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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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パワー・オブ・ザ・ドッグ

すっかり感想を書いた気になってました。映画がなかなかよかったので原作も読んでみたところ、そちらもよいです。ただ映画で結末を知っている状態で読むよりは、知らない状態で原作を先に読んだほうがよかったかもしれないな。

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パワー・オブ・ザ・ドッグ(The Power of the Dog)
監督:ジェーン・カンピオン

1920年代半ばのモンタナ州。頭脳明晰だが粗野で押しの強い兄フィル(ベネディクト・カンバーバッチ)と、頭はあまりよくないが優しい性格の弟ジョージ(ジェシー・プレモンス)は、兄弟ふたりで牧場を経営していた。野蛮で横暴な面があるフィルにはある種のカリスマ性があり、牧場で働くカウボーイたちからも信頼が篤い。東部の大学では優秀な成績をおさめており、バンジョーの腕前もなかなかのものだ。大学では落第生だった弟ジョージのことをつねに大切に考えていた。

しかしある日、ジョージはフィルになんの相談もなく、食堂を経営している未亡人ローズ(キルステン・ダンスト)と結婚してしまう。ローズにはピーター(コディ・スミット=マクフィー)という息子がいた。


ベネディクト・カンバーバッチ演じるフィルの「有害な男らしさ」がテーマのひとつで、男らしくあらねばならないという強迫観念に近いフィルの信念はミソジニー(彼の場合は女性蔑視と女性嫌悪の両方)と表裏一体となり、愛すべき弟が女と、それもなよなよした女々しい息子を抱える未亡人と結婚してしまったことで、フィルの苛立ちと憎悪はローズに向かう。

そのようにフィルは本当に嫌なやつなのですが、でも私はジョージの愚鈍ぷりもどうかと思うんですよ。悪気がないのはわかるけど、それがまたたちが悪いというか、気が利かなさすぎだし、相手の状況を理解できないにもほどがある。ローズが追い詰められてしまうのは、ジョージが鈍感すぎるせいではないのか。

ローズの息子ピーターは学校の寮に入っていましたが、学校が休みになって牧場にやってきます。ひょろひょろして男らしくないピーターは、最初は牧場の男たちのからかいの的となるものの、フィルがピーターを「教育」しはじめることで、状況が変化し、ローズはますます追い詰められていく。

あのう、フィルは最悪だし、ジョージもひどいと思って観ていたけど、いちばん恐ろしいのはピーターじゃないですかね……。

映画では母親ローズの幸せを願う気持ちがピーターの行動の動機付けになっている気がしましたが、原作だと父親の死がけっこう重要なポイントになっている。映画も原作もこれは「復讐」の物語なのではないかと思いました。

by rivarisaia | 2022-02-25 11:40 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)