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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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『近世菓子製法書集成』:「カセイタ」あるいは「かせいた」のこと

近世菓子製法書集成 1&2 東洋文庫』鈴木晋一、松本仲子/編訳注 平凡社

何度かこのブログで触れている「カセイタ」のことを、たまに思いついたように調べている。東洋文庫から出ている『近世菓子製法書集成』の1巻と2巻にも「カセイタ」に関する記述があると知り、読んでみた。

『近世菓子製法書集成』は、また別の意味で大変面白かったので、これはこれで別途感想を書く。その前に、まずは「かせいた」のこと。「かせいた」の項目は以下の3カ所。

1巻「御前菓子秘伝抄」89項
1巻「餅菓子即席手製集」68項
2巻「名菓秘録」67項

どれも材料に使われている果物は山梨。このうち、「餅菓子即席手製集」のレシピは悪文で意味不明と解説者が書いており、レシピとしてきちんと書かれているのは残りのふたつ。

作り方をざっくり書くと「山梨の皮を剥いて水で茹で、それを潰して砂糖を入れて火にかけて固くなるまで練り、布の上にあけて平にのばして、6、7日ほど日に当てて乾燥させる」というもので(本には分量なども含めてもっと詳しく書かれている)、やっぱりマルメラーダ(下記参照)と大体似ている。

ただ、「御前菓子秘伝抄」89項の解説で、かせいたという名は「けさちいな」と同じものだったらしい、とあるのは違うと思う。「けさちいな」は小麦粉で作ったトルタで、ポルトガル語の「ケイジャーダ=Queijada(チーズのタルト)」が由来となっている。本書の解説者はケイジャーダを「けさちいな」と聞いたケースと、「かせいた」と聞いたケースがあるのではないかと書いているけれども、「かせいた」の語源はポルトガル語の「カイシャ=Caixa(箱)」であり、マルメラーダが入っていた「箱」から来ているという説の方がしっくりくる。

2巻の「南蛮料理書」の「けさちいな」の項では卵の黄身で作った餡を、1巻「御前菓子秘伝抄」の「けさいな餅」の項では「ぼうぶら(カボチャの一種)」を煮て砂糖を加えて練った餡を、それぞれ小麦粉の皮で包んで焼いている。たぶん、この餡の作り方(特に「けさいな餅」の方)が、かせいたの作り方とちょっと似てるので、混乱したのではないだろうかと推測したけどどうでしょう。







by rivarisaia | 2025-09-14 20:56 | 書籍 | Trackback | Comments(0)