ショヴォー氏とルノー君のお話集

ずい分前の話なので最近はどうなのか知りませんが、私の友人が「子どもの通ってる幼稚園では残酷だから『カチカチ山』を読んじゃいけないっていうの」と憤慨していました。まあね、私も子ども心に『カチカチ山』のウサギはふてえやろうだと思っていましたが、でも昔話なんて基本的には残酷なものばかりです。しかも子ども自体が残酷な存在なんだからねえ、とその時は話したのでした。

しかし後日、本屋で売られていた『カチカチ山』の絵本を何気なくみたら、最後タヌキがウサギに謝って、仲良しになって終わっているではありませんか、え〜! そんなぬるい改変するくらいなら無理に出さなくても...。
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『カチカチ山』が残酷なら、『年をとったワニの話』の作者レオポール・ショヴォの童話はそれ以上に極悪非道ということになってしまいます。たとえば「目玉を食べられちゃったので、代わりに小石をはめて足げりくらわせたら見えるようになった」などという展開があったりして、よく考えると残酷レベルはR指定かもしれません。しかし、別にグロテスクな感じはしないし、物語としてナンセンスだけどユーモアやアイロニーが込められていて不思議な味わいがあります。

年をとったワニの話』に関しては、プチグラパブリッシングから出ている山村浩二さんの大型絵本の他に、国内では2種類出版されています。

年を歴(へ)た鰐の話』 翻訳・山本夏彦 文藝春秋社

昭和16年に櫻井書店から刊行され、昭和22年に版型を変えて同じ櫻井書店から再刊されたものの復刻版。表題作以外に収録されているのは、「のこぎり鮫とトンカチざめ」「なめくぢ犬と天文学者」の2作。吉行淳之介と久世光彦の解説付き。文章は旧かなづかい。

年をとったワニの話』 翻訳・出口裕弘 福音館書店 (写真)

ショヴォー氏とルノー君のお話集全5巻の1巻にあたります。装丁デザインは堀内誠一。
表題作以外に3作品収録。写真はハードカバーの大型本ですが、文庫サイズがあるはず。

翻訳はどれもいい感じなので、どの本を選ぶかは好みの問題です。

私は子ども時代にショヴォーの童話と出会いたかったですよ!大人になってからでも遅くはないですけどね。


追記:『いつまでも、鰐』文遊社 というのも見つけてしまった。ひええ。こちらは原文テクストも収録しているのが売りなのかな。
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Commented by sei at 2006-09-06 10:02 x
カチカチ山、そんなことになってるんですね。なんだかなー、ぬるい世の中風ですね。ほんとはぬるくないのに。とほほ。

年をとった鰐、プチグラからもうでてるんですねー。買おうっと。たしか祖父江氏でしたよね?
Commented by rivarisaia at 2006-09-06 12:42
ぬるま湯にする意味がよくわかりません。昔話なのに。
プチグラ版は祖父江さんなんですね。大人のプレゼントに最適らしいですよ。
by rivarisaia | 2006-09-05 23:40 | | Trackback | Comments(2)

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