隠された記憶

最近、観ていたDVDやTV映画がハリウッド系ばかりだったからでしょうか。サスペンスですよね、さあ犯人は一体?と思って観た私が間違っておりました。一から十まで説明すると思ったら大間違いだゼ!と放り投げられました。ハネケに。

誰が犯人とか、そんな小さなテーマではなかったのだ、という気がする。あなたは無意識に人を傷つけたことを覚えてますかー?

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隠された記憶(CACHE/HIDDEN)』 ミヒャエル・ハネケ監督

TVキャスターのジョルジュ(ダニエル・オートゥイユ)は、妻のアン(ジュリエット・ビノシュ)と息子のピエロ(レスター・マクドンスキ)の3人家族。ある日届けられる1本のビデオテープ。送り主不明のテープにはジョルジュの家を正面から隠し撮りした映像が映っていた。何本も送られてくるテープと気味の悪い絵。やがてジョルジュの子ども時代の記憶がよみがえる....。

これは公開時に「衝撃のラストシーン」というウリ文句だったのですが、本当にある意味衝撃でした。ほっぽり出されてポカーンとしている時に、あれ?という2人の人物が写っていた(と思う)のが目に入り、だから、それでどういうことなのよ...?としみじみ反芻させられるという、不可思議なエンディング。

深く考えれば考えるほど、どの映像が現実で、どれがビデオで、どれが記憶なのかすらも曖昧に。特典映像によると、ハネケ自身が「解釈は観客にゆだねます」と語っているので、さまざまな仮説だの解釈だのを考えていたら小1時間ほど経過しました。ハネケの術中にまんまとはまったということでしょうか。

しかし謎解きよりも問題は、常に自分を正当化する主人公の嫌らしさです。これぞ自分勝手君。小さな悪意が1人の人生を変えてしまっているわけですが、おそらく罪悪感は感じていたとしても、勝手君は「だって仕方なかったもん」「こっちは悪くないもん」「だから、ごめんねって謝ってるじゃん!」と言い放って、挙げ句に逆ギレするタイプとみました。そこで起こる悲劇に、不意打ちくらって悲鳴をあげたのは私です。むしろこっちのほうが衝撃だったよ...。

さて、これ以上考えようとすると、フランスのアルジェリア問題にまで発展していき眠れなくなりそうなので、この辺で終わりにします。時間が経ったらもう1回観ようかなあ。
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by rivarisaia | 2007-02-04 23:53 | 映画/洋画 | Trackback(2) | Comments(0)

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