Migrations
2021年 09月 27日
『Migrations』
Charlotte McConaghy著、Flatiron Books
そう遠くない未来、地球上のほとんどの野生動物は気候変動によって絶滅してしまっている。主人公のFranny Stoneは、地球で最後のキョクアジサシの群がいるグリーンランドにやってきた。キョクアジサシは、北極圏から南極というもっとも長距離の渡りをする鳥だ。
交渉をしてある漁船に乗り込んだFrannyは、キョクアジサシの渡りを追って南へ向かう。
なぜFrannyはそこまでキョクアジサシの渡りにこだわるのか。船員たちとともに北から南へと向かう過酷な旅の道中で、どうやら彼女は何か大きな問題を抱えているのではないかという気配が漂っています。現在の船旅と、Frannyの過去が交互に語られる構成で、彼女の過去に何が起きたのか、いったいどうしてグリーンランドまで来ることになったのかが次第に明らかになっていきます。
きれいな表紙がずっと気になっていて、評判もよくて期待しすぎたせいか、正直あまりピンとこなかったんですけど、とてもよかったところもあり、なんとも感想に困る本。進み方がスローで、Frannyの過去についても最初のほうで大方想像がついてしまったのですが、しかし要所要所で強烈に印象に残る情景がいくつもあった。それは嵐の海だったり、荒涼とした荒れ野だったり、流れる真っ赤な血だったり、海に浮かぶプラスチックのゴミの島だったり、からっぽの森だったりするのですが、どれも冷え冷えとして音がないイメージ。これらのイメージの断片は、たぶんこの本の印象としてずっと心に残るだろうな。
ベネディクト・カンバーバッチのプロデュース(出演じゃなくてプロデュース)で映画化するという話があり、クレア・フォイがFrannyを演じるみたいですが、彼女はぴったりだと思います(Hollywood Reporterの記事へのLINK)。この小説は映像で観てみたい。
by rivarisaia
| 2021-09-27 22:27
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