が若かった為、あまり良い印象はなかったです。
作中に出てくるパブは本当に実在するようで、読んでいると自分もエディンバラにいるような感覚になります。一時期は聖地巡礼じゃないですが本気でエディンバラに旅行に行ってみたいとガイド本片手に夢想していた時期もありました(笑)
リーバス警部の愛車がSaabなのですが、街中で見かけるとつい目で追っちゃいます(オタクですね…)
Commented by rivarisaia at 2021-06-10 23:39
都心ではない地元密着型ミステリーがけっこう好きなので、リーバス警部に興味津々です。絶対に読むー。

ガイド本も見ながら想像する読書、楽しいですよね!最近はグーグルマップで、場所を検索してあれこれ見られるのでさらに便利になったなーと思います。よく知らない場所がどんどん身近に感じられるようになってわくわくしますー。

そうそう、ワシントン・ポーのシリーズ、脇役のキャラクターは容姿についての描写があるけど、ポーについてはあまり描かれていないので、ドラマ化するとしたら誰なのか想像できない……。
Commented by 古島 at 2021-06-12 13:22 x
 地元密着型がお好みでしたらケイティ・マンガーの作品はどうでしょう。イケメンハンター的ですが(やたらと美男子が出てくる)楽しいです。それに、なんというか人情味がありまして。
Commented by rivarisaia at 2021-06-12 19:57
ケイティ・マンガー、検索してみたらおもしろそう〜。これもまた読書リストに追加します。ありがとうございます!
Commented by 古島 at 2021-06-13 13:40 x
 いつもお返事ありがとう。嬉しゅうございます。
  今回紹介した作品、主人公が捜査にインターネット(たぶん)を使うくだりがあります。
「それがどうした。いまどき当たり前だろう」
と思われるでしょうが、書かれた年代を確認するとちょっとびっくりですよ。やはり向こうは進んでいたのですね。
Commented by rivarisaia at 2021-06-14 21:58
へええ。読むときに年代も忘れずに確認しないとですね。でも確かに探偵がデータベースを活用して捜査をするのはアメリカの小説のほうが早かった気がします。。
Commented by Sparky at 2021-07-28 20:04 x
読みました! 

権力者による子どもの性的虐待や組織的なスキャンダル隠蔽などの題材は、(読んでいて怒りが爆発するので)私の苦手とするところですが、おもしろかったです。

犯人の正体が明かされた時点では「えっ、それは反則技では?」とも思ったのですが、その後の話の展開に引き込まれて気にならなくなりました(笑)。

「寝た子は起こすな」で終わるのかとモヤモヤしましたが、ラストはちょっと希望を持たせる感じでしたね(その後どうなるのかはわからないけれど・・・)。

春巻さんの書評を読んだ時にポーを年寄りだと勝手に思い込んでいたので、若くてびっくりしました(笑)。少し暗い面もあって、清廉潔白な人物ではないのもいいですね。

次作も近々読む予定なので、また感想を書きにお邪魔しますね。
Commented by rivarisaia at 2021-07-30 00:48
おお!読みましたか!

私も児童の性的虐待の話はあまり好きじゃないのですが、これは気にならずに読めました。ポーのシリーズ、個人的には本来ならちょっと苦手な設定が入ってたりするのに、なぜかあまり気にならない。。。

そうそう、そして犯人が思ったより早く明かされて、しかも、えーー?という正体なのに、それも気にならなかったです(笑)

ポー、わたしは勝手に刑事ジョン・ルーサーみたいなイメージでいたんですけど、設定的には白人ですかね。よくよく考えてみるとなぜかポーだけ外見の描写がなかったような気もします。

最新作まだ手をつけてないので、わたしも近々読んだら感想書きますー。続きのSparkyさんの感想も楽しみです。
by rivarisaia | 2021-06-08 17:31 | 書籍 | Trackback | Comments(10)