カテゴリ:映画/アジア( 157 )

ビースト・ストーカー/証人

大昔に放置した掘り出し感想。映画祭ではダンテ・ラムの新作が観られなかったのが残念!

b0087556_16211957.jpg

ビースト・ストーカー/証人(証人)』監督:ダンテ・ラム/林超賢

刑事トン(ニコラス・ツェー/謝霆鋒)は、ある事件を解決する際に誤って少女を殺してしまったことで、トラウマを抱えている。

その事件から数カ月後、少女の母親で女性検事のアン(チャン・ジンチュー/張静初)のもうひとりの娘が何者かに誘拐される。犯人は元ボクシング選手のホン(ニック・チョン/張家輝)だった。

ホンは病気の妻の医療費を稼ぐため、犯罪に手を染めていたのだが、もうひとつ、そこにはある事情があった…


元ボクシング選手で、みずからも失明の危機にあるんだけど、ちょう奥さん思いの悪役ニック・チョンがいい味だしてます。いやあ、ニック・チョンは本当にいい俳優になったねえ(しみじみ)。

刑事は誘拐された娘を無事に取り戻すことができるのだろうか。ハラハラしながら見守ることになるのですが、ここで正直に言うと、劇的なクライマックスのあるシーンでちょっとげんなりしちゃった(それが感想放置の理由でもある)。いやだってね、「感きわまって泣き叫ぶ」とか好きじゃないんですよねー。泣いてないでさっさとやることやれよ!と言いたい。

そのようなわけで、ラスト近くで辟易した気分でいたのですが、最後の最後で明かされる真実には呆然としました。そういうことだったのか、とちょっと驚き。
[PR]
by rivarisaia | 2013-11-11 16:24 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

失魂

東京国際映画祭で最後にみたのはこの映画。今年のTIFFはこれでぜんぶ。

b0087556_233122.jpg

失魂(Soul/失魂)』監督:チョン・モンホン/鍾孟宏

日本料理店で働いているチュアンは、ある日仕事中に突然倒れ、山奥に住む父親のもとに戻ってくる。

以前とはまるで別人のようになってしまったチュアン。自分自身のことも父や姉のことも覚えていないチュアンをみて、父親は息子の身体は何か別の魂に乗っ取られたのではないかと疑いを抱く…


実家をはなれて長いこと音信普通だった息子が、凶暴な性格になって帰ってきて困惑するお父さん。そのお父さんを演じているのがジミー・ウォング/王羽です。上映後のQ&Aで、監督は、ジミーさんが出演を承諾してくれなかったらたぶん撮ってなかった、とおっしゃってましたが、息子と対峙する口数の少ない、心の奥底に秘密を封印したような表情の父親役にはジミー・ウォングが適役でした。

少々内容にふれてしまうと、帰宅したチュアンは、自分を殺そうとしたと言って姉を殺してしまう。血まみれで倒れている娘の死体を目にした父親は、咄嗟に息子の犯行を隠そうとする。

ここでわたしは、娘に対する態度がちょっと酷いよ、ジミー父さん…そんなに息子のほうが可愛いですか…とも思ったわけです。寝台の下に押し込められた娘の死体の目から一筋涙が流れたのが、もうね…。しかし、のちに明かされるけど、お父さんは息子に対して負い目があった。だからせっかく帰宅した息子をどうしても突き放すことができなかったのかもしれません。

ひとつの惨劇がひきがねとなって、また新たな惨劇を呼ぶのですが、そうしたなか、チュアンの中の別人格にも少しずつ変化が現れてきます。

人が殺されたり、大ケガしたりしているのに、霧のむこうにぼんやりとした希望の光がゆらめいているような、そんな後味の映画。終わってみれば何故かチュアンを許せてしまうというか、チュアンはこのまま静かに山奥で幼なじみの青年と一緒に蘭やリンゴを育てて平穏に生活していけたらいいんじゃないかなあと思えたのが不思議。監督が言っていたように、すべての悪人にも善の部分があるということをうっすら感じました。

トレイラーみると雰囲気がつかめるかと思うのですが、深い山の自然や昆虫、空や雨をとらえた映像がものすごく美しく、人間の手の及ばない存在がもつ力が、ラストの不思議な清々しさにつながっているような気もします。撮影監督は「中島長雄」さんという方なのですが、これは監督のペンネームであることが上映後のQ&Aで判明! 撮影もカメラマン出身の監督ご自身でした。

では、トレイラーをどうぞ。

[PR]
by rivarisaia | 2013-10-29 23:11 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

祝宴!シェフ(映画祭タイトル:総舗師―メインシェフへの道)

ラブゴーゴー』のチェン・ユーシュン監督による16年ぶりの長編。そうか、もう16年も経つのね……(遠い目)

b0087556_1357470.jpg

総舗師―メインシェフへの道(總舖師:移動大廚)』監督:チェン・ユーシュン/陳玉勲

総舗師(ぞんぽーさい)とは、雑な説明をすると、宴席を手がける出張料理人のことです。そのむかしは、こうした料理人と宴席の主人、そして客人がそれぞれ協力しあって宴席をつくりあげていたのであった。しかし総舗師は、日本語タイトルの場合、なんて読めばいいんだろう。そうほし? とりあえず「ぞんぽーさい」のママでいく。

数十年前、台湾には「愚人師」「鬼頭師」「蒼蝿師」という3人の偉大なる総舗師がいた……

ときは移り、現在。「蒼蝿師」の娘シャオワンは、アイドルを目指していたがパッとせず、彼氏の借金まで背負わされ、逃げるように故郷に戻り、父亡きあと母がひとりで切り盛りする料理屋を手伝うことに。

そんなある日、シャオワン母娘は、ある老カップルから自分たちの結婚式の料理をつくってほしいと依頼される。しかし、彼らの希望のメニューはつくりかたもよくわからない古式料理。

困ったふたりは、たまたま知り合った、旅する料理コンサルタントの青年(じつは「鬼頭師」の弟子である)に協力をあおぐのだが…


という話ですが、どうしたことか、このあと、シャオワン母娘は借金返済のために賞金ねらいで料理大会への出場を決意。その料理大会に老カップルも招待して、結婚式も兼ねりゃいいじゃん、という流れになって、それでいいのか老夫婦…という気もしましたが、結果的にはよかったみたいです。

料理大会では、シャオワンと青年が組んで勝利を目指すのかなーと思いきや、わけあって青年は別チームで対決することに。代わりにシャオワンチームに加わったのは、借金取りの兄ちゃんふたり(エエッ!?)。

さあどうなるシャオワン。幻の父の味を復活させることはできるのかーーー!

すっとんきょうで愉快でカラフルな映画。2時間25分はあっという間に過ぎちゃいますが、欲をいえばもう少し短くてもよかったかも。

しかし不覚にも、わたしときたら2カ所でうるっときました…。ひとつは「愚人師(道化師)」ことホームレスのような料理人のおっちゃんが、かつての総舗師の仕事を壁画で説明する場面。失われつつある伝統に思いを馳せたら、なんかもう目頭が熱く…。そしてふたつ目は、シャオワンが亡き父とアナゴを炒めるシーン。炎の向こうに!お父さんが!アナゴを! シャオワン、肩燃えてるよ!(泣)

料理の味って、つくる人や食べる人の記憶が大きく作用しますよね。なんてことない料理も、心に沁みる一品になったりする。「トマトと卵の炒めもの」のエピソードでもそのあたりが描かれていて、しみじみ。

それにしても次から次へと美味しそうな料理が登場するので、すんごくお腹のへる映画でした。映画が終了したのが深夜だったというのに、帰宅して水餃子ゆでたりラーメンつくったりしちゃった我が家です。

登場人物にテーマソングがある、というのもグッとくるポイント。わたしも時折、心の中で自分のテーマソングが大音響でかかってたりしますけどね!

ということで旅する料理コンサル青年のテーマソングをはりつけておきますので、みんなで歌おう! ドーソラーシファー♪


[PR]
by rivarisaia | 2013-10-27 13:58 | 映画/アジア | Trackback | Comments(2)

捜査官X

もうじき東京国際映画祭の季節で、今年もまたいつものように日程がうまく組めなくて、あんまり観られなさそうな予感。。。

ジミー・ウォング/王羽の出る映画があるけど、行けるかな。

で、ジミーさんといえば、ずいぶん前に書きかけのまま放置してた下書きを見つけたのでいまアップしてみます! ジミーさんというか、金城くんとドニーさんの映画なんだけど。

b0087556_23403617.jpg

捜査官X(武侠)』監督:ピーター・チャン/陳可辛

雲南省の小さな村。紙職人のリウ・ジンシー(ドニー・イェン/甄子丹)が指名手配中の凶悪犯を正当防衛で殺してしまう。村では英雄扱いされるリウだが、事件を捜査するために村にやってきた捜査官シュウ(金城武)は、平凡な男であるはずのリウに何故そのようなことができたのか疑問を抱く…

過去をすてて、田舎にやってきて、良き夫、良き父親、良き村人として幸せな毎日を送っていたドニーさん。そこへ狼藉者がやってきて、無我夢中で立ち向かったら倒しちゃったよ!という事件が起こるのだが、村にやってきた捜査官の金城武はそんな言い分は信じない。

ここで「はい、正当防衛ですね」と判断してさっさと町に帰ってくれたなら、また平和な日々が戻ったはずなのに、この頑固者捜査官は、「あの紙職人は、本当は武術の達人なのではないか」と疑いはじめるのだった。

ま、その通りなんですけど!

この捜査官の頑固っぷりというか、石頭っぷりは徹底しており、法が第一、正義は法、情けは仇、人情という文字は辞書にナイ!という人物であり、よく言えば粘り強い性格、悪くいえばしつこくてあきらめが悪い人間なのだった。そのような性格になってしまったのには、ちゃんと理由があるとはいえ…

なんて迷惑なんだ…。

でもそんな捜査官の妄想捜査っぷりはなかなか面白い。

封印していた過去が少しづつ明らかになるにつれ、今度は葬り去ったはずの過去が現在によみがえり、ジンシーを襲ってくるのである。どうしてくれるの、捜査官!! こうなったのはあなたの責任だよ! と言いたいところですけど、もうどうしようもないので、ジンシーも覚悟を決めて、過去に立ち向かうことになる。

ミステリーのような前半から一転して後半はちょうぜつアクションの連続で、わたしの大好きなクララ・ウェイも出てきます。相変わらず綺麗な顔して容赦ないです。

そしていちばん恐ろしい人の役でジミー・ウォングが登場します。すごく恐いです。わたしだったら、こんな人に遭遇したらおしっこちびります。

ただ最後の最後のアレがね、ちょっと納得いかなかったんですよね。いや、わかるけど、やっぱり雷じゃないほうがよかったです(小声)
[PR]
by rivarisaia | 2013-10-03 23:41 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

盗聴犯 狙われたブローカー

先日紹介した映画は『盗聴犯 死のインサイダー取引』でした。本日は、メインキャストの3人はまったく同じ俳優なんだけど、1と2で話がまるで違うという続編です。そういう続編のありかたも面白いね。個人的には2のほうが好きです。

b0087556_2218276.jpg

盗聴犯 狙われたブローカー(竊聽風雲2)
監督:アラン・マック/麦兆輝、フェリックス・ チョン/荘文強

株ブローカーのロー(ラウ・チンワン/劉青雲)は、ある日尾行してくる不審な車を振り払おうとして事故をおこしてしまう。現場にやってきた刑事ホー(ルイス・クー/古天樂)は、ローの車に盗聴器が仕掛けられていることに気づく。

ローの態度に不審なものを感じた刑事は捜査を続行。すると、退役軍人ジョー(ダニエル・ウー/呉彦祖)がローを監視していることがわかるのだが…


この謎の退役軍人が、アルツハイマーのお母さんを介護しつつ、ハイテク機器を駆使して株のブローカーを監視しているのは何故なのか。

そして株のブローカーを背後で操る怪しげなジジイ集団「地主會」の目的は何なのか。

最初のうちは謎だらけでどう転ぶのか見当もつかない話なんですが、ハラハラドキドキしている間に、ひとつひとつのピースがパチパチとはまっていくのが観ていて爽快感があります。退役軍人ジョーが身体をはってあることをしたことがわかった時など、うわあ…と腰抜かしたね…。

株の話に疎いわたしには、いま振り返るとわかったようなわからないような部分も多々あったけど、鑑賞中は映画のイキオイに押されてすごくわかった感じになってました。だから、株の話にちんぷんかんぷんな人も気にしなくても大丈夫。

前作にくらべてラストもいい感じですよ。

あ、そうそう。こうやって平然と映画の感想とか書いてるけど、例のクッキークリッカーは大変な事態になっており、1秒あたりの生産枚数はかるく億を超えてるし、ババア黙示録目前です…どうしたらいいのこれは。
[PR]
by rivarisaia | 2013-09-22 22:22 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

盗聴犯 死のインサイダー取引

ここ数日、巷でクッキー・クリッカーというゲームが話題になっておりました。

ブラウザでクッキーを増やすだけのゲームのような何かなのですが、これ以上詳しく説明するのは面倒なので、ググるか、「本の虫」というブログの「クッキー・クリッカーについて」をお読みください(ちなみに上記ブログの「ババア補完計画」はクッキー・クリッカーをやった人は必読)。

で、わたしもたわむれにやったわけです。クッキーづくり。宇宙の深淵を覗き込むかのような哲学ゲームであることを知らずに…。

なんかね、最初はクリックしたりババアを雇ったりしてのんびりクッキー作ってたのにさ、気づけばババアをミュータント化し、児童労働を導入し、ワームホールを開き、タイムマシンを何台も設置し、ついに反物質変換装置を入手したいま、1秒あたり800万枚以上のクッキーを生産しているのである。

1クリックで1枚しか焼けなかったクッキーも、いまや16万5千枚ものクッキーが製造されるのだ。わはは!

バーチャルのクッキーですらどんどん数が増えたら嬉しいってことは、これが株とかだったらそりゃあもう反物質変換装置(のようなもの)に手を出したくなるかもしれませんよねえ。ババアのことも平気でミュータントにするかもしれないよ。

ということで、そういや1年前にみて感想を放置してたこの映画です。

b0087556_22525234.jpg

盗聴犯 死のインサイダー取引(竊聽風雲)
監督:アラン・マック/麦兆輝、フェリックス・ チョン/荘文強

香港警察情報課の刑事、ジョン(ラウ・チンワン/劉青雲)、ヨン(ルイス・クー/古天樂)、マックス(ダニエル・ウー/呉彦祖)は、盗聴器やカメラを駆使して不正株取引の疑いがある企業の監視を続けていた。

ところがある日、捜査中にインサイダー情報を得たヨンとマックスのふたりは、誘惑に負けてその情報をもとに株を購入してしまう…


盗聴のプロである警察が、技術を駆使して悪の企業を追いつめていく話…かと思いきや、じつは警官3人が株のせいで大変なことになる話なのでした。
なにせこの3人は、

ジョン:同僚で親友の奥さんと不倫中。
ヨン:子だくさんなうえに難病の子どもを抱えているのに、
   自分も病気で余命が1年と宣告される
マックス:資産家の婚約者の父親から見下されている


という状況で、しかるにヨンとマックスは切に「お金がほしい!」のである。そんなふたりを止めようとするジョンも時すでに遅し。仕方なく3人は自分たちの悪事の証拠を隠滅するのだが、黒い人たちにバレてしまい、さあそこから地獄への道行きがー!!

たいそう悲惨なことが待ち受けております。悪銭、身に付かず。ズルしてクッキーを手にしてはならない。わたし、学んだ!

でももちろんそれだけでは終わらず、最後には真の悪も報いを受ける。それまでの出来事が可哀想すぎて、ラストですっきりっていうわけにもいかないけど、驚きの結末でした。

この映画、2もありますが、続きものではなくて、全然違う話になっています。2については次回。
[PR]
by rivarisaia | 2013-09-19 22:53 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

モーターウェイ

世の中には不思議なことがたくさんありますが、わたしが自動車の運転免許を持っている、それも日本の、というのもそのひとつ。

どんな姑息な手を使って入手したのか、とよく聞かれるけど、以前にも書いたけどテキサスで取ったのよ。筆記試験に受かると仮免がもらえるので、ふつうはそこで友だちや家族に教わって試験を受ける。しかし、それではあまりに恐ろしすぎるので、わたしはドライビングスクールに申し込んだのである。

初日、陽気なメキシコ系のペドロ先生(仮名)がうちにやってきて、「一度も運転なんてしたことないんです…」とふるえ声で告白する私に言った。

「OK、OK。こっちがアクセルで、これがブレーキ。アクセル踏むと進むから。じゃ、レッツゴー!


まあそんな感じで、いきなり近所の道路をぐるぐる走らされ、2日目にはハイウェイをびゅんびゅん走り、3日目にバックや縦列駐車を教わって、そのまま試験を受けたのである。

試験は、助手席に座った警官の指示通りにそのへんを走るというもので、終了後に受かったと思うかと聞かれたわたしは「駐車を何度かやり直したし、ダメだった気が…」と神妙に答えたところ、

「わはは、おめでとう! きみは合格だよ!
ま、縦列駐車だけボーイフレンドにでも教えてもらいな」


と言われて、晴れて免許が発行されたのだった。そして数年後。帰国したあかつきには日本の免許に書き換えができたというわけである。ちなみにオートマ限定免許である。マニュアル車はまったく知らないので、クラッチというのが何で、どのように使うのか皆目わからない。

すんごい前置き長くなりましたが、そんな状態のわたしが車の映画みましたが、おもしろかったです。

b0087556_23445190.jpg

モーターウェイ(車手)』監督:鄭保瑞/ソイ・チェン

香港警察の覆面パトカーチームに所属する警官ショーン(ショーン・ユー/余文楽)は、引退間近のベテラン警官ロー(アンソニー・ウォン/黄秋生)とコンビを組み、交通犯罪を取り締まっていた。

指名手配中の「逃がし屋」を激しいカーチェイスの末に逮捕し、得意になるショーンだが、この逃がし屋は刑務所内の仲間を逃すためにわざと捕まったのだった…


運転技術に自信満々で鼻高々になっていた若者が、ぴゅーんと伸びたその鼻をへし折られ、ベテランの指導を仰ぎ復活し、人間的にも成長するという王道ストーリーです。

運転技術に自信満々というところで、もうわたしとは対極にいる主人公。

そんなわたしには本作の真の凄さがわかってないのでしょうが、かなりハラハラしながら楽しめました。暗い山道でのカーチェイスは、何が何やらよく把握できなかったのですが、それは毎度のことというか、カーチェイスって昼間に俯瞰で見ないとよくわかんないのよね…。

しかし、この映画でなにが凄いって、ものすごいスピードで走るシーンよりも、車1台がギリギリ通れるくらいの細い路地で直角に曲がる、という技です。

なんだそれは。これって本当にできることなの!?

8000回転で時速2キロというのがポイントらしく、どうしたらそうなるのか、オートマしか運転できないわたしにはまるでわからない…。そもそも8000回転ってどういうことなの。でもって時速2キロってなに。ベテラン刑事のアンソニー・ウォンに、お前は出直してこい、と怒られそうな状態である。

しかし、スピード満点のカーチェイスよりも、この派手さのかけらもない時速2キロというこの地味なテクニックがグッとくるというものですよ。オートマじゃできない技なんですよね、きっと?(→なにもわかってない自分)

直角コーナーを曲がりきれなくて立ち往生しちゃった車は、結局どうしたのかしらね。レッカー移動も難しそうだったけど。
[PR]
by rivarisaia | 2013-09-01 23:50 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

低俗喜劇

パン・ホーチョン監督が東京にやってきたー! もともと土日は用事があったんだけど、急遽予定が変わったので土曜に会いに行ってきましたよ。

b0087556_22345926.jpg

低俗喜劇』監督:パン・ホーチョン/彭浩翔

これから上映する映画は不快になるかもしれません。それが嫌な人は劇場から出てください、という注意付きではじまるこの映画。幕が開くとそこは大学の講堂で、映画プロデューサー(チャップマン・トー/杜汶澤)が学生たちにむかって映画製作の体験談を語り始める。

苦労の連続のその映画の舞台裏とは…!

確かに下品なんだけど、現実にありそうなこと満載で(って、監督いわくあれもこれも実際に起きたエピソードらしいよ!)、あれもこれもおもしろい。

主人公のプロデューサーは、離婚した奥さんへの慰謝料も払えないし、部下からはセクハラで訴えられるし、なんとも冴えない男なのだが、娘のために奮起して、とある金持ち(ロナルド・チェン/鄭中基)から映画製作への出資を取りつける。しかし、その人物はヤクザなのである。資金ゲットのためには怪しげなお食事会に出席せねばならない。何故か食事の席にはラバも出てくる。何故ラバなのかは…ここでは書かないのでぜひ観てほしい…(笑)

さて無事に資金調達に成功しても、そこには条件があった。

ヤクザが若かりし日に大好きだったポルノ映画を、同じ主演女優でリメイクする。


しかし女優はすでに60歳オーバー。いまさら脱ぐなんてイヤだ、ということで、困りはてたプロデューサーは、はたと思いつく。首から下は若い女優にすげ変えたらいいじゃん!

ということで、身体部分には女優志望の若い女性を起用することに。ちなみにその若手女優は、パチパチ飴というあだ名で呼ばれている。その理由は…ここでは書かないのでぜひ観てほしい…(笑)

さあ、はたしてこの映画は成功するのでしょうか!

パン・ホーチョンの映画でわたしが愛してやまないところは、オチがピリッとしていて、映画の最後が必ずぎゅうっと引き締まるところ。本作もハチャメチャな展開にさんざん笑ったあとに、え、そうきたか!というオチが複数仕込まれていて、こういうところが、ただの低俗な喜劇で終わらないところだよな~。

それにしても、劇中で製作されてた映画が気になるんですよ。どういうわけかロココな雰囲気でしたよね…。おまけにラバも登場するらしいし、爆発シーンもあるんですよね、きっと。だけどポルノ。どういう映画なの〜(笑)
[PR]
by rivarisaia | 2013-08-27 22:38 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件

先日、友人とディー判事の小説の話をしていて、そういや映画版の感想書いてないねって言われたんですけども、いやあ、じつはツイ・ハークとは昨今どうも相性が悪くてねえ! はっはっは。

とはいえ、ツイ・ハークは以前と変わらずアトラクション的要素満載の娯楽作品をつくっており、それを楽しめなくなったのはあくまで私の問題である。どうやら洋の東西を問わず、遊園地のアトラクション的な映画に飽きてきたみたいでさー(いつもの定量超えかも)。

余談ですが、したがって私は『パイレーツ・オブ・カリビアン』のシリーズも全然ダメ。あれの続編つくるくらいなら、他のガチな帆船ものをプリーズ…。

b0087556_2281377.jpg

王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件(狄仁傑之通天帝國)
監督:徐克/ツイ・ハーク

さて、そのようなわけで、本作を観たときは途中から私の顔は能面のようになってしまい、キャスティングで陰謀の首謀者がまるわかりだとか、主役が判事ディーである必然性がまるでないじゃんとか、人体発火の原因があまりにファンタジーすぎるとか、大体何なんだよ火炎虫に化身術って、しかも大仏はデカすぎるし、カリーナ・ラウはインパクト強かったけどこれまたさして活躍してないうえに、ディー判事を一生日陰の身にしてどうするのかー!などとぶつぶつ言ってて、感想は自粛したのだった。

だが、しかし。

あれだけ文句言ったってことは、なんだかんだ言ってけっこう楽しんだのではないかという気もしてきたきょうこの頃ですよ。

本作なんですけど、続編というか、若き日のディー判事を主役にした前日譚ができるみたいで、観るかどうかはその時の気分次第とはいえ、これが仮に映画じゃなくて、遊園地のアトラクションとして存在するなら、かなり乗りたいかも。それこそカリブの海賊的な乗り物をイメージしてます。だって『王朝の陰謀』にもかような乗り物を彷彿させる場面があったよねえ。

とまあ、さんざんあれこれ言っていまさらとってつけたようですけども、『ハムナプトラ』のようなアトラクション映画が好きなら本作は楽しいと思います。4DX上映も合うかもしれないな。4DXなら2作目かなり観たい。
[PR]
by rivarisaia | 2013-07-22 22:14 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

セデック・バレ 第二部 虹の橋

第一部で蜂起したセデックの方々がどうなったのか、その続きが描かれるのが第二部。アメリカ・インディアンの虐殺や涙の道にも通じるやりきれなさ感が後半はより強いです。なんとも切ない。

セデック・バレ 第二部 虹の橋(賽德克·巴萊 彩虹橋)
監督:ウェイ・ダーション/魏徳聖

日本軍は直ちにセデック族を制圧しようと試みるが、険しい山の中での戦いは、圧倒的にセデック族のほうが有利であった。神出鬼没のセデック族に翻弄される日本軍ではあったが、武力でセデック族を追いつめていく…


こんなことをいうと身も蓋もないんですが、第一部を観ながら、誇りが大切なのはわかるよ、だけどそれこそ長い目で見た場合、現状を泥沼のなかで耐え忍んでも生き延びて未来につないでいくほうがいいのではないか…と現代人の私は考えてしまうわけで、セデック側にも日本側にも立てずに、こういうときに真っ先に殺される現場の人(たとえば下っ端の兵士とか、駐在の奥さんや子どもとか)がいちばん可哀想だよな…などとぼんやり思っていました。

そんな第2部は「文明で屈服させるつもりなら、野蛮の誇りを見せてやる」とセデック族が奮起すれば、日本軍が「文明を与えてやったのに、反対に我らを野蛮にさせおって」と憤るなか、セデック族の女性陣は壮絶な決意をするという展開になっていた。

いつの世も、男性の誇りをかけた戦いの裏でとばっちりくらうのは女性なのね。セデック語で歌われる歌の歌詞がもうね…やるせないんですけど(涙)

同じセデック族同士で戦わせる(蜂起に加わらなかった部族に、暴徒側の首を狩らせる)という、そりゃまあやるだろうけどでも非道、という作戦も取られて、最終的には武装蜂起は鎮圧されます。第二部で救いだったのは、「生きのびろ」というメッセージがセデックの側から出てきたところ。

本作ですが抗日の映画にありがちな日本が極悪非道という描かれ方にはなっていません。セデック族を何も考えてない蛮族だと思ってた日本の司令官も最後には彼らの心意気を認めるような発言もしたりする(いまさら認められても…もっと早く相手を尊重する気持ちがあればさーとも思うが)。

いずれにしましても、昔の台湾原住民の話はこれまであまり接する機会がなかったし、いまこうした映画が制作される時代になったことは喜ばしい。ますます台湾に興味もちました。

で、余談。

昨年台湾旅行の際に、会いにいった服飾デザイナーのからいただいたお土産がまさに、セデック族が身につけてるやつなのだった。この縞のやつ↓

b0087556_20531825.jpg

首から前に掛けてもよし、肩からかけてもいいし、エプロンみたいにしてもよし。でも巻スカートにするには幅が足りない。

東京で着用したら変かな…(夏場の私の服装は妙な民族衣装もどきが多いので、腰に巻いて近所の買い物に行ってもふだんの格好という気もする…)

さらに話がそれますが、セデックの人たちの音楽でビヨヨ~ンビョヨ~ンと口琴が使われていたのも、おお!ってなった。以前、イタリアのスカッチャペンシエリアイヌのムックリの話を書いたけど、あの楽器、形は違えど世界中にあるのね。台湾は画像検索すると竹製で糸がついてるようなのですが、演奏難しそう。

Wikipediaを見てみると、呼び名は口簧琴と書いてあった(ところで日本語の呼び名の「びやぼん」って音をまんま表してて響きがかわいい。今度からびやぼんと呼ぶことにしよう。

また、セデックの人たちの跳ねる踊り方はインディアンのパウワウでも似たようなのを見たことがあって、大陸が離れていても人類共通ですよねー。やっぱりそれぞれの民族の文化はおもしろいな。文明化されても残しておくべき文化はたくさんあるよね。
[PR]
by rivarisaia | 2013-07-05 20:55 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
プロフィールを見る