エリザベート・バートリ

ええっと。昨日、人食いハンニバルさんについてふれたので、今日は、実在の吸血夫人エリザベート・バートリの本でも。

16世紀末ハンガリーに、600人以上の娘を殺害し、若さと美貌を保つためにその血を浴びていた伯爵夫人がいました。そう。『ベルサイユのばら』外伝・黒衣の伯爵夫人のモデルです。
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        この方が血塗れの伯爵夫人ことエリザベート・バートリさん。



折檻した侍女の血が手について、その血をふいたら、「まあ、そこだけ若々しいじゃない!」というのが狂気に走ったきっかけ。そこからどんどんエスカレートして、血のお風呂に入ったり、鉄の処女をつくらせたりとなるわけです。...どうかしてますね。若さと美貌を追い求めすぎるのは狂気の沙汰である、という女性への戒めの象徴的存在です。エステのポスターなどにいかがでしょうか。


そんなエリザベート・バートリ(エルジェベートともいう)の伝記で、おすすめできるのは2種類あります。

●短いバージョン:『世界悪女物語』澁澤龍彦 文春文庫

歴史上の女性を何人か取り上げており、バートリも名を連ねています。そしてダントツです。同じく本書に出てくる毒殺夫人・ブランヴィリエ侯爵夫人がかすむほど。悪女のレベルが違いすぎると言いますか、バートリは悪女というより「猟奇殺人鬼」ですから、明らかに浮いてます。簡単にバートリの生涯を知るにはいいかもしれません。薄幸美人ルクレチア・ボルジアが「悪女」にカテゴライズされているのが納得いかない1冊。


●長いバージョン: 『血の伯爵夫人 エリザベート・バートリ』桐生操

いろいろなところから出版されて、今はどこから出ているのかな。
どうも最近、ノリが東スポじゃないか?と個人的に疑問の桐生操ですが、このシリーズの頃はおもしろかったのです。桐生操の本の長所は「ゴシップ記事的なノリでおもしろく読める」ところ、短所は「どこまで真実なのか非常に胡散臭い」です。本書も同じく、虚実あいまみれた感じがなきにしもあらず。しかしエリザベート・バートリの一生が、よく調べたなあと感心するほど詳しく書かれていて、読みごたえはじゅうぶん。

●オマケ
エリザベート・バートリのウェブサイトもあります。英語とスロバキア語ですが、コチラ
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Commented by 葉月 at 2006-12-10 01:13 x
確かにすごいですよね、この人・・・・
ばれたときには地下から死体がごろごろって怖すぎですよ・・・
ブランヴィリエ夫人はやった事自体はスケール小さいですけど
自分の興味のためだけに慈悲深い人のフリをして
量を変え、種類を変えて、病人に毒入り菓子を配り歩き
実験していたというところが
ある意味バートリ夫人より怖いと・・・・・(私的にはですが
ルクレチア・ボルジアに関しては
「政治の道具にされた薄幸の美女」というイメージと
「兄のために夫を使い捨てした悪女」というイメージがありますからね
真実は闇の中です・・・・・
Commented by rivarisaia at 2006-12-10 18:30
葉月さん、
バートリ夫人の執着心ときたら、そら恐ろしいものがあります。
召使いも途中で娘探しが嫌になったりしなかったのでしょうか。
ブランヴィリエ夫人もバートリ夫人にくらべて人数は少ないものの
かなり頭のおかしい人という感じが....。

ルクレチアの扱いは本によって全然違うのも興味深いところです。
ミラノの美術館で、「ルクレチアの髪」というのを見ましたが、
ピンクがかったブロンドでした。髪が残ってるんだなあとしみじみしました。
by rivarisaia | 2006-12-08 23:58 | | Trackback | Comments(2)

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