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2007年 05月 09日 ( 1 )

パラダイス・ナウ

GWの浮かれ気分なんて吹き飛ばす映画。と言っても、私が観たのは1ヵ月も前なんですが、何をどう書けばいいのかしらねと逡巡してました。いろいろと考え込んでしまった。でもね、これは多くの人に観てほしい映画。

パラダイス・ナウ(Paradise Now)』監督:ハニ・アブ・アサド 公式サイト

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イスラエル占領地のパレスチナ、ナブルスで暮らす幼なじみのサイードとハーレド。閉塞感の漂う、夢も希望もない生活を送っている2人は、ある日、パレスチナ人組織の交渉代表者から「明日、君たちはテルアビブで自爆攻撃を遂行することになる」と告げられる。


2006年のアカデミー賞外国語映画部門にノミネートされた映画ですが、直前にノミネートから外すよう署名運動が起きてもいます。自爆攻撃を行なう者に共感し、その行為を正当化するものである、というのがその理由。

事前に知っていたのがそんな情報だったので、テロリストの立場に深く同情するような物語なのだろうと思っていましたが、そんな安易な共感を求めるような映画ではなかった。

2人はどこにでもいるような、ごくごく普通の若者で、信仰は厚いけど狂信的ではない。じゃあなんで自爆なんてしちゃうのか、それともやっぱり自爆はやめるのか。その決断にいたるまでの葛藤が淡々と描かれていますが、同時に多くのことを問いかけており、それに対する解答は提示されていません。

未来もなく汚名を着せられて生きているような状況で自爆攻撃を選ぶ気持ちは理解できます。でも私と彼らの境遇はあまりにも違いすぎていて、理解はできても共感はできない。同じ境遇に生まれていて、組織の人間からあんなふうに説得されたら、私も自爆攻撃を志願するのだろうか。

ここでも同じようなことを書きましたが、現実はとても複雑で、白か黒かで決定できるものではありません。ただね、絶対的な解決策なんて存在しないとしても、状況を変えようとする努力はしていかなければならないし、何よりも人間誰もがもっている弱い面を利用されるのはもうたくさん。

張りつめたラストシーンからエンドクレジットが終了するまでの静寂の中で、この現実をもっともっと考えてほしい、と言われているような気がしてなりませんでした。

「パラダイス・ナウ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
by rivarisaia | 2007-05-09 02:46 | 映画/洋画 | Trackback(2) | Comments(2)

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