時祷書の本1:The Hours of Catherine of Cleves

久々に写本の話をします。しかも3回シリーズです。なぜなら、3冊ほど写本の関連書を買っちゃったからです。が、蘊蓄を披露するほどの知識を持ち合わせておりませんので、単に見せびらかすのみ。気軽に眺めて、今後の参考にしてください(何の?)

何を買ったかというと、解説文付きで彩色画ページをたくさん見せてくれる「時祷書のビジュアル本」。特に時祷書マニアというわけではないんですけど、海外の古本屋サイトを見てたら、送料入れても余裕で安かったので発注しちゃった。

「時祷書」は、お祈りや聖書の文章を個人の信仰用に編纂した本で、教会の規定があったわけではなく、あくまで個人クライアントの嗜好に合わせて制作されました。15世紀の『ベリー公のいとも豪華なる時祷書(ベリー公のいとも美しき時祷書)』が有名ですね。

さて第1弾はこちらです。
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The Hours of Catherine of Cleves』(カトリーヌ・ド・クレーヴの時祷書)
George Braziller, Inc./The Pierpont Morgan Library刊

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本書は、左ページに解説、右ページに図版という構成になってます。
図版は全体的に女性らしいデザインで、囲み飾りもおもしろい!

聖ラウレンティウスは魚だし、聖アンブロジウスはムール貝。
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左ページの解説によると、魚に関しては「小さい魚が大きい魚に食べられるがごとく、貧者は金持ちの餌食になる」ということを暗示しているそうですが(ラウレンティウスは貧者の聖人)、ムール貝に関しては「通常、アンブロジウスに用いられる図象ではない」そうです。ナゼ、ムール貝!

b0087556_14361727.jpgカトリーヌ・ド・クレーヴは、ギーズ公アンリ1世の奥さん。夫のアンリ1世は、彼女と結婚する前、王妃マルゴことマルグリット・ド・ヴァロワの恋人だった人。

●メモ
写本の制作年代:1440年代
言語:ラテン語 原書サイズ:192×130mm
現在の所有者は、ニューヨークのPierpont Morgan Library
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Commented by ゆずきり at 2008-03-05 00:28 x
私もこの本ほしいです。たのしいですよね、聖人の絵は。
ムール貝は、ハートみたいに見えるから?
アマゾンの解説に、画家がだんだん技量を上げていった旨書いてありましたが、アーティストならこういう仕事ははりきるでしょうね。
Commented by rivarisaia at 2008-03-05 00:49
>ゆずきりさん

この本、かなり楽しいです! ムール貝はハートみたいだからですかね〜。貝の身の部分は金箔が貼られているらしい。ゴージャスなムール貝なのでした。時祷書なんてどれも似たりよったりだと思っていましたが、画家の個性によって個性同じ聖人でも全然雰囲気が違っていたりしておもしろいです。

海外の古書サイト(alibrisやAbeBooks)ならかなりお安いですよー。たまに届かないことがあるらしいのですが、今回は注文してからどれも2、3週間で届きました。思ったより早かったし、本もきれいでした。
Commented by peque-es at 2008-03-06 20:32
え~っ、こんなのがネットで買えちゃうんですか? それも余裕の値段?
現代の複製(復刻版のような)ではないんでしょ? いやあ、大いに見せびらかされました(笑)。ほんと、欲しくなります。
個人の為の製本とか、本の装丁とか、昔からの手工業でやってるの、前にフランスのドキュメンタリーか何かで見たんだけど、いいですよね。で道具が又いいんです。これも欲しくなります(笑)。
Commented by rivarisaia at 2008-03-06 22:19
>ぺけさん
複製じゃないです。複製は高額すぎて買えませんが、これは写本を1冊取りあげて中ページをいくつか解説つきで見せるという美術書です。その手の美術書は何種類か出ていて、定価もふつうの単行本みたいな感じ(2000円とか4000円とか本によるけど)。それが古本になると、日本では定価よりも高い値段が付いているけど、海外だと送料込みでも定価より安くなっていたりします。
まだあと2冊見せびらかしてもいいですか(笑)

by rivarisaia | 2008-03-04 22:54 | | Trackback | Comments(4)

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