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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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パリところどころ

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パリところどころ(Paris vu par...)


1965年のオムニバス映画。15分くらいの6つのエピソードで構成されている。


「サン=ジェルマン=デ=プレ」監督:ジャン・ドゥーシェ
米国の留学生が「大使の息子」だという男性とひと晩過ごした翌日、別の男にナンパされ、その男について家までいったら昨晩と同じ部屋で……

「北駅」 監督:ジャン・ルーシュ
夫婦喧嘩をした朝。妻(ナディーヌ・バロー)が家を出て会社に向かっていると男性に執拗に声をかけられる。「えっ!?」となる唐突なエンディング。

「サン=ドニ街」 監督:ジャン=ダニエル・ポレ
内気な皿洗いの男(クロード・メルキ)がベテランの娼婦(ミシェリーヌ・ダクス)をアパルトマンに連れ込むも、なかなか前に進めないまま、ぎこちない会話を続ける。

「エトワール広場」 監督:エリック・ロメール
凱旋門のある広場。元ランナーである洋品店勤務の男性がちょっとした事件に巻き込まれ、心が休まらない日々を過ごすハメに。

「モンパルナスとルヴァロワ」 監督J・L・ゴダール
現代彫刻家と自動車整備工というふたりの男性を二股にかけていた女性(ジョアンナ・シムカス)が、中味を取り違えてふたりに出した手紙を取り返そうとする。

「ラ・ミュエット」 監督:クロード・シャブロル
ブルジョワの一家。夫(クロード・シャブロル)は妖艶な家政婦と浮気しており、妻(ステファーヌ・オードラン)との口論が絶えない。息子は両親の言い合いを聞かないで済むように耳栓をつけることにするのだが……。


いちばん好きなのは、ロメールのエピソード。凱旋門の広場はまるで円形競技場のようだというナレーション、そして元ランナーの主人公は新聞のスポーツ欄を玄人の視点で読むような人物なのだが、そんな彼が円形競技場のような広場を疾走する事態になるのが可笑しい。でもちゃんと安心するオチがついて、めでたしめでたしという終わり方。くれぐれも傘を持っているときは気をつけましょう。

それと対象的に不穏なエンディングを迎えるのがシャブロルで、そこがとてもシャブロルらしくてよいんだけど、個性的な雰囲気の夫役がよく見たら監督本人だった。ちなみに妻役のステファーヌ・オードランは当時結婚したばかりの監督の妻で、のちのバベット(『バベットの晩餐会』)です。

ゴダールのエピソードは、ジョアンナ・シムカスがとにかく可愛いのひとこと。シムカス演じるモニカは二股をかけているのだが、ふたりとも無骨な感じで、かたや芸術家(モンパルナス)かたや職人(ルヴァロワ)だけど、両者ともに溶接をしているという共通点がある。モニカは溶接マニアなのだろうか。もともと、ひと晩に時間差でふたりと会う約束してて、モニカけっこうバイタリティあるなって感心しました。さんざんな目にあって気の毒だけど、彼女ならきっと大丈夫。


by rivarisaia | 2023-04-17 20:45 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)