わたしを離さないで

最近、図書館で借りる小説が軒並みハズレ、さらに本屋で買った小説もどうも今ひとつ...というパッとしない読書生活・小説編を送っていましたが、久々に読み応えのあるすばらしい小説が!
さすがですね、カズオ・イシグロ氏。
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わたしを離さないで』カズオ・イシグロ著 土屋政雄 訳 早川書房

イシグロ氏本人が「隠さないといけない情報があるミステリーじゃありませんから、謎の種明かしは重要じゃありません」とおっしゃっているので、内容に触れていいのかもしれませんが、この小説の場合は、あらすじ読んでも良さがわかんないと思うんですよねえ。とりあえず、読んでみて!としか言いようがないというか...。

文学系の本の場合、「話の筋」だけ聞いても良さがわからないことって多いですよね? 泉鏡花の小説だって、読まずに筋だけ聞いたってあの世界観は伝わんないものねえ。そんな私は「あらすじで読む日本文学」とか「5分でわかる世界の名作」とか、そんな本が大キライです! 筋だけ知って読んだ気になれると思ったら大間違いだーーッ!

ああ、すみません....。つい本題からそれてしまいましたが、気をとりなおしてカズオ・イシグロの新作です。謎めいた設定に気をとられるかもしれませんが、途中ですぐに察しがつきますし、その部分は著者の言う通り、私も重要だと思いません。そうではなく、この小説が暗示していることが、そりゃあもう奥が深いのです。ここ最近でもっともおすすめの小説。

カズオ・イシグロは英文がとても美しく、そんなに難しくないので、英語で読むのもいいかもね。
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Commented by 葉月 at 2006-09-01 11:10 x
本はやっぱり全部読んでこそいいですよね
随所に散らばる作者のちょっとしたこだわりとかは
筋を知っただけではわからない
本を読むという楽しさはそういうところにあると思いますね
Commented by rivarisaia at 2006-09-01 20:05
そうです、そうです。
あらすじはどうってことない話でも、全編に流れる雰囲気がすばらしいとか
文章が秀逸とか、たくさんありますからね。
漱石の『草枕』もあらすじだけ知っても読まなきゃわかんないですよ。
あらすじだけ読んでも羊羹食べたくならないもの!
(草枕-->羊羹って発想も自分でどうかと思いますが。あ、でも「草枕」の出だしは最高です)
by rivarisaia | 2006-08-31 23:57 | | Trackback | Comments(2)

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