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ROMA/ローマ

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ROMA/ローマ』監督: アルフォンソ・キュアロン

本当は劇場公開を待とうと思ってたんだけど、先月半ばくらいについNetflixで観ちゃったのがこれ。音響が劇場だとぜんぜんちがうみたいなので、劇場でも観て見たいな。白黒の映画だけれども、映像がとても美しくて細かいところまでくっきり見えて、空気中の湿気や潮風の香りや煙の焦げ臭い匂いがただよってくるような感じだった。すごい。

70年代のメキシコの中流家庭で働くメイド、クレオを中心にすえた話。

映画としては全体的にとても面白い。ちょっとした日常の出来事や深刻な話、うれしいこと、かなしいことなど、いくつものエピソードが積み重なっていて、画面を読み解く楽しさみたいなものも随所にあった。いまでも、クレオだけが片足で揺るがずに立てたこと、飛んでいく飛行機についてふとあれこれ考えたりする。

それと同時に、ちょっといい話のように見せかけて、中流家庭の傲慢さが鼻につく話でもあった。クレオのことを家族の一員のように思っているようでいて、クレオのことは大好きだと口では言いつつも、やっぱり使用人は使用人なのだった。相手をいたわっているようでいて、まったくそんなことないじゃんね、ということがチラチラ見えて居心地悪い気分になるものの、そもそも出てくる男性(雇い主一家のお父さんやクレオの彼氏)がサイテーきわまりないので、中流家庭の奥さんにも同情の余地はあるといえばある。

ふらつくことなくしっかり立つことができる女性として描かれてたクレオではあるけど、どうしてこんな目にあってしまうのか、と私としては気の毒でならなかったんですよね。これから先幸せになれるといいね、と思っちゃったよ。

# by rivarisaia | 2019-02-09 12:16 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)

ミスター・ガラス

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ミスター・ガラス(Glass)』監督: M・ナイト・シャマラン

『アンブレイカブル』と『スプリット』の続きの話なので、この前2作(特に『アンブレイカブル』)を観ていなければまったくお話にならないし、たぶん前2作(特に『アンブレイカブル』)がダメだった人は今回もダメかもしれないんですけど、わたしは大人になったジョセフ・ダンが登場してきてデヴィッドの手伝い的なことをしている出だしから、うわーと胸がいっぱいになりました。ジョセフくん、こんなに立派に大きくなって…(涙)。それからケイシーが、自分の過去にきっちりと対処して強く乗り越えていたのもよかったです。

不死身のデヴィッド・ダン、多重人格のビーストことケヴィン、骨形成不全で頭脳明晰のミスター・ガラスことイライジャ。この3人は精神科医ステイプル博士の治療を受けることになる。「自分をアメコミの登場人物だと錯覚し、特別な存在だと思っている人」を研究対象としている博士は、3人を説得にかかるのだが……

という話。

このシャマランの一連の三部作の主人公はやっぱりミスター・ガラスなのだった。ヒーローやヴィランは存在するのかという一作目から、今作ではもはや善とか悪とかそんな次元は超越して、マイノリティ VS 彼らを抹消しようとするマジョリティの構図を呈しつつ、最終的には大多数の人がなんと言おうが、自分は物語を信じるというところに着地する。あらすじは全然違うけど、この物語を信じることというテーマに関しては『レディ・イン・ザ・ウォーター』に似てる。

最後の展開だって、現実社会では、そんな動画、拡散されてもすぐに忘れ去られちゃうよ、となるんだろうけど、そもそも物語なんてきっとどれもそんな些細なものなんだよね。忘れないかどうか、信じるかどうかは、きっと自分次第。

# by rivarisaia | 2019-01-28 21:11 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)

赤坂さんぽ

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新年明けてしばらく経ってから、赤坂方面をぶらぶら散歩。リニューアルした虎屋さん(地下がギャラリーで、2階が店舗、3階が喫茶)。

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家人が豊川稲荷をお参りするので、お店でお供えを買いました。なんだか可愛らしいねー。豊川稲荷はお稲荷百貨店みたいに狭い敷地に小さいお社がいっぱいあって、なかなか楽しいし、おこんがたくさんいて賑々しいのに妙に落ち着く。四谷から赤坂に抜けて歩くときにふらっと立ち寄ったりするんだけども、いままで全然気づかなかったことに今回気づいた。

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それがこれ。外側の道路に面した石積みの塀に名前が入ってる。おもしろーい。寄進した人のお名前だとは思うんだけど。

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これなどは、講中の「世話人」。


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万惣の「西瓜糖」。万惣ってあの万惣かな?

虎屋の裏にも小さな変わった神社があります。美喜井稲荷というのだけど、お猫のお稲荷さん。

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猫地蔵、新しくなっているような気が。

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こんな感じでお社の上のほうにも猫がいる。かわいい。

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このお稲荷さんは由来もよくわからなくて、謎めいてるんですけど、とにかくお参りする人はタコを食べてはダメなんですって。



# by rivarisaia | 2019-01-22 23:41 | 旅行・お出かけ・さんぽ | Trackback | Comments(2)

Where'd You Go, Bernadette

2012年に出た本で、ベストセラーになったコメディ小説。ちょうど『ゴーン・ガール』が出たのと同じ年。とても面白く読んで、そういえば感想書いてなかったので、映画化を機にちょこっとだけ書いておく。映画はリンクレイター監督で主演がケイト・ブランシェット、と期待できそうで、予告編も貼っておきます。

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Where'd You Go, Bernadette』Maria Semple著、

バーナデットは昔は才能のある建築家だったけど今は専業主婦として、成績優秀な娘のビー、マイクロソフトでバリバリ働くITエンジニアの夫エルギーとともにシアトルで暮らしている。

人づきあいがうまくいかないバーナデットは友人もいないし、近所からの評判も悪く、特に隣人オードリーとは犬猿の仲。とにかく人と関わりたくない性格で、身の回りのこともインドの秘書サービスを利用して行ったりする。

娘のビーが優秀な成績をとったご褒美に家族で南極旅行に行こうという計画が立ち上がってから、バーナデットの奇行がエスカレート、夫が対策を講じようとした矢先、彼女は忽然と姿を消す。

いったいどこ行っちゃったの、バーナデット?という話です。

学校の手紙や関係者のEメール、FAX、記事、医師のレポートなどさまざまな文書の合間にビーのナレーションが入る、というちょっと変わった構成。いろんな文書を読んでいくうちに、バーナデットとはどんな女性なのか、ということがだんだん明らかになってきて、最初と最後では彼女のイメージはガラッと変わっているはず。身近にいる夫がなんもわかっちゃないことも露呈するけど、娘のビーのほうがよくわかっていて、その上タフで頼りになるのが救い(子供だからかわいそうなんだけどね)。

日本でも映画が公開されるだろうと期待して、これ以上はあまり詳しくは書かないけど、バーナデットの気持ちはとてもよくわかる。特に能力のある女性がうまく活躍できない日本社会ではありがちな状況で、バーナデットに共感する人も多いんじゃないかなあ。

切ないけど、ユーモアもたっぷりのコメディ小説で(笑っちゃいけないけど、とても可笑しい場面もある)、読みやすいので映画の前か後にぜひどうぞー。



# by rivarisaia | 2019-01-13 23:33 | | Trackback | Comments(0)

あけましておめでとうございます。そしてありし日のジュネス順心

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新年とっくに明けておりますが、おめでとうございます。

ここ最近、ブログはほんっとーに更新頻度が少なくて、Twitterとかインスタで忙しいんでしょ、と思うかもしれませんが、SNSも隙間時間にしか見てない。じゃあいったい何をやっているんだろうな?と自分でも首をかしげるありさまです。たぶん時間の使い方が下手になっているのではないかという気がする。今年は、またブログをこまめに更新するつもりでいるし、去年よりも本もたくさん読んで、映画もたくさん観て、インプットとアウトプットのバランスをよくしたい。

写真は、現在再開発が始まった、渋谷の桜丘町にあったレトロなアパート「ジュネス純心」のありし日の姿。1938(昭和13)年、イタリア人によって設計された3階建ての木造建築です。私はこの建物の前を通って、イタリア語の学校にかよっていた日々もありました。東京は再開発だらけで、どんどん変わっていくので、今年は散歩もどんどん行こう。

では、今年もどうぞよろしくお願いします。

# by rivarisaia | 2019-01-07 23:59 | 旅行・お出かけ・さんぽ | Trackback | Comments(0)

2018年これを読まずして年は越せないで賞が決定しました!

今年もまた年末恒例、渡辺由佳里さん主催の「これを読まずして年は越せないで賞」に審査員で参加しました!
そして昨日、各部門の優秀賞と大賞が決定したのでお知らせします!

まずは各部門の優秀賞
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児童書部門
The Miscalculations of Lightning Girl by Stacy McAnulty

YA(ヤングアダルト)部門
Far from the Tree by Robin Benway

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ノンフィクション部門
Educated by Tara Westover


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フィクション(ジャンル小説・大衆小説)部門
Seven Husbands of Evelyn Hugo by Taylor Jenkins Reid

フィクション(文芸小説)部門
Circe by Madeline Miller


そして、2018年これ読ま大賞作品は

Circe by Madeline Miller

次点
The Miscalculations of Lightning Girl by Stacy McAnulty



わたしは今年は本当にブログが更新できなくて、本の感想もぜんぜん書いていないのですが、候補作に選ばれたのはどれもおすすめ。ほかにどんな候補があるのかについては、洋書ファンクラブの由佳里さんのレビューをごらんください(タイトルをクリックすると由佳里さんのレビューに飛びます)。

由佳里さんのレビューへのリンクがない本で、わたしが感想書いたのは以下。


毎年書いてる気がしますが、来年はもう少しまめに更新するよう努力しますね。優秀賞の感想もアップするようにがんばるー。
では、冬休みに楽しい読書を!




# by rivarisaia | 2018-12-28 18:23 | | Trackback | Comments(4)

ボーダーライン・ソルジャーズ・デイ

メキシコ麻薬戦争がらみのニュースを見るたび、近い場所に住んでたこともあるから、なんだかくらーい気持ちになるんですよ。昔から問題はあったとはいえ、コロンビアのでっかいカルテルが壊滅してからというもの、本当にひどい。そして事態はまだ収束していないので、メキシコ麻薬戦争を扱った映画を観ると、現実も近いものがあるのでは……と考えちゃて落ち着かない気分になるけど、フィクションとしては楽しめてしまうよね。うむむ。

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ボーダーライン・ソルジャーズ・デイ(Sicario: Day of the Soldado)
監督:ステファノ・ソッリマ

感想書いてないけど前作『ボーダーライン(Sicario、監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ)』も面白い。1作目は、FBI捜査官ケイト(エミリー・ブラント)が、CIAのマット(ジョシュ・ブローリン)と謎のコロンビア人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)とともに、アメリカとメキシコの国境付近を拠点とするカルテルの撲滅作戦に参加する、という内容でした。しっかり者のケイト、法を守らない男どもに振り回されて、精神的にボロ雑巾みたいになって、気の毒すぎた……。

そして2作目ですが、話は独立しているので、前作を観てなくてもだいじょうぶ。ケイトも出てなくて、今回のメインはマット……と見せかけて、アレハンドロです。

メキシコ経由で不法入国した犯人による自爆テロが起き、アメリカ政府は不法入国をあっせんする麻薬カルテル殲滅作戦を実行することにする。作戦を指揮することになったCIA特別捜査官マットは、コロンビアのアレハンドロに協力を依頼、麻薬王の娘イザベルを誘拐し、カルテル同士の抗争を誘発しようと試みるが……

という話。

敵対するカルテルに娘が誘拐されたと見せかけるのには成功し、アメリカ国内で娘の救出作戦を偽装するのもうまくいくんだけれども、メキシコにイザベルを連れて帰る途中で予期せぬ事態が発生、アレハンドロは孤立無援の状態になっちゃう。

今回はアレハンドロが精神的にはどうかわからないけど肉体的にボロ雑巾みたいになります。そして、前回でなんとなく聞いていた彼の過去(というか娘さんのこと)が、またさらに少しだけ明らかになります。検事時代のアレハンドロの姿を想像すると何だか泣けてきちゃうよ。そりゃあね「アディオス……」って言って、ババババババッと弾を連射したくもなりますよ、つらい。

後半、これどうなっちゃうのかしらと思っていたら、死ぬ運命から逃れた男ふたりが再び出会う場面でジ・エンド。これは、続きを、続きを早く!!

3作目は、再びケイトにも出てほしいなあ。そしてガツンと見返してほしい。あとこのシリーズで私が気に入っているヒゲのメガネくんことスティーヴ・フォーシング演じる、マットのチームメイト(役名忘れちゃった)も活躍しますように。

# by rivarisaia | 2018-12-22 22:08 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)