イタリア民話集

不定期イタリアだらだら週間。今日はかなりおすすめの本を紹介します。これはかなりツボでした。

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カルヴィーノ イタリア民話集』上・下 イタロ・カルヴィーノ編纂 河島英昭編・訳 岩波文庫(赤)

グリムに匹敵する民話集イタリア版をつくろうと、カルヴィーノが集めに集めた200話の中から75話を選んで紹介。上巻が北イタリア、下巻が南イタリアです。

グリム初版もかなりキテレツな話が多くておもしろいですが、イタリア民話は何だこりゃ〜!という展開の話がけっこうありまして、なかなか楽しい。手を切られたりしてもにょきにょき生えたり、返してもらってくっつけたりするのね。予想外のオチはもちろん、落語か?と思うような笑える小咄も入っています。グリムにも似たような話があるよね〜と思いながら読んでみると、似ているのは出だしだけで展開は全然違っていたりするので、気が抜けません。

「ふたりは幸せになったが、わたしはここで歯ぎしりしている」だの「ふたりは楽しく暮らしたが、わたしには何もくれなかった」だのと、唐突に語り手が不平をこぼして終了する話もあります(たまに、このタイプの昔話みますね。第三者のグチ・エンディング)。

包丁で身体を縦にまっぷたつにされた子どもがまっぷたつのまま成長する話がありますが、カルヴィーノの小説『まっぷたつの子爵』はこの話から来てるのか〜なるほど、と思った次第。

一気読みすると疲れるかわけわからなくなるので、寝る前に少しずつ読んだりするのがいいかと思います。

参考までに、なかなかおもしろかったので、イタリア語版も買いました。

CALVINO Fiabe italiane』 i Meridiani Arnoldo Mondadori Editore版。文庫より少し大きめサイズのハードカバー。

ええ、ひとつの話が短いので、これくらいなら読めるだろう、読め、自分、という勉強の意味で......(いや、しかし遠過去※というハードルが超えられるのか)。

※遠過去は、何種類もある過去形の一種ですが、あんまり使わないので超苦手。こういう昔話系の文章は大体遠過去。
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Commented by peque-es at 2007-05-26 11:48
イタロ・カルヴィーノ! 名前だけは知ってます。というのも、昔スペインの語学学校で一緒だったイタリア人の友達がおりまして、彼女が数年後、私がマドリッドで仕事をしていた時に旅行でやって来て、最後にプレゼントしてくれたのが彼の…え~と…AMORES DIFICILES(スペイン語訳) っていう短編集?…ず~っと積んであるんですが(笑)

一方私は、世界の民話=昔話を読んで育ったと言ってもいい位で…岩波文庫で出てるというイタリア民話集、是非読んでみたいです。

ただ、児童文学の翻訳者って、昔は(?)非常にこなれたいい日本語の文を書く人たちがいて、そういう訳で読んだ子供の本を、大人になって「岩波文庫」で読み直したら、大学の先生が学生に訳させたような感じだったので、???と思った覚えがあるのですが…
イタリア文学には(他の文学にも)疎いのですが、春巻さんがオススメという事は、訳もいいんですよね? イタリア語の原書はちょっと敬遠(?)したいので…(笑)
 
Commented by rivarisaia at 2007-05-26 21:15
>ぺけさん、

カルヴィーノはイタリアの代表作家なので、読め、読めとイタリア語の先生などに勧められますが、まだ数冊しか読んでない(しかも、もちろん日本語で......)。
『AMORES DIFICILES』って邦訳出てるのかしら。調べてみよう。

この本を翻訳した河島先生は『薔薇の名前』を訳した方です。ちょっとかたい日本語ですが、妙な展開になっているのに淡々と語られている点が逆にいい感じです。

ハッピーエンドかと思ったら、なんだか不幸になってしまった....とか、
ひどいことをしておきながら、
ごめんと謝って許してもらって結婚(ええっ?)とか、
ちょっとシュールです(笑)。

スペインの民話もおもしろそうだなー。いつか探してみよう。
Commented by ぺけ at 2007-05-27 00:04 x
春巻さん、ありがとうございます。アマゾン行って見てきたのですが、文庫版はその前に出た単行本から抜粋したものなのですね。単行本の方はユーズド価格で1万以上もしてた!

童話や民話って、元々シュールなものじゃないですか? マザーグースなんて超シュール!(笑) でもそのシュールな中に、人生の真実が隠れているというか…個人的には、現代小説などよりずっと面白いです。
春巻さんは想像が付いたと思いますが、LOS AMORES DIFICILES は直訳すると「難しい愛」ですね。あ、さっきは冠詞忘れてました(笑)。
邦訳、出てるんでしょうかね?
Commented by ゆずきり at 2007-05-27 00:53 x
イタロ・カルヴィーノといえば・・・「マルコヴァルドさんの四季」という、一応こども向けらしい本を子どものときに読みました。話の内容といい挿絵(たぶん原作どおり。イタリア人の名前)といい、ケストナーやミルンといったほかのこども向け話とまったく違ったテイストで、不思議に思っていましたが、それでも何度もよみました。(こどものころって繰り返し読みしますね) 主人公は貧しい人夫だし、シュールに終わってる話もあるし。今、本棚のいちばん上から下ろしてきてながめてみましたが、なかなかおもしろそう、と思えたのであらためて読んでみようと思います。
「民話集」(文庫)も買ってどこかにあるはず・・・さがしてみます。
Commented by rivarisaia at 2007-05-27 21:20
>ぺけさん
単行本がい、いちまんえん! ひえー。

民話の唐突な展開っておもしろいですよね。何でそうなるんだ....(笑)というところが好き。予定調和がない感じが.....。

『むずかしい愛』で岩波文庫から出ておりました。短編集なんですねー。今度読もう。日本語で(苦笑)。
Commented by rivarisaia at 2007-05-27 21:24
>ゆずきりさん、

あらっ、『マルコヴァルドさんの四季』を子どもの時に読んでいた方が!
じつは私、先日読んだばかりです。子どもの時に読みたかったな〜と思いました。感想もだいぶ変わっていたかも。

そうだ、今日のエントリはマルコヴァルドさんにしよう。
by rivarisaia | 2007-05-25 20:35 | | Trackback | Comments(6)

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