図書館戦争

香港系テーマが続いたので、たまには最近読んでおもしろかった本の話でも。

さて、友人・朝夕さまとお会いすると、どういうわけだか必ず書店に行ってしまうのですが、前回の書店巡りにて朝夕さまから「あ、これ、おもしろいらしいよ!」と言われた本が、

図書館戦争』 有川 浩 著 (メディアワークス)

その時の会話。やや脚色あり。太字が私。

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「と、図書館戦争?」

「そう。公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まるべく "メディア良化法" とやらが施行されてね、数々の本が禁書あつかいになるんだけど、そうした本を守るために図書館が武装して戦うらしい」


「ぶ、武装して誰と?!」

「メディア良化法を推進する機関と図書館との間で、死人も出るくらいの激しい抗争が起きるのよ。そこで、図書館は軍事訓練を積んだ人員を配備して戦う。2巻も出た。その名も『図書館内乱』。どう?」



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「な、内乱?」








ライトノベルです。コンセプトは「月9の連ドラ風で一発GO!」と著者あとがきにあるように、登場人物のキャラはマンガ的、ストーリーもハードな戦闘シーンはあまりなく、ときどき恋愛(なのか?)を交えながらドラマ風に展開します。舞台は、本を守るために図書館に自衛軍が常駐するようになった現在。主人公は入隊したばかりの熱血女性です。


軽いノリのラノベとあなどるなかれ。差別用語が使用されていたら文脈を判断せず発禁にしていいのか、少年犯罪は青少年に悪影響を与える表現のせいなのか、表現の自由はどこまで許されるのか、中立な立場を守ることとは、派閥間のかけひき...。ストーリー展開は軽いが、背後に横たわるテーマは重い。


ある表現が人権侵害または差別なのかどうかは、コンテクストあるいは状況によって変化するのでは、と思うことはよくあります。たまたま仕事の資料で『封印作品の謎』1、2(安藤健二 著、太田出版)を読んで考えさせられたばかりだったので、なおさらです。


自分を振り返るとあまり笑えないのが、ワイドショーなどで「犯人がこんなビデオを見てました」とかやるじゃないですか。で、本や映画のせいにされがちなんですけど、「あ、私も見たよーん、そのホラービデオ」とか「私も読んだよーん、拷問の歴史!」ということがしばしば...。そんな私はどうしたらいいのか、と。

表現の自由が強化されつつある現代、このあり得ないシチュエーションを手放しで笑ってられないかもしれないとフと考えました。

どうやらシリーズ化するらしいので、続きが楽しみ。「本を焼く国はいずれ人を焼く」。図書防衛員を応援します。ちなみに、個人的には手塚君のキャラに注目してます。
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Tracked from 朝夕日記 at 2006-11-08 19:17
タイトル : 日常は淡々と。
朝、いつものように眠さと格闘しながら起床。 ボケボケと支度。そして出勤。市電の中でお向かいのイタリア人と一緒になる。彼女の娘一人が今なぜか中国語を習い始めているそうな。小学校で希望者のみに朝早く通常授業の前に週2回提供されるコースらしいのだが、すぐ止めるだ... more
Commented by rivarisaia at 2006-11-08 23:29
朝夕さんも同じタイミングで読んでいた...(笑)。
くわしくはTB先の朝夕日記を。猫のブエノスちゃんとアイレスちゃんが
かわいい(ってかデカイ)のなんのって。
by rivarisaia | 2006-11-04 23:54 | | Trackback(1) | Comments(1)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


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