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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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クリックベイトと真夜中のミサ:Netflix英語ドラマ

Netflixで観ておもしろかった海外ドラマ、英語編ふたつ。両方ともアメリカのドラマと思いきや、最初の作品は舞台がカリフォルニアだけどオーストラリア制作でした。
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クリックベイト
監督:トニー・エアーズ、クリスチャン・ホワイト

クリックベイト(Clickbait)は、クリックを誘うエサというのが直訳で、要するに釣りタイトルといった意味。

病院で働くピア(ゾーイ・カザン)は母親の誕生日で実家に行くが、兄のニック(エイドリアン・グレニアー)とケンカになってしまう。頭にきたピアはそのまま家を飛び出してしまった。

翌日、ピアは職場でインターネットに出回っている動画を見て仰天した。そこには兄のニックが「私は女を虐待している」「動画の視聴回数が500万になったら死ぬ」と書かれたボードを手にして座っていたのだ。ニックへの電話はつながらず、ピアは兄の妻ソフィー(ベッティ・ガブリエル)が働く学校に駆けつける。最初は何かの冗談だと思っていたソフィーだが、ピアとふたりで警察に向かう。そうこうするうちに動画の視聴回数はどんどん上がり……

全8話。各話のタイトルが「妹」「刑事」「妻」……といった具合で、毎回さまざまな立場の登場人物を中心に取り上げる構成になっていて、話の展開も予想外の方向に進んでいくので目が離せなかったです。犯人というか、なぜこんな事態になってしまったのかが意外で驚いた。最初は出来心だったのかもしれないけど、やっちゃいけないことをやったがために、物事がどんどん悪い方に進んでいき、取り返しがつかなくなってしまう。事件が解決したのは、妹のピアが最後まで諦めずにがんばったおかげ(最初彼女にはイラッとすることもあったけど、最後のほう、私はピアを応援していました)。

クリックベイトと真夜中のミサ:Netflix英語ドラマ_b0087556_18095426.jpg
真夜中のミサ
監督:マイク・フラナガン

人口127人の寂れたクロケット島。飲酒運転で事故を起こし、刑務所に入っていたライリー(ザック・ギルフォード)が出所して島の実家に戻ってくる。ザックの幼馴染でかつて恋人だった(ケイト・シーゲル)も島に戻って教師をしていた。

島のセントパトリック教会は長年、プルーイット神父という高齢のモンシニョール(教区司祭)がいたのだが、巡礼に出た旅先で病に倒れたとのことで、代わりに若いポール神父(ハミッシュ・リンクレイター)が派遣されてくる。そして不可思議なことが起こり始めるのだった……

全7話。各話のタイトルが聖書の章タイトルになっていて、当然ながら最後の章は「黙示録」です。これもすごく面白くて、やめられなくて一気に観ちゃったんだけど、大きなツッコミどころがある。

最大のツッコミどころは、カトリック教徒なのに司祭も信者も誰ひとりとして「それ悪魔じゃないの?」と疑わないところ。なぜ?? サタンのサの字も出てこない。特に司祭、そこは大いに葛藤すべき点じゃないのか。狂信的な信者の女性が、嬉々として聖書を引用するけど、誰もサタンの試みじゃね?と言い返さない。これもやっぱクロケット島が閉鎖されすぎて思考が停止しちゃっているからだろうか。それともそんな島民の性質を見込んだ悪魔が一枚上手だったのかな……。

あとね、登場人物の人々の話が長いです。ひとりでずーとしゃべってて相手に口を挟ませない人もいれば、相槌もうたずだまって忍耐強く聞いている人もいるけど、もはやここはそういう島だから、と思うことにしました。しかし島民としては新参者の警察官ですら「教会を捜査してほしい」と言ってきた人に対して、自分はイスラム教徒なので難しいの一言で済むところを、学生時代にさかのぼって自分の人生を説明しだしたのには仰天した。阿鼻叫喚の事態になっても、ニューロンがどうのこうのと長い独白を始める人もいる。おそるべしクロケット島。

さんざんいろいろ言ってるわりに、吸血鬼物として楽しかったのでこれもおすすめ。

by rivarisaia | 2021-10-12 18:15 | ドラマ | Trackback | Comments(0)