犬は勘定に入れません:ヴィクトリア朝でのんびり

犬は勘定に入れません』 コニー・ウィリス 著、大森望 訳 早川書房

副題は「あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」。
『ドゥームズデイ・ブック』の続編的存在で、こんどは学生のネッド君がオックスフォードから
ヴィクトリア朝に飛びます。

資料集めの時間旅行で過労になったネッド君。ダーンワージー教授に、ヴィクトリア朝でゆっくり休んでこい、と言われるのだが、「時差ぼけ」ならぬ「時代差ボケ」になってしまって、唯一頼まれた任務を忘れてしまう。そんなネッド君はボートに乗って....サア、任務は思い出せるのか!?


前作『ドゥームズデイ..』がちと重いストーリーだったのに対して、こっちはなんとものんびりしたドタバタコメディ。小説の「現代」では、猫が絶滅種になっている、という設定のため、過去にタイムトラベルして猫に遭遇した時のネッド君の反応がおもしろい。登場猫のプリンセス・アージュマンドが最高キャラなので、猫好きは必読かも。

また、ミステリおたくのヴェリティ(1930年代担当の学生で、アガサ・クリスティを新刊で読んでいる)、うっかり博士のペディック教授、読書家の執事フィンチさんなど、おかしなキャラクターがわんさか出てくるのも魅力。ジェローム・K・ジェロームの『ボートの三人男:犬は勘定に入れません』を読んでおくと、さらに笑えるシーンがあります。

ところで、ネッド君の過労の原因は「主教の鳥株」なるものを探す任務だったワケですが、
「鳥株って何?」と悶々としました(英語では「Bishop's Bird Stump」)。

長いので、のんびり読書にぴったりの1冊ですねー。ビクトリア朝のなんともトボケた生活がかいま見られます。
[PR]
トラックバックURL : https://springroll.exblog.jp/tb/4550074
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by rivarisaia | 2006-05-01 21:11 | | Trackback | Comments(0)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
プロフィールを見る