ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書
2018年 04月 16日
とりあえず報道に関わる人たちは全員、心の帳面にびっしりメモする勢いで観とけ!という作品ですが、私はこの映画を観ながら今の日本社会における女性は50年前のアメリカと似たような状況なのかな?とうすらぼんやり考えていました。とにかくメリル・ストリープがとても上手い。
『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(The Post)』監督: スティーヴン・スピルバーグ
ベトナム戦争が泥沼化していた1971年、国防総省が作成していたベトナム戦争に関する機密文書である調査報告書の一部をニューヨーク・タイムズがスクープ。
政府が国家の安全保証が脅かされるとして記事の差し止めを請求するなか、ワシントン・ポストでは編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)が残りの文書を入手して公表しようと奔走、そして社主のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は社運をかけた重大な決断を迫られる、という話です。
ベン・ブラッドリー率いる編集チームは(かっこいい女性が一人いる)気概があって、政府の圧力?そんなもん知るか!というメンタリティで、任せておけば安心できそうだからいいんです。しかし、キャサリン(ケイ)・グラハムはどうだろうか。
上流階級のお嬢さんで専業主婦だったケイは、夫が自殺したために46歳でワシントン・ポストの経営を継いで社主になる。なるんだけれども、経営陣、投資家など周囲は男性ばかりで、ビジネスの経験もないケイは頼りないと思われて、経営パートナーの一名を除けば、まともに話を聞いてくれる人もいない。そうした状況で、経営が不安定な一地方紙だったポストをなんとか軌道に乗せていかなくてはならず、そんな時に、編集以外が全員が反対する中で、この「重要機密文書を紙面で報道する」という決断を下すことになるのだった。
自信なさげなケイが悩みに悩んで決断するところで胸が熱くなるんですけども、どんなに大変なことだったのかみんなわかってんのかな、と私が内心思っていたところで、ベン・ブラッドリーの妻が「ケイは勇気がある。女性だし、判断力もないと周りから見下されている中で、すべて失うかもしれないのに。あなたとは決断の大変さが全然違う」という意味のことを夫に伝えるところで「わかってる人いた!!」と泣いたよね……。
重要な場に行ったら、まわりが全員男性ばっかりで、女性はなんだか小馬鹿にされたような態度取られるとか、いまだにあるあるすぎて見につまされるわけですよ。
余談ですが、この映画はスクリーンにどどーんと「マイナスねじ」が大写しになります! まあメインはマイナスねじというよりも輪転機だけど。それから気送管もちょこっと活躍する。輪転機(とマイナスねじ)や気送管はやっぱりいいなあ。
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by rivarisaia
| 2018-04-16 21:58
| 映画/洋画
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