木と市長と文化会館/または七つの偶然
2022年 12月 12日
『木と市長と文化会館/または七つの偶然(L'Arbre, le maire et la médiathèque)』
監督:エリック・ロメール
アマゾンプライムにロメールがあるので、気が向いたときについつい観ちゃう。
パリ郊外ヴァンデ県の田舎町サン=ジュイールの市長ジュリアン(パスカル・グレゴリー)は、村の原っぱに図書館や視聴覚ライブラリー、野外劇場、プールなどの総合文化会館を建設しようと考えていた。
だが、小学校教師でエコロジストのマルク(ファブリス・ルキーニ)は、自然環境が破壊されるとして、その案に激怒する。市長ジュリアンの恋人で小説家のベレニス(アリエル・ドンバール)もいまひとつ文化会館には懐疑的。
そんな中、ベレニスが政治雑誌の編集長と親戚関係にあったことで、女性ジャーナリスト(クレマンティーヌ・アムルー)が取材に訪れ……
ロメールの作品はいろいろと何度か観てるけど、やっぱりおもしろい。とにかくみんなよく喋る。そしてそのとりとめもないお喋りの流れが、なんとも心地よい。私のフランス人の友人やイタリア人の友人もこんな感じでよく喋る。その際に私たちは英語(とイタリア語もまじる)で話すけど、会話のリズムとか流れとか身振り手振りとか、アメリカ人の友人と話すときとは何か違う。ロメールの作品の会話の流れは、ヨーロッパの友人との会話に似ているので、なんだか懐かしい。
この映画で一番好きなのは、最後のほう。建設案に反対する教師マルクの娘ゾエが、ジュリアン市長の娘ヴェガと友だちになり、ゾエが市長に「建設計画についてお話したい」と言うところ。
市長は「きみのお父さんは計画に反対しているけど、それはそれでひとつの意見だからいいんだよ」と言う。「悲観的なパパ以上に計画に反対している」という子どものゾエに向き合い、「意見が変わらないとしても、みんなまず話しあうべきだ」と、ちゃんと耳を傾ける。そして「全体的にきみの主張は理にかなってる。助言をありがとう」とお礼を言うのだ。
「それはあなたの感想ですよね」とか「論破」とか言って悦に入ってる人や日本の議員も、ジュリアン市長のこの態度は見習ったほうがいいんじゃないかしらね。意見が変わらなくても、まず話し合うというのが最近は足りてないような気がしました。私も気をつけよう。
by rivarisaia
| 2022-12-12 22:33
| 映画/洋画
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