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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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妲己

久々のショウブラです。たまたま輸入DVDバーゲンにて、何気なく買った1枚。妲己は「封神演義」でおなじみの傾国の悪女ですが、さて映画ではどんな感じでしょう。


妲己(The Last Woman of Shang)』(1964)
監督:岳楓   出演:林黛、申榮均、丁紅

商王朝の紂王は政をかえりみず連日のように宴に明け暮れ、さらに諸侯から貢ぎ物を取り立てていた。洪水のために貢ぎ物を出せなかった蘇護を、逆臣と決めつけ殺害する紂王。蘇護の娘・妲己(林黛)は父の後を追おうとするが、侍女の智妍(丁紅)の「1人の女によって滅亡した夏王朝にならって、仇討ちのために商王朝を滅亡させるのです」という進言によって、紂王への復讐を誓う。

悪女ではなく、壮大な復讐計画を心に秘めた悲劇のヒロインという設定もいいかもしれません。妲己は後に紂王を倒すことになる青年・姫発と偶然に出会い、一緒に琴など弾いちゃって思いを寄せるも、泣く泣く紂王の元へ...という展開です。

復讐心にメラメラ燃えてたのは妲己よりも智妍。「私のためにお星様を取ってくださいな」と妲己が言ったがために、紂王は摘星楼という高い塔を建設することになるのですが、これも智妍が密かに妲己をそそのかしていました。とにかく智妍が大活躍。

いっぽうで、紂王は「暴君」というより「宴会大魔王」でした。歌い踊る女官を見て「ワハハ、ワハハ」と笑い続けていた印象しかない。残虐シーンもあるにはあるけど、宴シーンの割合が多い。したがって「炮烙(ほうらく)」は出てきませんが、「酒池肉林」はちゃんと出てきます。肉を焼いてる親父が映ったので、これはもしや...と思ったら、手前の木に焼き肉がぶらさがっており池の水が酒でした。まさに「酒を以て池となし、肉を懸けて林となす」ですよ!

衣装もいいし、なかなか楽しみましたが、特筆すべきは、ものすごく唐突なエンディング。これまでも唐突なエンディングは数々目にしてきましたが、これまた余韻のかけらもなしで、呆然とすること請け合いです。
by rivarisaia | 2007-02-20 21:30 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)