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レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル

およそひと月前に観たんですけど、会期が終わる前に書いとかなくちゃ!

ということで。
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「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」
2017.11.18(土)~ 2018.4.1(日)会期中無休
森美術館


レアンドロ・エルリッヒといえば、金沢21世紀美術館の「プール」ですが、錯覚をうまく利用して鑑賞者がぐらぐらするような作品を作っているアルゼンチンのアーティスト。

以前、東京都現代美術館の「うさぎスマッシュ展」で展示されていた『迷宮の庭』もありました(この中庭作品、じわじわくる印象が深く心に残っていたので、再会できてうれしい)。


今回いちばんぐらぐらしたのは、この作品(ちなみにすべて写真撮影可能です)。

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レアンドロ・エルリッヒ《試着室/Changing Rooms》2008
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この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。


一見、ただの試着室なんだけど、ここから出られなくなったらどうしようかと思っちゃった。

あともうひとつ、チラシの写真で見ていて、実物はいったいどうなってるのか不思議に思っていた作品がこれ。

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レアンドロ・エルリッヒ《雲/The Cloud》2016
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この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

なるほど、そうなってたのか!と感動しました。これ面白い。

4月1日まで、火曜日以外は夜遅くまで(22時)開館しています。鑑賞者参加型のインスタレーションも多いので、できれば混雑してなさそうな時間帯を狙っていったほうが、作品とより向き合えると思います。

by rivarisaia | 2018-03-20 01:03 | 展覧会ほか | Trackback | Comments(0)

シェイプ・オブ・ウォーター

デル・トロ監督、よかったね! 作品賞と監督賞などなど、ほんとにほんとにおめでとう! 今回は日本版のポスターもこのイラストを採用してとてもよかったと思います。

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シェイプ・オブ・ウォーター(The Shape of Water)』監督:ギレルモ・デル・トロ

60年代初頭のアメリカ。障害があって言葉を話すことができないイライザは、政府の研究施設で、夜間に清掃員として働いている。ある日、研究施設に南米から謎の生きものが連れてこられた。イライザはその生きものに興味を持って……

という話。ざっくりとした展開はたぶん誰もが想像する通りの流れなんだけれども、「いまの世の中を映し出した寓話」として映画をふりかえってみると、私たちのくらす社会が抱えている問題(移民、貧困層、失業者、人種差別、ジェンダー、性的少数者、強大なシステムと従わざるを得ない人や虐げられる人、使い捨てにされる人など)がいろいろな形で映画の中で描かれていて、しみじみと泣けてきちゃう。

イライザの隣人の絵描きのジャイルズさんが、仕事で命じられて描いている「理想のアメリカの家庭」があるんだけれども、それは本当にイラストの中にしか存在せず、世の中は青でも緑でもなく、なんか曖昧なその中間の色のティールにどんよりと覆われていて、みんなそんなどんよりした色の世界でくらしている。

悪役であるところのストリックランド氏ですら例外ではなく、表向きは絵に描いたようなアメリカ中流家庭の人のようでありながら、実際には失敗したらセカンドチャンスもないまま切り捨てられるような世界で傷口を腐らせながら生きているのだった。つらい。

わたしは『パンズ・ラビリンス』は悲しいハッピーエンドだったと思っているけど、今回はそれよりは悲しさが少し薄らぐ感じのハッピーエンドで、ただしかし、このティールな世界に残されて生きていかないといけない人たちのことを考えると、ひたすらに切ない。みんなにいいことあるように、ゼルダとジャイルズに幸いあれと願うばかりです。




by rivarisaia | 2018-03-07 18:59 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(2)