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"バーバ・ヤーガ" は個人的な興味対象なので、タイトルだけで読むのを決めた児童書。

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The House with Chicken Legs』Sophie Anderson著、Usborne Publishing

2019年のカーネギー賞ノミネート作品の児童文学。”本物のお友だち” がほしい12歳のマリンカが主人公。

ニワトリの脚のついた家にバーバ・ヤーガであるおばあちゃんとペットのカラス(そしてのちに預かった子羊)と一緒に住んでいるマリンカには、一緒に話したり遊んだりする人間の友だちはいない。

バーバ・ヤーガであるおばあちゃんは、あの世に通じる門の守り人として死者を死後の世界に導くという仕事をしている。あの世への門をくぐるためにニワトリの脚のついた家を訪れる死者たちを、おばあちゃんは美味しい料理で手厚くもてなすのだった。

おばあちゃんは、いずれマリンカに跡を継いでもらおうと思っているので、マリンカは学校にも行かせてもらっていない。というより、家から遠く離れることも禁じられている。それに家はときどき突然場所を移動するので(ニワトリの脚がついてるからね)、マリンカたちはひとつの場所にじっとしているということもない。

そんな暮らしをしていたマリンカが、あるときヤーガの掟を破ってしまったことで、おばあちゃんが門の向こうに消えてしまう。マリンカは何とかおばあちゃんを探して連れ戻そうとするのだが……

というお話。

死者を送る作業をしないと家がどんどん壊れてしまうというのに、ヤーガになりたくない!絶対におばあちゃんに戻ってきてもらう!と頑固なマリンカ。そもそも掟を破ったのはマリンカの身勝手さが原因ということもあり、少々いらっとしたんですが、よく考えてみれば彼女はまだ12歳だった。それならしょうがないよね。子どもには荷が重すぎるし。

バーバ・ヤーガと暮らす少女の友だち作りの話かと思いきや、孤独や別れ、生と死というやや重めのテーマが中心で、でもユーモアもある愛らしい物語で終わり方もとてもよかったです。それにたまに出てくるよくわからない名前の東欧の食べ物がなんだか美味しそう! 巻末に用語集がついていて、どんな食べ物なのか説明があります。

著者の2冊目(The Girl Who Speaks Bear)はクマのほら穴に捨てられて育った少女の話らしくて、これも読んでみようかな。


by rivarisaia | 2019-09-03 23:19 | | Trackback | Comments(0)

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