猫の大虐殺: 昔ばなしは歴史的解釈で!

手許に、映画や本の中途半端な感想メモが大量にたまっているんですが、今さら書き直してアップしてもな〜という気分なので、ふと思いついて普段ぜんぜん見ない検索ワードランキングを見てみました。

ここ2ヵ月連続、ダントツ1位が「鄭蘋如」なのは、おそらくこのエントリで、ああカンヌで受賞しましたものね、と納得がいくんですが、続くダントツ2位が「エリザベート・バートリ」なのはナゼですか? 映画とかドラマのネタにでもなったりしてます? だったらとても観たいですよ!

そこで読み返してみたんですけど、すごくテキトーな記事ですいません。澁澤と操と海外サイトに丸投げ、みたいな......。

バートリ夫人に関してはあまり日本語の本が出てないので、不本意ながら桐生操の本を挙げたんですけど、私は操の数々の著作に対してはかなり批判的です(ファンの人すみません)。上記のエントリでも、「ノリが東スポ」「胡散臭い」などと書きましたけど、操は他人の著作からの引用があまりに多すぎるうえに、何もそこまでセンセーショナルに書かなくても......と、かなり脱力するので、なるべく読まないようにしています(しかも記述が間違っていたりすることもあるので、ほんと胡散臭い)。

で、ここから私の勝手な愚痴ですが、松本侑子氏との盗作問題もあった例のグリム童話の本がね、とても嫌。昔話なんてみんな怖いに決まってるじゃん、今さら何ぬかす!と発売時はスルーしたんですけど、ある日立ち読みしまして、そしたら悪趣味なパロディ本だった。なんであんなに売れたんだろ.......。

話はどんどんズレていきますが、昔話はそもそも不気味で当たり前ですから、深読みすると、いかようにも解釈できるため、ドツボにはまります(童謡とか聖書、絵画などもそうですね)。昔の資料をヘタに深読みしたせいで、収拾つかなくなっちゃう話が、エーコの『フーコーの振り子』です。

グリムの場合は精神分析的な解釈も多く、たとえば赤ずきんの赤は月経の象徴であるなどと言われたりしますが、そもそも原典の赤ずきんは、「赤いずきんなどかぶっていなかった」(ええ!?)ので、そういう解釈はとんだ見当違いだからおやめなさい、という本がコチラ。
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猫の大虐殺』ロバート・ダーントン著 海保 真夫、鷲見 洋一訳 岩波書店

本書の「農民は民話をとおして告げ口する」の章が、昔話の歴史的解釈についての考察。つまり、ダーントン先生は、(心理学者は)歴史的な背景を無視して、民話を勝手に解釈するなー!と批判しているんですが、これは面白いので一読の価値ありです。永らく品切重版未定で、私も図書館で借りましたが、岩波のサイトを見ていたら、10月16日に岩波現代文庫から出るらしい。エライ! 買う!

歴史的解釈、自分でもやってみたいものです。数々のトラウマ物語をお茶の間に送り出した「まんが日本昔ばなし」あたりで。しかし、いかんせん肝心の歴史の知識が半端なものだからとても無理だな。

「まんが日本昔ばなし」といえばですね、家人がトラウマになったというエピソードを思い出しましたが、長くなったので明日に続く。
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Commented by peque-es at 2007-10-07 23:41
大袈裟に言うと昔話を読んで育ったような人間なので、それがトラウマになるっていうのがイマイチ理解できないでおりますが…訳とか、育った時代背景とかにもよるんでしょうか?
先日たまたま、子供の頃に読んだ「フランス南欧童話集」っていうのを手に取ったら、ペローの赤頭巾ちゃんは、オオカミに食べられたまま終るのですね。で若い娘は、やたらと人の言う事を信じるな、相手はオオカミなんだから…なんていう教訓が付いてた。これって子供の頃に読んで、どう解釈したんだろう???
「猫の大虐殺」読んでみたいです。チェックしときます。
昔話自体は、書かれた歴史などなかった頃からあると思うのですが、語られた時代、書いてまとめられた時代の歴史的背景によって変化していった可能性がありますよね。
Commented by peque-es at 2007-10-07 23:46
(文字数オーバーしちゃったので、続きです。)

「まんが日本むかし話」のアニメ、好きだったんですが、あれが数々のトラウマを作り出したとは、ビックリ! 今でも覚えているシーンに山姥が両の乳房で木の幹を往復ビンタ(?)するのがあって、すっごく豪快で笑っちゃったんだけど…でも私がそれを見たのは、大人になってからなのですね。そういえば、私がごく小さい頃には、コートリババアという一種の山姥(だと思う)の話が、未だ身近にあったのですね。親は笑ってたと思うけど、子供たちの間では結構まことしやかに話されていた。そういう環境で育ったから、逆にトラウマにならなかったのかも?と、ちょっと思いました。

20年かそれ以上前になりますが、「まんが日本むかし話」はスペインのテレビでもやってたんですよ! スペイン語の語り付きで! でそれも好きで見てました(笑)。
明日、楽しみにしてます。
Commented by rivarisaia at 2007-10-08 20:57
おそらく、映像のインパクトと、市原悦子と常田富士男の語りがトラウマの原因かと思われます。文章で読むより、インパクト強い。しかも、かわいい絵柄だと思っていると、それってかなり酷い話じゃないか....?という展開のエピソードもあって油断なりませんでした(笑)

キノコかなにかを採ってる若者が、自分の不注意でガケの中央に取り残される、という話も不条理でとてもイヤだった.....(最後、落ちて死んじゃうし)。

それにしても、ぺけさん、まさに「乳は切れても、木は切れぬ」の話じゃないですか! それです、それ! 私も見たい〜。

by rivarisaia | 2007-10-07 21:21 | | Trackback | Comments(3)

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