西洋ルネッサンスのファッションと生活

イタリア強化週間とか言っておきながら、第一弾が昼メロ調な話題になってしまったので、今回は知的な方向で行こうと思います。とは言っても、書いてる人間が知的じゃないので内容は相変わらずですが、紹介する本は知的だよ!(たぶん....)

先月、友人・朝夕様が来日の折、気合いを入れて神保町巡りをしたのであった。朝夕さんこそ真の知的な方であり、そしてその守備範囲はマンガから歴史書と幅広く、何かと学生時代からお世話になりっぱなしなのですが、そんな朝夕さんが本屋の棚で見つけた本が私の頭から離れなくなってしまったのでした。
b0087556_185433.jpg

西洋ルネッサンスのファッションと生活
チェーザレ・ヴェッチェリオ著、挿画 加藤なおみ訳
ジャンニーヌ・ゲラン・ダッレ・メーゼ監修・序文

ティツィアーノの弟子だったチェーザレ・ヴェッチェリオが1590年に出版した『Degli Habiti Antichi et Moderni di Diverse Parti del Mondo(世界各地の古代及び原題の服装)』から約3分の1を紹介。地域、階層、職業、男女別のさまざまな服装を描いた木版画とその解説を見開きで掲載。


そのときに即決して買わなかったのは、私にとってホイホイと買える定価ではなかったからです。そして、ただの図版と解説だけだったら、別に買うこともなかっただろうと思う。グッときたポイントを箇条書きにしてみます。

 ・巻頭にメディチ家所蔵の手彩色カラー図版が72点もついている
 ・監修者序文がイタリア語/日本語のバイリンガルである
 ・イタリアだけでなく、他のヨーロッパ諸国、中東、アジア、アフリカの服装も掲載
 ・巻末の訳注、作者の生涯、服飾用語解説、織物用語解説が充実

b0087556_1864664.jpg

本文はこんな感じです。「日本の青年」の図版も1点アリ。ただし丁髷でも着物でもないけど、もしかすると年代的に遣欧使節の服装かな? 図版を見てるだけでも、階級の違いや職業の違いが服装に現れているのが一目瞭然でなかなか興味深いんですが、本文の解説和訳に、ところどころイタリア語が記載されていて<例:飾りひも(passamani)>、そこから巻末の用語解説に飛ぶと、語源や歴史も含む詳しい説明がなされているのに脱帽。

アラビアゴムと熱したスプーンで巻き毛をつくっていたこと、ヴェネツィアで台付き木靴が流行った理由、イヤリングが宗教的倫理から中世に一時廃れて14世紀に復活したこと、亜麻布の下着が好まれたわけ、といった話がいろいろと書いてあって、読み物としてもとても面白い。

巻末だけでも読んでみて〜とおすすめしたい1冊です。古本でも気軽に買える値段じゃないもんなあ。おかげさまで、この本と天秤にかけられた本が数冊、図書館で借りる本リストに移動されました。こうして図書館本リストがどんどん長くなっていく.......。

フィレンツェ国立図書館をはじめイタリア各所の中央図書館や古文書館が所蔵しているという、原書をいつか見てみたい。2刷は市場にも出ているようですけど、私には現物を買える資金も身分もないので、ただ見たいだけ。
[PR]
トラックバックURL : https://springroll.exblog.jp/tb/6797426
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ぺけ at 2007-05-01 19:22 x
メディチ家所蔵のカラー図版入り「ルネッサンスのファッションと生活」!すごーく見てみたい。(←「読んでみたい」ではないのかッ?)
でもお値段がすごーく気になる(笑)。

それから↓のコメントですが、音楽ブログ、聴いて下さってたんですね。ありがとうございます。私も子供時代の遺産で音楽やってるようなもんで、ネットで公開するような演奏じゃないんですが、今の音楽ビジネスが「いい音楽を素直に楽しむ」という事からちょっと逸れている気がして、少し試行錯誤してみました。

「曲名や音楽家名にうとい音楽家」仲間が増えて、嬉しいです!(笑)
でも、私よりは春巻さんの方が、絶対知ってる名前が多いと思う!
Commented by 朝夕 at 2007-05-02 00:01 x
先日はお世話になりました。
真に知的な人なんてありがたいお言葉を。こんなマヌケな私にはもったいない。
これはやっぱりいい本ですねえ。写真でみてもうっとりです。
図書館本リストが長くなっても、多少無理をして手に入れる価値はありますね。
また今度ゆっくり見せてください。そしてまた二人で神保町に行きましょう!
Commented by rivarisaia at 2007-05-03 18:21
>ぺけさん、
値段がねえ......。そんな私は、出版社や翻訳者の方にはホント申し訳ないですが、古本屋で探したことを告白します。大学の先生や図書館や研究者の方には、定価で買ってくださいとお願いしておこう。

そんなわけで、図書館にあったら借りてみてくださいまし。

ピアノが弾けない私には、ジャズピアノは憧れの対象です。子どもの時にピアノをちゃんとやっていればよかった。クラシックも変に敷居が高かったり、音楽を聴くというよりステイタスになっている部分には疑問があります。素直に楽しむのが一番です。

まったく自慢になりませんが、本当に曲名などにうといですよ、私(笑)。
Commented by rivarisaia at 2007-05-03 18:25
>朝夕さん
いやーお世話になりました。やっぱり朝から行くべきでしたね、神保町。時間が足りなかったかも。

この本ですが、日本語版は原書の3分の1だそうですから、ヨーロッパだったら完全版がどこかから出ているかもしれない。図書館にもあるかもしれないですね〜、2刷以降のホンモノが....。閲覧できるんでしょうか。

また来日時は気合いを入れて神保町に〜!
by rivarisaia | 2007-04-30 20:05 | | Trackback | Comments(4)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
プロフィールを見る