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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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窓際のスパイ(Slough House)シリーズ7巻:『Slough House』

Apple TV+で「窓際のスパイ」シーズン4の配信が始まるタイミングで、意図せず原作の続きを一気に読んだ。思えば6巻の衝撃から立ち直るのに半年かかったともいえる。そして今回も衝撃的な展開でしたね……

窓際のスパイ(Slough House)シリーズ7巻:『Slough House』_b0087556_20290883.jpg

長編7巻目『Slough House』Mick Herron著、Soho Crime

Brexitやソールズベリでのノビチョクによる毒殺未遂事件など、現実世界の英国が背景にある第7巻では、MI5長官のダイアナ・タヴァナーがロシアへの反撃に出ようとしていた。だがそれは悪魔と取引をすることであり、その結果、報復が報復を呼び、タヴァナーは自身の立場を危険に晒すことになる。

一方、前回の出来事から完全に立ち直っていないスラウハウスでは、データの消去やメンバーに対する尾行など、自分たちが何らかのターゲットにされているのではないかと疑心暗鬼になるような事態に見舞われる……



6巻が謎を残す終わり方をしたのであらすじが書きにくいのだが、どういう事情なのかは早いうちに判明。そして今回は1巻のフォローアップのような部分もあり、懐かしい人々も登場するので、読む前に1巻のおさらいをしておくといいかもしれない。というか私の場合、すっかり記憶から消滅していた人がいて、これ誰でしたっけ?と検索するはめになった。

タヴァナーが取引する「悪魔」は言わずと知れたピーター・ジャッドだが、タヴァナーは「Keep your friends close, but your enemies closer」という思考でジャッドと接してると思う。だがジャッドの方は、タヴァナーを通じて情報局をコントロールしようとしているし、それが可能だと考えている。今回そのジャッドに力をかしているのは、デジタルメディアを運営する金持ち野郎のダミアン・カンターだ。

スラウハウスの方のストーリーラインは、前作のネタバレになるので詳しく書かないけど、メンバーが今回も命を狙われる。だがスラウハウスには、自分の部下に手を出されるのは絶対に許さない男、ジャクソン・ラムがいるのであった。ラム、表向きは毒舌だし、(文字通り)汚くてろくでもないけど、それは目眩しなんだろうな。部下思いという点では諜報業界では最高の上司だと思う。なんだかんだ言って、タヴァナーも表に出さないけどラムには一目置いてるもんね。

また、今回はドラマ化するならピーター・ディンクレイジかな?というキャラクターが登場。ラムとのやりとりがちょっと面白い。

そして……

本作、またもや巨大なクリフハンガーなエンディングだった。いや、さすがに呆然としたよね。リアルタイムで読んだ読者は次の巻が出るまでどうしたらいいんだとやきもきしたはず。

でももう、今となっては次巻は出ているので大丈夫。速攻で読んだので次回に続く〜。

6巻までの感想(ノヴェッラ含む)は以下:




by rivarisaia | 2024-09-18 20:40 | 書籍 | Trackback | Comments(0)