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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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尼僧ヨアンナ

夏なのでホラー映画でも。厳密にはホラーじゃないかもしれないけど、私にはこの映画はじゅうぶんホラーです。

尼僧ヨアンナ_b0087556_17364296.jpg

尼僧ヨアンナ(Matka Joanna od Aniolow)』監督:イェジー・カヴァレロヴィチ

ポーランドのとある村。尼僧院長のヨアンナは悪魔にとりつかれ、悪魔の影響は他の尼僧たちにも及んでいた。悪魔祓いのために司祭スリンがやってくるが…


元祖エクソシストのような話です。何が怖いってヨアンナが怖い。白いかぶりもののおかげで強調される、まったくまばたきしない大きな目が怖い。突然、司祭の背後に忍び寄ったり、壁づたいに変な動きをするヨアンナが怖いです。

ラビと司祭との悪魔についての問答も興味深いですが、宗教問答を脇において考えてみると、落ちぶれたとはいえ元貴族の娘であるヨアンナは自由のない修道院の生活のせいで破綻しちゃった気もするし(おそらくきっかけは、火刑にされたという司祭)、世間知らずの(と本人も何度も言っている)スリン司祭は、ヨアンナと出会って体験したことのない気持ち(愛)をどうしていいのかわからずに、悪魔のせいにしてしまっているのかもしれませんね。で、尼僧院長が奇怪な行動をすることで、集団ヒステリーとなって他の修道女にも影響が出た、と。

俗っぽい修道女だけが悪魔に取り憑かれてないのは、適度に息抜きしていたからでしょうか。

改めて観て思うに、悪魔に憑かれて階段落ち、悪魔に憑かれてブリッジ、というのはやはり本作からきているのかな。

『尼僧ヨアンナ』は原作小説がありますが、小説のモデルになった事件があり、フランスのルーダンにあるウルスラ会修道院で起きた、スュラン(シュラン)司祭によるジャンヌ・デ・ザンジュの悪魔祓いです。詳しく知らないので、今度調べてみよう。

そしてまったくの余談ですが、宿屋のおっちゃんは「まんが日本むかしばなし」の常田富士男以外の何者でもないです。役どころといい、あの風貌といい、どこからどうみても常田富士男でした。
# by rivarisaia | 2011-07-27 17:36 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(4)
前回、クロアゲハの話をしましたが、例のサナギはやはりクロアゲハでした。

じつは蛹になって数日後に飼育ケース付近を飛んでるコバチを目撃したので、寄生されてるんじゃないかと疑ってたんですよ。でも何日かたって蛹を見ていたとき、シュッシュッとすごい音をたてて動いたので(ナミアゲハでは聞いたことない音…)大丈夫なのかなと様子を見てました。

アゲハようちえん2011: クロアゲハ2_b0087556_20123758.jpg

同じ頃にサナギになったナミアゲハから遅れること数日、ようやく羽化したんですけど、しかし、なんとこのひと羽化に失敗。

羽を乾かす前に落っこっちゃったんだよね、壁から。えええー!?
アゲハようちえん2011: クロアゲハ2_b0087556_20125283.jpg

わかるでしょうか、右側の羽がちゃんと開かない。羽化するときに落ちてしまうと、羽が折れてしまって、飛べなくなってしまうのでした。

仕方ないので部屋で砂糖水をやりながら飼ってたんですけど、何度も飛ぼうとするので可哀想だった。先日、飛べないままついにお亡くなりに。

またクロアゲハの幼虫育てたいなー。昨日、クロアゲハが庭を飛んでいたのでどこかに卵があるかもしれない。しかし、蚊と戦いながら卵や幼虫を探すというのは至難の技なのだった。
# by rivarisaia | 2011-07-25 20:15 | 動植物 | Trackback | Comments(0)

Journal of a UFO Investigator

これまた私の嫌いな思春期もやもや少年の話で、何故にそのような小説を選んで読んだのかは永遠のミステリー。ええと実際の理由は表紙デザインが気になったから、です。

Journal of a UFO Investigator_b0087556_23363240.jpg


Journal of a UFO Investigator』David Halperin著、Viking Adult

60年代のフィラデルフィア郊外。主人公のダニーの世界は崩壊寸前だった。母親は心臓病で死にかけており、父親との関係は良好ではなく、好きな女の子ともうまくいかず、親友とも距離ができ、周囲から疎外されていたダニーが唯一没頭していたのはUFO研究だった…


ダニーが綴るUFO日記(彼の空想)は現実と交錯して、途中からどこまでが現実でどれが空想なのかよくわからなくなってきますが、次第に現実逃避の空想部分がかなりの冒険談になっていくのも、思春期の少年らしい。そんなダニーのUFO日記の中のヒーローは、当然ながらダニー自身。

ユダヤ人であるダニーが、保守的なキリスト教の地域に住んでいるというのも疎外感の一因となっていて、宗教的なアイデンティティについてもUFO日記には多大に反映されています(だってイスラエルに行っちゃったりするんだよ)。

ところで。

本書を読んでて、うわっ懐かしい、と思ったのが、地底人デロ。小学生のころ、友人が持ってた四次元のミステリーをテーマにした本に、地球の地下には恐怖の地底人デロが生息しており、しばしば人間を誘拐している云々などと、さも実話みたいに書いてあり、あまりに嘘くさいので誰も信じてなかったけど、元ネタは『アメージング・ストーリーズ』だったんだね(詳しくはWikipediaのリチャード・シャープ・シェイヴァーの項をどうぞ)。

UFO日記に書かれている話が次第に大きくなってきて、どうなっちゃうんだ、これ…と途中で不安になりました。やがてそんな空想の世界とも決別する日がやってきます。ここであんまり感慨深くならなかったのは、やはり私には思春期の少年のもやもやがあまり理解できなかったからかもしれませんね…。
# by rivarisaia | 2011-07-22 23:40 | | Trackback | Comments(0)

The Fates Will Find Their Way

私は思春期の少年のもやもや感が嫌いなのに、思春期の少年のもやもや全開の小説を読んでしまった。途中どうしようかと頭抱えそうになったけど、後半からラストにかけて、つまり少年が大人になったあたりで、じんわりとくるものがありました。

The Fates Will Find Their Way_b0087556_250917.jpg

The Fates Will Find Their Way』Hannah Pittard著、Ecco

ハロウィンの日に、僕たちの前から姿を消した16歳のノラ・リンデル。彼女はどこにいるんだろう。彼女に何があったんだろう。今はどうしているんだろう。残された僕たちの人生には、消えてしまった彼女がさまざまな影を落とす。


行方不明になってしまった少女について、友人だった「僕たち」(語り手は一人称複数です)は、あれこれと妄想をふくらませます。見知らぬ男の車に乗って去っていったのかもしれないし、殺されたのかもしれない、メキシコ人と一緒に暮らしているかもしれない…あれこれと噂が飛び交うものの、結局のところ真実はわからないまま。

不在の少女の物語は、そこにはもういない少女の仮定の人生についてあれこれと思いをめぐらしながら、やがて大学に進学し、大人になり、結婚し、新しい出会いや別れに遭遇し、ここにいる自分たちの人生を受け入れていく、という「僕たち」の成長の物語でもあるのでした。

最後の最後、空がピンクから紫色に変わる頃の情景がなんだかとてもよかった。

それはそうと、「僕たち」は地元から離れず、大人になって結婚しても、一緒にいる仲間なのですが、ずっと同じ場所にいて昔と変わらない「僕たち」っていうのもすごいよなあ。たまに小中学校の同窓会に行くと、そういうタイプのクラスメイトもいるんだけど、私などは「えっ、まだそんな頻繁に会ったりしてるんだ」とけっこうびっくりしちゃう。

アメリカの田舎町で、いつまでも地元にいてしょっちゅうつるんでいる男性を想像するに、どうも排他的で保守的な人たちのような感じがしてしまい、あんまりお近づきになりたくないとも思ってしまうのでした。ま、かなり偏見ですけどね!
# by rivarisaia | 2011-07-21 02:50 | | Trackback | Comments(0)
今日は朝(というか夜明け前)から、とてもいい試合を見たので記しておきたい。

女子サッカーW杯で日本優勝おめでとう!
女子サッカー日本優勝おめでとう_b0087556_2355566.jpg


なぜか予選突破は自信があったんですけど、決勝T はハラハラしながら柱の陰で小声で応援してた小心者です。そしてアメリカの2点目が決まったとき、あうう…と突っ伏した、あきらめの早い女は私です。

たとえば残り時間5分で負けている場合、アイスホッケーなら「あと5分もあるし、まだまだ大丈夫」と余裕かましてられるんですが、サッカーで、特に代表チームの場合、国がどこだろうと「5分しかない...」と青ざめてしまう性分。でもさ、思い出してごらんよ、サッカーでもあきらめないって大切だよね!と3年前のEUROで学んだではないか、と深く反省しました。

優勝はもちろん嬉しいのですが、決勝戦がおもしろい試合になってよかったし、何より選手の皆さんが笑顔で楽しそうにプレーしてたのが見ていて気持ちのよい試合でした。世界中の人が、うん、あれはいい試合だった、と言える内容だったと思う。

写真はお祝いの花束の代わりに爆発満開の庭の花、ただし6月の庭です。今は熱帯ジャングルと化してます。。。
# by rivarisaia | 2011-07-18 23:11 | 日々のよもやま | Trackback | Comments(2)