記憶の書と緑のヴェール

以前触れた『白い果実』シリーズの待ちに待った最終刊が出ました。2巻の感想書いてなかったことに気づいたので、まとめてアップ。
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記憶の書』『緑のヴェール
ジェフリー・フォード著、貞奴、金原 瑞人、谷垣 暁美 訳 国書刊行会

『白い果実』で傲慢な性格だった主人公クレイですが、2巻にあたる『記憶の書』では、眠り病にかかった村の人々を救うために旅に出る....って、すごい変わりようじゃないか?でも、基本的にダメ人間なところは相変わらずでした。本書では眼鏡をかけた魔物ミスリックスという愛すべきキャラクターも登場します。あと、犬。犬も忘れちゃいけないですね。『記憶の書』というタイトルが示唆するように、眠り病の薬を求めてクレイが旅するのは、独裁者ビロウの記憶の中。物語よりも、フォードのつくり出す世界観がたまらなく好き。

いっぽう最終巻『緑のヴェール』では、語り手というか主人公がメガネ魔物のミスリックス。犬とクレイの旅物語とミスリックスの現在の物語が交互に語られていく構成です。不可思議なキャラクターが登場するのはこれまで通りですが、1、2作目とは違った趣きでとまどいつつ読み進めていったところ、最後ちょっと「え?」となりました…。いや、驚きの結末ではなく、なんとなく漠然として謎めいた終わり方なんですが、少し哀しい気分になっちゃった。ミスリックスが愛すべき存在なだけに、なんとか幸せになってほしいんだけど、4作目は本当にないのかな。
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by rivarisaia | 2008-08-11 21:43 | | Trackback | Comments(0)

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