長靴をはいた猫

昨日の童話つながりで、グリムもいいけどペローもね!という紹介です。
完訳グリム童話も捨てがたいものがありますが、ペローの身もフタもないバッサリした終わり方や童話にあるまじき極悪っぷりと、物語の最後に付加される教訓がすばらしいので、「赤ずきん」や「眠り姫」に関しては、ペロー・バージョンの方が私は好きです(まあ好みだと思いますが)。

長靴をはいた猫』 シャルル・ペロー著 澁沢龍彦 訳 河出書房新社

ペロー版では「赤ずきん」はオオカミに食べられておしまい。親切な狩人は出てきません。一方で「眠り姫」は王子様のお母さんが人食い鬼であったという後日談付きです。

ペロー童話集はいろいろあれど、澁澤龍彦の訳で河出書房から出ている本書は、さすがの私も子どもにすすめるのはいかがなものか、と躊躇します。なぜなら、片山健の挿絵がスゴイから。物語にピッタリとマッチする独特の雰囲気を発散していますが、完全に大人向けの不気味な挿絵。おかげで、ペローといえば片山健、というイメージが頭から離れなくなってしまいました。「青ひげ」の挿絵なんて軽く夢に出そうな感じです...。

それにしても、西洋の王子様はどうして揃いも揃って皆ちょっとズレてるんでしょうか。本日、電車の中でぼんやり考えていたのですが、真面目に捉えるとやや性格に問題がありそうな人ばかりじゃないですか? オーソドックスな話を取り上げて考えてみました。

● 白雪姫:
よく考えてみると、王子は「白雪姫」の死体が欲しいと小人にねだっている。
姫が生き返ったからいいようなものの、生き返らなかったらどうするつもりだったの?

● シンデレラ:
舞踏会で一緒に踊ったのに、ガラスの靴しか記憶にないご様子。それとも姫の化粧が派手で分からなかったのか。いずれにしても靴のサイズがピッタリはまる人が1人しかいなくてよかったです。

● 眠り姫:
一見りりしい感じもするのですが、100年も前の伝説の姫を助けに行くという執着心がやや怖い。しかもペロー版では人食い鬼の息子です。で、母親が「孫を食べたーい!」と言う自体を予測できない(まあ王子は遠くに出かけてたからしょうがないと思うけど)。

● ラプンツェル:
女の子に髪の毛を垂らしてもらって、塔に登りよろしくやるのは良い。しかし、なぜ女の子を塔から助け出さないのでしょうか。さっさと一緒に逃げたらいいのに...。

私にとってワースト王子はアンデルセンの『人魚姫』です。鈍感で天然ボケ、人魚姫は何のために人間になったんだよ!と世の中の不条理を学びました。

それにくらべて日本の昔話は、まあ王子ではないですがお姫様をゲットするヒーローは、結構りりしい感じがします。身体が一寸しかなくても、部下に動物しかいなくても、果敢に敵に立ち向かうしねえ。ここが文化の違いと言うものなんですかね...。
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by rivarisaia | 2006-09-06 23:58 | | Trackback | Comments(0)

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