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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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2018年 08月 27日 ( 1 )

The Child Finder


ミステリやサスペンスのジャンルにカテゴライズされている本なのですが、もうちょっと広く一般文芸でもいいんじゃないかなという繊細な印象の本。読む前に想像していたよりも、とてもよかった。

The Child Finder_b0087556_21232353.png

The Child Finder』Rene Denfeld著、Harper

オレゴン州。家族と森にクリスマスツリーを探しにきた少女マディソンが行方不明になる。それから3年が経ち、もし生存していたら8歳になる娘を探すため、両親は探偵のナオミ・コットルに捜査を依頼する。"Child Finder" という異名を持つナオミは、行方不明の子供を探すのを専門としていた。

ナオミには、子供を見つける天性の才能があるのだが(子供は必ずしも生きているとは限らず、死体で見つかることもある)、彼女自身、子供の頃にどこかから逃げてきたところを保護され、記憶を封印したまま、里親の元で育つという過去があった。

ナオミが心を許しているのは、里親である老婦人と、一緒に育った先住民の孤児ジェローム、親友である心理学者のダイアンだけ。

ナオミは、生死もわからない行方不明の少女を探そうと奮闘する。

ひとつ事前警告としては、監禁されている少女の描写が挿入されるのだけど、そこが読んでいて少女の気持ちが痛いほど伝わってきてかなりつらい。露骨な表現はないものの(ほのめかしはあるからつらい)、必死に生き延びようとする少女の姿に胸が苦しくなる。そして真相が明らかになると、言いようのない哀しみとやりきれなさが倍増するのだった。誘拐犯、許すまじ。

やたらとひねりの効いた展開がちりばめられているタイプのミステリではなく、ナオミとマディソンというふたりにぐっと入り込むような小説。

マディソンを探すなかで、ナオミは自分自身の過去とも向き合おうとするのだけど、ナオミについての多くの謎は残ったまま、でも過去と向き合って未来に進むのだろうなと思わせる形で話は終わる。

続きが出版される予定になっているので、楽しみです。


by rivarisaia | 2018-08-27 21:46 | 書籍 | Trackback | Comments(0)