科挙:受験者も採点者も大変

ぜんぜん気にしてませんでしたけど、受験シーズンだったのね。入るのを簡単にして出るのを難しくしたほうが、社会にとってよいのではないかと常々思っているんですけど、今の私にはあまり関係ない。

さて、西暦587年に中国で始まった試験地獄、科挙制度。地獄なんて生やさしいものではなかった。無理、無理、私だったら科挙突破なんてゼッタイ無理!ということで、科挙の本です。とてもおもしろいので大変おすすめです。

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科挙』宮崎市定 著 中公文庫

備忘録として、清朝末年の科挙の流れだけをザッと書き出してみます。

学校試(本来の科挙ではなく、科挙の前段階)
県試 → 府試 → 院試(これに合格すると学校に入学でき、科挙の受験資格が取れる)→ 歳試(3年に1度行われる学校での試験)

科挙
科試(予備試験)→ 郷試 → 挙人覆試 → 会試(北京)→ 会試覆試 → 殿試でゴール!


写していて私もワケがわからなくなりました。どんな問題が出されたかとか、試験のようす等については、本をお読みくだされ。

一番最後の「殿試」は、紫禁城の保和殿で行うやつです。保和殿はカンニング防止のために柱が少ないと言われてる場所ですね。これに受かれば、晴れて進士の称号がもらえて高級官吏への道が!....って長いよ、道のりが。

この本で興味深かったのは、「郷試」の章。試験会場となる広大な貢院(たとえば南京の貢院は2万人を収容する大きさ)に缶詰になりまして、いったん門が閉じれば、人が死んでも時間が来るまで開かない。この本には貢院の写真が出てますが、こんなところにいたら気が変になるのではなかろうか、という場所です。

立って半畳、寝て一畳という空間に、数日間缶詰になって、寒さに震えながら試験を受けるなんて、私はいやだ!

案の定、気が変になる人も多かったし、お化け騒動なども起きたらしく、かなり笑える(泣ける?)エピソードが盛りだくさんです。カンニング用の下着とか豆本の写真にも注目。

そして受験生も大変ですが、試験係員や採点者はもっと大変。なにせ、筆跡から特定の人を採点者が優遇することのないように、二万通の解答用紙をすべて採点用の別紙に写すんですってよ! 写す係も気が遠くなりそう。もちろん採点するほうも「少し頭がへんになる」と宮崎先生は書いておられます。それはわかる気がする.....。

本書を読んだ後に、中国古典文学『儒林外史』を読むのもおすすめ!
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Commented by makrele at 2008-01-30 06:52 x
こんにちは~。
そういえば現在の中国の経済成長は、大学入試においての科挙さながらの倍率をもたらしている。なんてニュースを思い出しました!
科挙の試験ってこんなに何回もあるんですね・・・。
分母が多いから必然。。なんでしょうか?
ホント、気が遠くなる・・・。
Commented by rivarisaia at 2008-01-31 01:40
ええ!科挙さながらの倍率....って気が遠くなりそうなケタのような気が〜。な、何倍でしょうね.....。

学校試って、15才未満は子供ということで試験がやや簡単になったそうなので、40才の人も自称「14才」で受験したりしたそうですよ。ヒゲさえなければ、皺があっても試験官が見逃してくれたんだって。

ううむ.....。
Commented by makrele at 2008-02-01 02:21 x
うそっ(笑)。
by rivarisaia | 2008-01-22 20:42 | | Trackback | Comments(3)

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