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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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サンセット大通り

映画の情報サイトを見ていて、相変わらずリメイクとかシリーズものが多いな、ハリウッド...と思ったのですが、それでなくても、豪華な配役でおまけにロケやらCGやらにお金かかっていそうでも、どうも小粒感が漂う作品が多いのよねえ。ああ、「映画が小さくなってしまったのよ!」とグロリア・スワンソンの声がする...。

サンセット大通り_b0087556_0195161.jpg

「私は大物よ。小さくなったのは映画のほうよ!(I am big! It's the pictures that got small.)」の名台詞といえば、『サンセット大通り(Sunset Boulevard)』(1950)ですね。監督はビリー・ワイルダー。

執事(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)と二人で大邸宅に暮らす、サイレント映画時代の伝説の大女優ノーマ・デスモンド(グロリア・スワンソン)。彼女から住み込みでシナリオの作成を頼まれた売れない脚本家(ウィリアム・ホールデン)は、いまだに過去の名声にすがりついて生きている女優の生活を目にし、彼女の束縛にやがて嫌気が差してくるのだが....

まさにグロリア・スワンソンによるグロリア・スワンソンのための映画ともいえる。

サイレント時代の名女優と監督を実際にキャスティングできたことが奇跡的というか、そこがビリー・ワイルダーの手腕なのかもしれませんが、スワンソンの出演が決まった時点でこの映画は8割がた完成しちゃっていたような気がしてなりません。どうやって交渉したのか気になります。セシル・B・デミル監督が本人役で出ているのも、よく考えるとすごいものが。いくらハリウッドがリメイクの嵐でも、この映画のリメイクはできないだろうな〜という絶妙の配役です。

そして「鬼気迫る演技」というのは、まさにこの映画のラストシーンのためにある言葉。ヘタなホラー映画よりもホラー。劇中だんだん高まっていくスワンソンのテンションが最高潮に達するラストは一度目にしたら二度と忘れられないですが、よく考えてみるともの静かな執事が一番怖い人だったのかもしれないわね。

それにしても、この演技でどうしてスワンソンにオスカーを与えなかったのか。ちなみに1950年のアカデミー賞主演女優ノミネートには『イヴの総て』のベティ・デイヴィスの名前も挙がっていますが、彼女も受賞してないんですよね。受賞したのは『ボーン・イエスタデイ』のジュディ・ホリデイ(誰...?)。


サンセット大通り_b0087556_0195956.jpg

鬼気迫るスワンソンさんもいいですが、若かりし日のスワンソンさんはとてもキレイ。
Tracked from 1-kakaku.com at 2007-03-11 05:08
タイトル : ボーン イエスタデイ
シカゴの不動産業界の大物は、ダンサー出身の美貌の愛人ビリー(メラニー・グリフィス)を用いて議員たちの抱きこみ作戦を講じるが、彼女は世間知らずで教養も何もない女性であり、困った大物はカタブツの経済評論家ポール(ドン・ジョンソン)に彼女の教育を依頼した…。 1950年の日本未公開作(日本ではTV放映のみ)で『マイ・フェア・レディ』の先駆け的な内容のロマンティック・ラブ・コメディー映画を、『ぼくの美しい人だから』などのルイス・マンドーキ監督が当時実生活でもカップルだった2人を主演にリメイク。ただ...... more
Commented by 森と海 at 2007-01-13 00:11 x
ケリー女王?
知らないけど・・・。
Commented by rivarisaia at 2007-01-13 02:05
さすが! そうだ、「ケリー女王」ですよ。
実際の未完作を劇中で使うという交渉はどういう口説き文句で....。
Commented by 森と海 at 2007-01-13 21:02 x
シュトロハイムがOK出した、もしくは出演する条件だったのかも?
監督できなくなった男は、悲惨でございます。
Commented by rivarisaia at 2007-01-14 02:40
せめて劇中で公開を、と。
よく考えると、シュトロハイムにとってかなり屈辱な映画ですよね....。
by rivarisaia | 2007-01-11 23:51 | 映画/洋画 | Trackback(1) | Comments(4)