時祷書の本3:The Visconti Hours

時祷書ビジュアル本シリーズ第3弾はイタリア編。イタリアときたら、本当は「ロレンツォ・ディ・メディチの時祷書」が欲しいところですが(数ページしか見たことないけど、キレイな本なの!)、ファクシミリ版つまり複製版しか出てなくて、いちおう海外の古書店でお値段を見てみたら......安くて100万円前後だって。あはは! 買えるわけないね!

そこでメディチは忘れて、送料込みで4000円くらいのこちらのビジュアル本を。ちょっと高いと思ったが、100万円という数字を見た後だったので、えらく安い気分になってしまっていた。

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The Visconti Hours』(ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティの時祷書)
George Braziller, Inc.刊 (この出版社は、すっかりおなじみ!)

値段が高めだったのは第1弾第2弾の本にくらべて版型が大きいからかも。そして中味も今までとはまったく雰囲気が違います。同じイタリアでも「メディチの時祷書」とも全然ちがーう! 何と言ったらいいんでしょうね。これまでの女性的とか可憐とかシンプルで美しいデザインなどとは正反対のオーラが漂っているとでもいうんでしょうか。これがミラノのヴィスコンティ家のパワーなのか。

片側が解説ページ、反対側に図版ページ、という見開きでは、まだいいんですが...
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見開き画像ページになると、囲みの模様は綺麗なんだけど全体的に濃ゆい感じ....。
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何だか濃いのよー。色使いのせいか? 模様のバランスなのか?
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激しい、激しすぎる。これで心落ち着けて祈りを捧げることが可能なのか?というくらい濃い! 印刷の発色が良すぎるのかも、実物はこんなに濃くないのかも、と思ってはみたものの、模様や人物の配置に異様な迫力があるのは確か。絵師の情熱が炸裂しています。そんなパッションあふれる制作者のお名前は、ジョヴァニーノ・デ・グラッシ、ルキーノ・ベルベッロ・ダ・パヴィア他、だそうです。力作だとは思うけど、ごめん、個人的にはあんまり好きじゃないです....。

b0087556_22293088.jpgジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティは、正式にミラノ公の称号を得た人。というか、神聖ローマ皇帝に金貨を払って地位を購入した。ヴィスコンティ家自体は、何代も前からミラノを支配していた家柄でした。

●メモ
写本の制作年代:1390年 完成は1428年以降 
写本の言語:ラテン語 
原書サイズ:247×175mm、250×179mm(原書は2分冊らしい)

現在はフィレンツェの国立図書館が所有。
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Commented by まるま at 2008-03-10 17:11 x
こ、これは激しすぎますね……。ごめんなさいにもう一票です。でも花粉症による鼻づまりも目のかゆみも、腱鞘炎の痛みも、一瞬吹き飛びました。仕事を頼むほうはさ、これくらいパワー炸裂してもらいたいのよね、と(仮想)クライアントのヴィスコンティさんが、非力なわたしにカツを入れてくれたのだと考えます。ご紹介ありがとうございます!
Commented by rivarisaia at 2008-03-10 19:50
>まるまさん

これ激しいですよねえ。何でしょうね、ブルゴーニュの可憐さとのこの違いは。確かに、ここに掲載したページはことさら激しく、もう少しおとなしい見開きもあることはあるんですけどね.....。
全体に青がふんだん使われているので、私の勝手な仮説としては

ヴィスコンティが惜しげもなく資金を投入した結果、
高価なラピスラズリやムラサキガイの絵具がたくさん使用されている

ということなんですが、解説部分を読めば詳細が判明するかもしれないけど、ちょっと今は画力に押されて解説を英語で読むパワーが出ないのでいずれ読んでみます。

Commented by ゆずきり at 2008-03-12 00:23 x
私も、最初の2冊の方が好きです。春巻さんの仮説は、ありえるんじゃないでしょうかねえ。
あと、ふと思ったのですが、昔の夜は、ランプなどの光しかなくて、暗いですよね。暗い中でみたら違う感じなのかも。
Commented by rivarisaia at 2008-03-12 21:28
>ゆずきりさん、
青や紫が多用されているのは、お金がかかってそうですものねえ。
そして、なるほど陰影礼賛のような感じですね。ロウソクやランプの光で見ると幻想的なのかもしれない! そんな気がしてきました。羊皮紙もマットな感じなんだろうし。押さえた色調に見えるかもしれません。
Commented by makrele at 2008-03-14 02:52 x
色使いが、なかなか日本人にはないセンスですよね。
好きになれないの、解る気がします。くどすぎる。
でも、どうだっ、どうだっ、これでもかっ!!と、やりきっている感じは嫌いではないですね。
外国人が曼荼羅を見て?!?!と思うような感じなんでしょうか?ひょっとして。あ、でも?!?!と思っているかどうかはわからないんですけれども。
個人的には1冊目のが好きですね。モチーフの使い方とか、可愛いです。
Commented by rivarisaia at 2008-03-15 23:49
>makreleさん
色の組み合わせがちょっと違いますよねー。中世ヨーロッパらしいのかもしれない。でも、これでもか!というイキオイは買います! 曼荼羅は外国の方はどう感じるんでしょうか。

そういえば以前、アジア某国の方に「京都の寺は地味すぎて良さがわからないが、東照宮はいい!」と言われたことがあります。確かに中国やタイ、チベット、インド....と派手な色彩の寺院が多いかもしれないなー、とおもしろく思いました。
Commented by makrele at 2008-03-18 03:59 x
曼荼羅を外国人に見せられる機会があったら、反応を窺って見ます。
たしかに、日本の寺院て基本的にジミですよね・・・。
旧正月のイベントで駅で中国の京劇やっていたんですけどね、メイクも音も動きも派手じゃないですか。その場で“能だったらどうなんだろう・・・。”と想像し、あ~、ジミじゃぁ。と思ってしまいました。
日本の渋めな『侘び寂び』は難しいのでしょうかねぇ。
あっ、レバー団子。忘れてませんのでお時間下さい!!
Commented by rivarisaia at 2008-03-19 01:07
>makreleさん、
ぜひ反応を窺ってみて〜! 侘び寂びって、どこまで海外の方に理解できるのかナゾです。お国柄というか文化によっても、理解の仕方が変わってくるような気もします。

以前、秋の虫の声が聞こえる時期に、
イタリア人とフランス人が我が家に泊まりに来たことがありまして、翌朝、2人は口をそろえて

「虫の声がすごくうるさくて、なかなか眠れなかったよ〜!
 まるでパンクロックのコンサート会場のようだったね!」

と言っておりました。風情じゃなくてパンクか!と大笑いした記憶が。

レバー団子、そのうち遭遇したらいいですよ〜!
by rivarisaia | 2008-03-10 14:21 | | Trackback | Comments(8)

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