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ペンは剣よりも残酷になる

10年近く前に怒って書いた昔のエントリに、いまもちょこちょこアクセスがあって、最近は別のことに怒っているのになんかフェアじゃないと考え、昨日はそれに追記をしました。迷ったけれども、加筆修正したものをここに新しくアップします。


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出版不況というのは20年以上前からずっと言われ続けていて、そこには再販制度とか返本率とか新刊出しすぎ問題とか複雑な事情があり、何が原因かは簡単に言えないけど、売れないと言われながらも毎月毎月いろいろな本が出版・販売されています。

ここ数年、さすがにこの状況はダメだと思うのが、嫌韓・嫌中本、差別本、トンデモ医学本、妄想の域に達してる歴史本などが、複数の大手出版社から出続けていること。この類の本は昔から存在していて、以前は無視すればいいと考えていたけど、どんどん悪化していていよいよ放置できなくなってきた。

世界の変化についていけずに、精神的にも成長できず、日本は後退しているみたい。そこにきて、ここ最近の『新潮45』の一件です。前回の批判もよそに、さすがにこれは酷い。

世の中には多様な意見がある、と言う人は、問題になった記事を読んでないか、そのほかのこの手の本の内容が及ぼす影響を想像できないのかも。これらの内容は同意できるか否かというレベルにはなく、他者を傷つけたり、命を脅かしたりするものでしかありません。「尊重されるべき異なる意見」には該当せず、価値もなく、当事者は傷つくだけだからわざわざ読む必要はありません。

こうしたモラルも根拠もない、ただ人を傷つけ社会に害をなすだけの文章に対価が支払われていて、流通にのせて市場に出し、ただでさえ返本率が高い中、面積に限りのある書店の棚を占有して、それで誰か死んでも版元はなんの責任を取ることもない。わたしは怒りしかわかない。

酷い本も出しているけど文芸書やノンフィクションでよい本も出してるからね、いい編集者もいるしねと許していた時期は、とうの以前に過ぎました。炎上商法にもうんざりだ。新潮社だけでなく、講談社も小学館も文藝春秋も、大手の経営陣はいったん自社の出版物を出す意義とその影響を考えてみてほしい。姿勢がはっきりわかるまでは、もうそうした出版社の本は買わない。わたしひとりが買わなくても困らないだろうし、それに自分の限りあるお小遣いは、良識のある出版社や小さいけど地道に良書を出版しているところにどんどん使っていきたいので。

"The pen worse than the sword" はロバート・バートンの言葉です。


by rivarisaia | 2018-09-20 15:58 | 映画や本の雑記 | Trackback | Comments(6)

SPL 狼たちの処刑台

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SPL 狼たちの処刑台(殺破狼:貪狼)』(監督:ウィルソン・イップ/葉偉信)

香港の刑事リー(ルイス・クー/古天樂)の一人娘が、タイのパタヤで誘拐される。リーはパタヤ警察のチュイ刑事(ウー・ユエ/呉越)とともに娘の行方を必死に追うのだが、臓器密売組織が裏で糸を引いていた……

アクション監督はサモハンです。

何の予備知識もなく観に行ったので、あまりに非道な展開に衝撃。父一人、子一人の家族で、娘を想うあまりの行動が逆にこの結果を招いてしまったとも考えられなくもなく、いや〜この前観たばかりの『ショック ウェイブ』も容赦ない展開でしたけど、本作もまったく情け容赦なかったです。そんな〜酷いよ!うわーん!(泣)

ロー・ワイコン/盧惠光もラム・カートン/林家棟もこれでもかというくらい鬼畜っぷりを発揮しています。こわい。

さて、映画のポスターや予告だと、トニー・ジャーが第二の主役かな?という扱いですけど、映画が始まってすぐに「特別出演」というようなクレジットがあり、その通り、第二の主役はウー・ユエで、今回トニー・ジャーは補佐的な役回りでした。そこもけっこう驚いた点。日本の配給会社、そんなメインキャラみたいなアピールしなくていいんじゃないの?

アクションはてんこ盛でなかなかよいのですが、ナタが苦手な私としては全般的に痛かった。そして高いところから落っこちても香港映画なら人は死ななそうな気がしていたけど、それは大きな誤解であった。落ちたら、人は死ぬ。

また、タイの俳優で『オンリー・ゴッド』のカラオケ刑事ことヴィタヤ・パンスリンガムが、警察局長の役で登場するのもポイントです。本作では娘にカラオケを歌わせていて、あ……カラオケ!ってちょっと思いました。


by rivarisaia | 2018-09-07 23:19 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班

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SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班(拆彈專家)』監督:ハーマン・ヤウ/邱禮濤

香港警察の爆弾処理局のチョン(アンディ・ラウ/劉徳華)が、潜入捜査によって犯罪グループを追い詰めようとするところからいきなり話はスタート。銀行強盗、カーチェイス、爆発、カーチェイス、爆発!の末に、犯罪グループは逮捕されるのだが、リーダーのホンはうまく逃れてしまう。ここまでが長い前フリ。

それから1年半が経ち、武装集団を引き連れたホンが香港に現れ、復讐のため、そして弟の釈放と巨額の金を要求するために人質を取って海底トンネルを占拠、トンネル内に爆弾を仕掛ける。タイムリミットまでに人質全員を救出し、爆発を阻止することができるのか……


最初から最後までけっこう緊張感が続く上に、意外と先が読めなくて、展開もいろいろと衝撃的。人質になった市民の中には若い警官(ベイビージョン・チョイ/蔡瀚億)がいて、彼のエピソードが一番びっくりで、心の中で「ええええー」という声が反響したよね。そうか、そうですか。

一体全体これはどう解決するのか皆目見当もつかないと思っていたら、すっごい荒技で有無を言わせずねじ伏せられた感ある。最後まで本当にドッカンドッカンと大盤振る舞いでした。

さて、内容に差し障りない程度に、ちょっと思ったこと箇条書き。

・チョン警官の彼女ですが、大人の事情で出さないといけない女優を出した感があって、割りと不要だったのでは?という印象。とってつけたような手榴弾要員でしたよね。むしろ、バーでチョン警官が出会うべきだったのは、ベビジョンでは?

・チョン警官、目玉焼きを作るのにフライパンに入れる油の量ハンパなく多い。

・チョンの同僚刑事(フィリップ・キョン/姜皓文)がとてもいい味を出してたんですけど、最後のほうでチョンと犯人とこの同僚の三人が「車をぶつけあうことで思いを伝える」みたいな演出があって、ちょっと面白かったです(車で語り合うの、前にも別の香港映画で観た……)。


by rivarisaia | 2018-09-03 23:50 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)