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カテゴリ:映画/アジア( 164 )

パドマーワト 女神の誕生

ディーピカー・パードゥコーン主演の豪華絢爛、目のご馳走のような映画を観たことを記しておくのを忘れていました。
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パドマーワト 女神の誕生(Padmaavat)』監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー

マリク・ムハンマド・ジャーヤシーの叙事詩『パドマーワト』が原作。

13世紀末、シンガール王国の王女パドマーワティは西インドの小国メーワール王国の王ラタン・シンと恋におち、結婚する。その頃、北インドではハルジー朝を興したジャラールッディーンと甥アラーウッディーン・ハルジーが着々と勢力を拡大していた。

という出だしで、パドマーワティがディーピカーちゃん、そして悪役となるアラーウッディーンがディーピカーちゃんの実生活での夫であるランヴィール・シンが演じています。ランヴィール・シンの悪役のインパクトが大変に強烈で、夢に出そう。

パドマーワティはかなり伝説の要素が強そうな人ですが、ラタン・シンやアラーウッディーンは実在の人物。アラーウッディーは、モンゴルが巨大帝国を築いた頃のデリー・スルタン朝の人。遠い昔の世界史でやったような気もなきにしもあらずですがすっかり忘れていました。Wikipediaの項目などを読んでみると、すごく興味深い人物ですね。

ウッディーンってば、劇中でも自分のことを「アレクサンダー大王」になぞらえてたけど、ほんとにそう自称してたのね。そして異彩を放っていた宦官マリク・カーフールも実在の人物で、権勢を誇っていた様子である。

物語は、叔父を殺しスルターンとなったアラーウッディーンがパドマーワティの美貌の噂を聞きつけ、メーワール王国に兵を差し向ける、という展開になります。パドマーワティを一目見たいアラーウッディーンと、ちらりとでも拝ませてやるものかというメーワール王夫妻の攻防戦みたいなことに。

本編が始まる前の注意事項で、映画がどのような結末に向かって突き進んでいくのかわかってしまっているんだけども、それを差し置いても、そもそもパドマーワティとラタン・シンの出会いがですよ、

パドマーワティが鹿を弓矢で仕留めようとしたら間違えて王を討っちゃった

という状況だったわけじゃない? そんな王様、だいぶ頼りなさそうだし、モンゴルを蹴散らしてるアラーウッディーンにかなうわけないよね……。




by rivarisaia | 2019-06-27 18:07 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

バーニング TV版&劇場版

佳境に入った作業と確定申告にかまけていたらもう3月。映画や本のメモ書きも溜まってきたのでさっさか更新します。

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バーニング TV版&劇場版(Burning)』監督:イ・チャンドン

ある日、街で幼なじみのヘミとばったり出会った作家志望の青年ジョンスは、彼女がアフリカ旅行をしている間、猫の世話を引き受ける。ヘミに恋心を抱いていたジョンスだったが、ヘミは旅行中に知り合ったという金持ちの男性ベンと一緒にアフリカから戻ってきて……

原作は村上春樹の短編「納屋を焼く」。読後になんとも薄気味悪い嫌な後味の残る話で、わたしはわりと好きでした。この映画は昨年末にNHKで放映されたTV版と劇場版の2種類があって、全然印象が違うものになっています。

原作に近い形なのはTV版。果たしていったいどうなんだろう?という曖昧なまま終わる。劇場版ははっきりと回答を出して、さらに原作のその後を描いています。そしてどちらも原作にはなかった「持てる者」と「持たざる者」の対比が色濃く出ていて、そこも興味深い。

若いのに何をしてお金を稼いでいるのかよくわからないギャツビーのようなベン。ジョンスは、韓国にはギャツビーみたいな人間がたくさんいる、と言う。いっぽうで、ときどき古いビニールハウスを燃やすのが趣味だと話すベンは、誰からも顧みられない不要なビニールハウスが韓国にはたくさんある、と言う。そんなハウスを燃やしてしまっても、誰も気にも留めないと言うのだった。

あったはずの井戸がなかったり、いるはずの猫の姿が見えなかったり、どこまでが現実でどこからが幻想なのかよくわからないまま話はすすむんだけれども、劇場版はある時点でくっきりと現実が姿を現わす。ただそれも、もしかすると本当に起こったことではなくて、劇場版の後半はヘミの部屋でジョンスが書いていた小説の中の出来事、もしかしたらあり得たかもしれないもう一つの現実というジョンスの願望かもしれない。

おまけ:「納屋を焼く」は広島大学大学院の山根(田野) 由美恵さんの論文の考察がとても面白いです。よかったらどうぞ>コチラで読めます。



by rivarisaia | 2019-03-12 21:53 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

プロジェクト・グーテンベルク(無雙)

今年の東京国際映画祭はこれで最後。


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プロジェクト・グーテンベルク(無雙)』監督:フェリックス・チョン/莊文強

タイで刑務所に入っていた偽造画家のレイ(アーロン・クォック/郭富城)が香港に護送されてくる。彼はかつて「画家」と名乗る男とともに米ドルの偽札を作る組織で働いており、「画家」に命を狙われていると怯えていた……

ということで、「画家」とは誰なのか、レイは一体何をしたのか、偽札の組織とは何なのか、というのを過去にさかのぼって見ていきましょう、というような流れですが、これ以上は言わないでおきます(公開されるかもしれないし!)。

とはいえ、途中でおよその展開は読めてしまったんですが、ですが! それでも最後、ひえええお前それはひどいよ……ってなりましたよね。考えれば考えるほど、あの人、ひどくない? あんまりだ。

ただ画家を演じるチョウ・ユンファ/周潤發が、二丁拳銃ぶっぱなして横に飛んだり、何から何までチョウ・ユンファ全開で、かっこよくて楽しめます。ユンファによるユンファ・オマージュのような場面の数々。あとね偽札の制作過程がものづくり的に面白いです。

by rivarisaia | 2018-11-07 23:51 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

トレイシー(翠絲)

今年の東京国際映画祭で鑑賞した映画のざっくりした感想を忘れないうちにアップしておきます。まず1本目。

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トレイシー(翠絲)』監督:ジュン・リー/李駿碩

眼鏡屋さんを営む51歳のダイホン(フィリップ・キョン/姜皓文)。娘は結婚してすでに家を出ているが、30年近く寄り添った妻(カラ・ワイ/惠英紅)と息子と飼い犬と平穏に暮らしていた。そこへ、学生時代の親友チンが亡くなったという知らせが入る。チンの遺灰を持って香港にやってきたのは、イギリスで彼と結婚したという青年ボンドだった。

十代の頃の思い出がよみがえり、動揺する主人公。そこには深いわけがあった。ダイホンは心の奥底では自分のことを女性だと感じていて、学生時代はチンのことが好きだった。しかし彼は自分が本当は女性だということをずっと隠したまま、結婚し、家族をなして、ここまで生きてきたのだった。

ところが若くて真っ直ぐなボンドに出会ったことによって、ダイホンは自分を偽ったままでよいのかと葛藤することになる。

もう50歳だしね……このまま自分が我慢すればいいのでは、と考えるダイホンなんだけども、ボンドが「人生80年として、残り30年もあるんだよ!?」というようなことを言うのである。で、私もこの時、そうね、Never too Lateですよね、と深く頷いたりいたしました。

フィリップ・キョンのふとした仕草が美しく、外側は中年男性だけど内面は女性という主人公を繊細に演じていました。

by rivarisaia | 2018-11-04 19:16 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

SPL 狼たちの処刑台

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SPL 狼たちの処刑台(殺破狼:貪狼)』(監督:ウィルソン・イップ/葉偉信)

香港の刑事リー(ルイス・クー/古天樂)の一人娘が、タイのパタヤで誘拐される。リーはパタヤ警察のチュイ刑事(ウー・ユエ/呉越)とともに娘の行方を必死に追うのだが、臓器密売組織が裏で糸を引いていた……

アクション監督はサモハンです。

何の予備知識もなく観に行ったので、あまりに非道な展開に衝撃。父一人、子一人の家族で、娘を想うあまりの行動が逆にこの結果を招いてしまったとも考えられなくもなく、いや〜この前観たばかりの『ショック ウェイブ』も容赦ない展開でしたけど、本作もまったく情け容赦なかったです。そんな〜酷いよ!うわーん!(泣)

ロー・ワイコン/盧惠光もラム・カートン/林家棟もこれでもかというくらい鬼畜っぷりを発揮しています。こわい。

さて、映画のポスターや予告だと、トニー・ジャーが第二の主役かな?という扱いですけど、映画が始まってすぐに「特別出演」というようなクレジットがあり、その通り、第二の主役はウー・ユエで、今回トニー・ジャーは補佐的な役回りでした。そこもけっこう驚いた点。日本の配給会社、そんなメインキャラみたいなアピールしなくていいんじゃないの?

アクションはてんこ盛でなかなかよいのですが、ナタが苦手な私としては全般的に痛かった。そして高いところから落っこちても香港映画なら人は死ななそうな気がしていたけど、それは大きな誤解であった。落ちたら、人は死ぬ。

また、タイの俳優で『オンリー・ゴッド』のカラオケ刑事ことヴィタヤ・パンスリンガムが、警察局長の役で登場するのもポイントです。本作では娘にカラオケを歌わせていて、あ……カラオケ!ってちょっと思いました。


by rivarisaia | 2018-09-07 23:19 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班

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SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班(拆彈專家)』監督:ハーマン・ヤウ/邱禮濤

香港警察の爆弾処理局のチョン(アンディ・ラウ/劉徳華)が、潜入捜査によって犯罪グループを追い詰めようとするところからいきなり話はスタート。銀行強盗、カーチェイス、爆発、カーチェイス、爆発!の末に、犯罪グループは逮捕されるのだが、リーダーのホンはうまく逃れてしまう。ここまでが長い前フリ。

それから1年半が経ち、武装集団を引き連れたホンが香港に現れ、復讐のため、そして弟の釈放と巨額の金を要求するために人質を取って海底トンネルを占拠、トンネル内に爆弾を仕掛ける。タイムリミットまでに人質全員を救出し、爆発を阻止することができるのか……


最初から最後までけっこう緊張感が続く上に、意外と先が読めなくて、展開もいろいろと衝撃的。人質になった市民の中には若い警官(ベイビージョン・チョイ/蔡瀚億)がいて、彼のエピソードが一番びっくりで、心の中で「ええええー」という声が反響したよね。そうか、そうですか。

一体全体これはどう解決するのか皆目見当もつかないと思っていたら、すっごい荒技で有無を言わせずねじ伏せられた感ある。最後まで本当にドッカンドッカンと大盤振る舞いでした。

さて、内容に差し障りない程度に、ちょっと思ったこと箇条書き。

・チョン警官の彼女ですが、大人の事情で出さないといけない女優を出した感があって、割りと不要だったのでは?という印象。とってつけたような手榴弾要員でしたよね。むしろ、バーでチョン警官が出会うべきだったのは、ベビジョンでは?

・チョン警官、目玉焼きを作るのにフライパンに入れる油の量ハンパなく多い。

・チョンの同僚刑事(フィリップ・キョン/姜皓文)がとてもいい味を出してたんですけど、最後のほうでチョンと犯人とこの同僚の三人が「車をぶつけあうことで思いを伝える」みたいな演出があって、ちょっと面白かったです(車で語り合うの、前にも別の香港映画で観た……)。


by rivarisaia | 2018-09-03 23:50 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

29歳問題

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29歳問題29+1』監督:キーレン・パン/彭秀慧

30歳を目前に控えたヨックワン(クリッシー・チャウ/周秀娜)は、化粧品会社のマーケティング部門でバリバリ働き、昇進もして、出張が多いけど長年つきあっている彼氏もいて、忙しいながらに充実した日々を過ごしていたんだけれども、仕事のプレッシャーや彼氏とのすれちがい、親の認知症、住んでいた部屋からの急な退去……と、急にいろいろな問題が降りかかる。

とりあえず大家さんからの紹介で、パリに旅行中のティンロ(ジョイス・チェン/鄭欣宜)の部屋に仮住まいすることになったヨックワン。偶然同じ年齢で誕生日だったティンロの日記を見つけて読んでみると、自分とは違ってなんだかとても楽しそうな毎日を過ごしているように思えるんだけど……

程度の差こそあれ、年齢や性別関係なく誰もがヨックワンやティンロと似たような経験をしたことがあるんじゃないかなあと思うし、できる時にやりたいことはやったほうがいいし、毎日できるだけ楽しく過ごしたほうがいいな、ってなりました。

私は人生に起こる出来事は基本は神様の思し召しと思っていて、歴史に if はない派でもあるため、人生の選択が間違っていたかどうかとかあまり考えたことないんですけど(稀に考えてみたりしても、いやーやっぱり別の選択肢はなかったなー仕方ないねーという結論に落ち着く)、ヨックワンの会社の女社長が言っていた「選んだことは全力でやったほうがいい」というのはそうかもしれないなと思うことはしばしばあって、もっと真面目にやっときゃよかったよ!と反省することは多い。

全力でやればよかった案件は数え切れないほどあるんだけど、そのうちのひとつが、学生時代、第2外国語でドイツ語を選択して、けっこう成績もよかったので日本に戻ってきても続けようと思ってたのに面倒くさくなって止めちゃった。そしたらそれから十年くらい経ってすっかりドイツ語を忘れた頃になって、仕事でドイツ語がからんできたり、ドイツに出張になったりということが起き、ああ、自分では青池保子の『エロイカより愛をこめて』が好きだったからドイツ語勉強したつもりでいたけど、神はもっと先を見据えていたね! ちゃんと続けておけばよかったね!!と後悔したけどあとのまつり。

くだらないけど、私の人生はこうしたくだらないことのかたまりでできている。そこに足りないのはベイビージョン・チョイくらい。本作、ティンロの幼馴染役で登場するベイビージョン・チョイ/蔡瀚億がすごくよいです。


by rivarisaia | 2018-05-28 21:01 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

バーフバリ 王の凱旋

もうみんな、王を称えた!? 昨年末、王を称えて一年を締めくくり、新年は王を称えて迎えた人たちもたくさんいらしたと思いますが、私もようやく先週2回ほど王を称え、燃えたぎる神聖な炎で魂を浄化しました!! おかげで心身ともにエネルギーに満ちてきた。 バーフバリ! バーフバリ!


神話の映像化とはこういうものなのか……!と心がうち震えたよね。


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バーフバリ 王の凱旋(Baahubali 2: The Conclusion)』監督:S・S・ラージャマウリ


古代インドのマヒシュマティ王国で名を轟かせた伝説の王バーフバリの物語。


国民から愛され絶大なる支持を得ていたのにもかかわらず、暴君バラーラデーヴァにその地位を奪われたアマレンドラ・バーフバリ。彼の生い立ち前半と、その息子マヘンドラ・バーフバリの生い立ちを中心にした話が、日本で昨年公開された『バーフバリ 伝説誕生』でした。


続きものなので、前作を観てないと話がわからないと思うのは当然なのですが、今回、上映前に5分でわかる前作ダイジェストがあるので(流れない映画館もあると聞いたので、下にはっとく)、それさえ観ておけばまったく問題なく話についていけるから大丈夫。いずれにしても観終わってから『伝説誕生』も観よう!ってなるだろうし、そうすると『王の凱旋』もまた観たくなるというループになるとおもう。


私は前作を観て数時間後に『王の凱旋』を観たんですけど、前作はまさかの壮大な前フリだった……というか『王の凱旋』があまりにすごすぎて度肝を抜かれ続け、前作の記憶が消し飛んだ。だって、開始早々クライマックスで、そのあとも休みなくずーっとクライマックスに次ぐクライマックスで、映画が終わってハッと我に返ったら2時間半近く経ってた。びっくりするくらい時間の長さが気にならなかったんですけど、これが恐るべし偉大なる神話の力か……。


王者バーフバリ(父&息子)はもちろん、王家に仕える奴隷剣士カッタッパはじめキャラクター全員がすばらしく、中でも国母シヴァガミの眼力とバーフバリ父のお妃デーヴァセーナの最強の戦士っぷりがさいこう。


デーヴァセーナは相手が国母だろうが、王だろうが、権力に怖気づくことなく言いたいことはハッキリ言う。積年の屈辱にも耐えに耐え、生首を放り投げで不敵な笑みを浮かべ、炎を頭上に頂き満願成就する、デーヴァセーナ妃! 万歳!!!


ポスターにもなっている、バーフバリとデーヴァセーナが共に弓を射るシーン、大好き。思い出すだけで、幸せだ。


映画のこと何も書いてないに等しいけど、とりあえず今回はこの辺で。王を称えたという報告でした。


前作のあらすじダイジェストをはっておきますね。まだ称えてない人はさっそく王を称えに行ってー。





そして今回の予告はこちらです。映画を観たらわかるけど、本編すごすぎてこんなものではなかった……









by rivarisaia | 2018-01-15 12:07 | 映画/アジア | Trackback | Comments(4)

カカバカバ・カ・バ?

東京国際映画祭で〆の1本だったのが、これ。マイク・デ・レオンの抱腹絶倒ミュージカル・コメディ、デジタル復元版。

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カカバカバ・カ・バ?(Kakabakaba Ka Ba?/Will Your Heart Beat Faster?)』監督:マイク・デ・レオン

タイトルは「ドキドキしちゃう?」というような、そんな意味。

フィリピンに麻薬を密輸しようと試みては、何度も失敗している日本人ヤクザの小野田(!)。失敗するたびに指を詰めていたのだが、ボスから次にメンツを潰したらどうなるかわかってるだろうな、と最終通告が出て、今度こそ!という覚悟でフィリピンへ飛ぶ。

そして小野田は、飛行機内で隣あわせた青年ジョニーのポケットに謎のカセットテープをしのばせ、あとで仲間とふたりで回収を試みるのだが、まったく計画通りにいかず……

小野田と日本人ボスはときどき聞き取れないけどカタコトの日本語で話す。けっこうベタなギャグも最初はおもしろいけど、途中からまったりしてきて、確かに歌う場面はあるけど(ジョニーがバンドをやっている)、どこがミュージカルなのかしら、と首かしげながら観てたんですが、青年ジョニーと友人ノノン、ヒロインのメラニーとナンシーの四人組が教会に潜入し、似非シスターたちが天使にラブソング状態になった終盤からの怒涛のミュージカル展開がやばかった。

なんだろう、ラスト直前の、ニッポンvsフィリピンそれからvs中国の畳み掛けるようなめくるめく歌と踊り。労働力の安いところに工場つくるのだ! エセ神父とシスターを使い、庶民をだまくらかしてヤク漬けにして国を支配するのだ!というヤクザ勢と戦うフィリピン勢。そこに乱入する中国マフィア。謎のマシンも登場するし、サムライ出演のロッキーホラーショーっぽくてカオス!

最後の歌い踊るシーン、もう1回みたい。〆の1本にふさわしい作品でした。


by rivarisaia | 2017-11-09 11:01 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

大仏⁺

東京国際映画祭の3本目。本作は2014年の『偉大なる仏様(大佛)』という短編がもとになっていて、私はそちらは未見なので機会があったら短編も観てみたい。

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大仏⁺(大佛普拉斯/The Great Buddha+)』監督:ホアン・シンヤオ/黄信堯

仏像工房で夜間警備員をしている男は、夜間勤務の時間帯を廃品回収をしている友人とエロ本を見たり、まずい弁当を食べたりしつつ、まったりと過ごしていたのだが、ある日、友人の提案で社長の車のドライブレコーダーを覗き見することになる。

はじめは社長と愛人がいちゃつく姿をこっそり楽しんでいたふたりなのだが、ドライブレコーダーには衝撃の映像が録画されていて……

ほとんどがモノクロなんだけれども、ドライブレコーダーの映像だけカラーになる。白黒=底辺の人たちの生活、そしてカラーはきらきらとした金持ちの生活を表している。夜間警備員も、廃品回収者も、商店の兄ちゃんも、灯台にくらす謎のホームレス(余談ですが、めっちゃわたしの友人に似ていて親近感がMAX)も、甥っ子を騙してまでしたたかに金を取るメガネ屋のおっちゃんも、なんだかもうとにかく生きるのにせいいっぱいで、どこにも行き場のない人たちだらけで本当に切ない。

あまりに切なくて、私は廃品回収の彼が、少なくとも美味しい食事ができたことはよかった、心底よかったと思ってしまったのだが、しかしあまりにも人生はつらかった。

それにしても、仏像工房の社長演じるレオン・ダイ/戴立忍のアレには驚愕した(笑) ずいぶんとシリアスなことをコミカルに描いているんだけれども、実際に人生はそういうものかもしれないね。




by rivarisaia | 2017-11-07 01:10 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)