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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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『武士の介護休暇』

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武士の介護休暇』﨑井将之著、河出新書

最近読んで大変面白かった本。歴史の授業や小説や時代劇では扱われないテーマであるがゆえに、これまで想像していたイメージとは少し違っていた昔の時代を窺い知ることができてよかった。テーマは介護なのだが、私は重い気分にもならず興味津々でむしろ楽しく読んだ。

昔の人の平均寿命が短いのはあくまで乳幼児の死亡率が高かった時代の平均だからであり、当然ながら長生きする古老も存在した。ということは、介護が必要になる身体状況の高齢者だっていたわけで、実際にそういう老人の介護はどうしていたのか、当時の日記や史料などをもとに紹介するというのが本書です。

江戸時代、武士には各藩が制定した介護休業制度があり、介護を中心的に担っていたのは女性ではなく男性だったというのが驚き。実際には家の女性や使用人もあれこれ手伝っていたと思われるけれど、キーパーソンは男性であり、排泄介助などの記録もマメに残されているのだった。

また、本書のタイトルは『武士の〜』となってますが、武士以外の庶民の場合はどうしてたのか? 農村は? 身寄りがいない高齢者の介護や見取りは?など、読んでいる最中に頭に湧いてくる疑念に次々答えてくれるような構成になっているのも、著者はツボを押さえてる感じがしました。

江戸以前の古代から中世の介護事情についても章が割かれていて、日本における高齢者介護の歴史をざっくり俯瞰する流れ。昔の史料や物語に出てくる描写が、認知症を示しているのではないかという指摘もなるほどと思った。そりゃ、昔も認知症や脳卒中になる高齢者は存在したはずだもんね。

あとがきに「高齢者介護は現代社会特有のものではなく、昔から続く生活の一様相です」とあるように、昔の人もなかなか苦労してたのねと思ういっぽうで、諸外国では昔はどうしてたんだろうと興味が湧いてきた。そういう本あるのかな。


by rivarisaia | 2025-01-18 21:50 | 書籍 | Trackback | Comments(0)