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Miracle Creek』Angie Kim著、Sarah Crichton Books

ヴァージニア州の小さな町。韓国人の移民の夫婦パクとヨンが、高気圧酸素治療(HBOT)を提供しているクリニックを運営していた。

HBOTは自閉症から不妊症までさまざまな症状に効果があるとされており、定期的に通って治療を受けている患者もいたが、同時にクリニック周辺ではHBOTに対する激しい反対運動も起きていた。

そんなある時、クリニックで爆発が起こり、2名が死亡、複数名が重傷を負う。しかしそれは事故ではなく、容疑者が逮捕されて裁判が起こるのだが……

主に裁判を中心に話が進み、さまざまな登場人物と彼・彼女らの背景が次第に明らかになっていく。裁判と事故の真相を探るミステリーなんだけど、それだけではなくて、母国から希望を持って(子供の将来のために)アメリカに渡ってきた移民と、そのアメリカにうまく馴染めないでいる子供が抱える苦悩、アジア系のアメリカ人(特に女性)がしばしば経験する不愉快な思い、そして障害をもつ子供を育てている親が日々直面する困難といった事柄が丹念に描かれていて、それぞれ事情はまったく異なるものの、どれも痛いほど気持ちが伝わってくる。とてもつらい。

容疑者として逮捕されたのは、シングルマザーのエリザベス。いつもなら彼女は自閉症の息子と一緒にHBOTのチャンバーに入るのに、その日に限って、息子を友人に託し、自分は外でワインを飲んでくつろいでいたのだった。

ところが裁判が進むにつれて、経営者であるパクが多額の保険金をかけていたことが発覚。娘を大学にやるための資金のために自ら施設に放火したのでは?という疑惑が生まれる。同時に、HBOTによる自閉症の子供の治療に反対しているデモ隊が脅迫をほのめかしていたことも明らかになる。

エリザベスは本当に犯人なのか。

数々の小さな嘘、よかれと思って言ったこと、言わなかったこと、積み重なる誤解が大きな悲劇が起きてしまう。そしてその悲劇が関係者全員の人生を大きく変えることになる。言葉ひとつにしたって、それが発せられた状況をよく知れば、意味が全然違ってくるのだ。

裁判もののミステリーかな?と思って読み始めたら、ページターナーな上にかなり複雑で感情を揺さぶる重層的な物語だった。Celeste Ngの小説が好きな人にもおすすめ。




by rivarisaia | 2019-08-07 20:56 | | Trackback | Comments(0)
なかなかおもしろい本を読みました。

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Gods of Jade and Shadow』Silvia Moreno-Garcia著、Del Rey

1920年代のメキシコを舞台にしたロードトリップ小説なんだけども、異色なのはマヤの神話を取り入れたファンタジーで、主人公であるヒロインのカシオペアが、冥界の王であるフン・カメーと旅に出る、という設定であるところ。

なにゆえに冥界の王と旅するはめになってしまったのか。

18歳になるカシオペアはメキシコの小さな町で生まれ育ったのだけれども、父親が死んでしまってからは母親とともに母方の実家に身を寄せている。金持ちである祖父の屋敷では、カシオペアはインディオの血が入っていると蔑まれて家政婦のようにこき使われ、いとこのマルティンからも毎日のように嫌がらせを受けていた。
そんなある日、カシオペアは祖父がいつも首から下げていた鍵をたまたま手に入れる。それは部屋のすみにある箱の鍵で、もしも中に詰まっているのが金貨なら、2、3枚くすねちゃってもわからないよね?という気持ちで、彼女は箱を開ける。
しかし中に入っていたのは、金貨ではなく骨だった。そして開けた際に骨のかけらが彼女の手を傷つけ、その傷から流れた血で、冥界シバルバーの王フン・カメーが蘇ってしまう。

素っ裸で蘇ったフン・カメーがカシオペアに着る物を持ってこさせる際、キリスト教徒であるところのカシオペアは「結婚もしてないのに男性の裸を見ちゃった。わたし地獄に落ちるかも……」と動揺する。この思考パターン、その後もたびたび登場して「結婚もしてないのに男性と一緒のホテルの部屋に! 地獄に落ちるかも……あ、でもフン・カメーは男性じゃなくて神だからいいの?」と悩ましいカシオペアなのだった。

フン・カメーは、弟ヴクブ・カメーの策略にはまって王位を追われ、体のパーツをいくつか盗られて隠されているので、まずそれらを取り返して王位も奪還せねばならない。しかし骨のかけらがカシオペアの手に入ってしまっているために、ぐずぐずしているとパワーが薄れて人間になってしまうし、カシオペアの命も失われてしまう。

というわけで、冥界の(元)王フン・カメーとカシオペアは旅に出ることに。しかし当然ながらそれを知ったヴクブ・カメーの魔の手がふたりに迫るのであった……。

全体に手に汗握るようなハラハラドキドキ感はそれほどでもなく、どちらかというとほのぼの旅してる印象もあるんだけど、いかんせんマヤなので、首を切り落としたり、血を流したりする場面もけっこうある。マヤ神話のモチーフがあれこれ登場するのが楽しいし(巻末に用語集もついてて、もっと知りたくなっちゃうね)、最後の終わり方もとてもよかった。話としては一応は完結するとはいえ、続編が出たら読みたい。

最初にふたりが助けを求めに行ったのが、地獄の弓矢の大公爵こと悪魔のロレイで「悪魔だから立場的には中立」「彼に魂を売らない限り、安全」ってことらしいんですけど(本当に?)、このロレイがなんとも言えずすごくいいキャラで、個人的にはかなりポイント高かったです(別名レラジェ、でWikipediaにも項目があるよ。この小説では緑色の目をしてます)。もしも映画化するなら誰がいいかな〜。



by rivarisaia | 2019-08-01 19:11 | | Trackback | Comments(2)

Ohio

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Ohio』Stephen Markley著、Simon & Schuster Paperbacks

オハイオ州北東にある小さな町New Canaanでかつて同じ高校に通っていた若者たちの人生がある夜に交差して、それぞれが抱えていた思いや後悔、過去の秘密が明らかになるという趣の話。

舞台がラストベルトということもあり、閉塞感があってとにかく暗いし、前半は展開があまりにスローなので、途中で読むのやめようかな?とも思ったけど、惰性で読んでいたら最後のほう急展開でいろいろなことが起きた。読者に対しては衝撃的な事実も判明し、苦いエンディングを迎える。

フットボールの花形選手だったけどイラクで戦死してしまったリックの葬儀パレードの話がプロローグ。それから6年が経ち、それぞれの理由で葬儀には参加しなかった4人が、ある日New Canaanに帰ってくる。

活動家のビルは、ニューオリンズから謎のパッケージを運ぶために。大学院生のステイシーは、行方不明になった高校時代の親友の母親と対峙するために。軍を退役したダンは、昔の恋人と恩師に会うために。そして、美人で有名だったティナは、かつての彼氏に復讐するために。

主にこの4人の章で構成されていて、ステイシーの章が心がヒリヒリとするけれども、とてもよかった。レズビアンであるために、保守的なクリスチャンの家族との間に軋轢があるステイシー。彼女はとてもまっすぐな人物で、この小説の中の良心でもある。そして、ティナの章は非常にツラくて悲しい。

エピローグは、ニューオリンズからの謎のパッケージがもたらした結末と、ステイシーの親友で初恋の人でもあったリサがどこに行ってしまったのかが語られる章。何もかもがすっきりすればいいんだけど、なかなかそうはいかないね。

by rivarisaia | 2019-06-13 21:49 | | Trackback | Comments(0)

Verity

ちょっと前にさくっと読んだ本、感想を書いとこう。もともとロマンス小説の作家が、個人出版のかたちで出したサスペンスです。

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Verity』Colleen Hoover著

お金に困ってる小説家ローウェンは、出版社からの依頼を受け、事故によって執筆できなくなったベストセラー作家ヴェリティの夫ジェレミーに雇われて、ヴェリティが手がけていたシリーズの続きの代筆をすることになる。

執筆のために夫妻の屋敷に滞在してヴェリティの書斎で資料整理をしていたローウェンは、ヴェリティが密かに書いていた自伝を発見、そこには恐るべき内容が書かれていた……

著者は最初に述べたようにロマンス小説の作家で、これもジャンルとしてはロマンスミステリーなのでサクッと軽い感じの内容かと思いきや、広大な屋敷に寝たきりの女性、過去に事故死した双子の姉妹……というゴシック風味の設定の薄気味悪さ漂う作品で、かつメタフィクション。

ヴェリティが密かに書いていた自伝を、後ろめたさを感じながらも、ついつい読んでしまう主人公。だんだん自伝にのめりこんでいくにつれ、ヴェリティに対する疑惑がどんどん深まっていきます。主人公が語り手の章と、ヴェリティの自伝の章で構成されているんですが、ヴェリティの自伝は濃厚ベッドシーンの連続である。

さすがに、またですか……と読者の私がお腹いっぱいな気分になっていたら、作中で自伝を読んでいる主人公も「同じことの繰り返し。もうセックスの章は飛ばして読むことにする!」とうんざりしていて、ちょっと面白い(しかしそんなふうにベッドシーンもりだくさんにもじつはさりげなく意味があって、それが皮肉めいたセリフでバッサリ切られる)。あと、ヴェリティの自伝のベッドシーンが飛ばされたかと思いきや、主人公のベッドシーンが入ってくるという構成にも笑いました。

最後の展開には、うわあってなった。なるほど納得。後味はあまりよくないけど、なかなか面白かったです。

by rivarisaia | 2019-04-23 23:57 | | Trackback | Comments(0)

Devil’s Day

『Loney』が話題になったAndrew Michael Hurlyの2作目。前作は読もうと思っている間に月日が流れて、こちらを先に読みました。表紙は3種類。

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Devil’s Day』Andrew Michael Hurly著、John Murray刊

暗い。そしてテンポがとてもゆったり。桜が咲いて明るい春に読むのには向いてなかったかもしれない。ランカシャーの荒涼とした独特の世界に入り込むのに少々時間がかかってしまった。灰色にどんよりとした寒くて寂しい冬の日に読んで、背筋がうすら寒くなるのを味わうのがよさげ。

毎年秋になると、故郷のランカシャーを訪れるジョン。彼の実家は羊を飼ってくらす農家で、村では毎年秋になると悪魔から羊を守る伝統儀式が行われる。

今年の秋は祖父が亡くなって葬式が行なわれることになり、ジョンは初めて身重の妻キャサリンを連れて故郷に戻ってくるのだが、そこで思いもよらない出来事が……

荒野をさまよう悪魔が羊や人間に乗り移って悪さをするので(過去に人や羊が死んだという歴史がある)、それを防ぐための儀式を行う日がタイトルのDevil’s Dayです。

キャサリンとともに初めて故郷に戻ってきたジョンのパートを中心に、ジョンと息子アダムを描いた現在と、ジョンの子供時代の回想が挿入されるという構成です。

描写は丁寧なのだがペースがあまりにもスローなので序盤はやや退屈したのですが、半分以上きたあたりから不気味さが見え隠れしながらじわじわと加速。田舎にいまひとつ溶け込めない妊婦のキャサリンが唯一打ち解けている少女グレースの謎の言動と霊感。キャサリンしか感じない臭い。明かされる衝撃の事実。野犬に引き裂かれた羊の死体。いくつもの死、死、死。

やだもう、ランカシャーの田舎の村こわい!!

くだんのDevil’s Dayには目隠ししてくるくる踊るという他愛もないゲームをやるんですけど、目隠しを外して開口一番に「彼女、頭に何をかぶっているの?」「何もかぶってないよ」っていうくだりが、もうね、ものすごく嫌でした。やめてほしい。

そしてその後も、ジョンが永遠に心にしまい込んで生きていくのであろうという秘密がいくつか明かされることに。悪魔はいつまでも荒野をさまよい、ときおり人々の中に入り込む。でも恐怖を乗り越えて人は生きていくし、長い冬のあとには春が来る。そんな希望を感じさせる終わり方ではあるのですが、ランカシャーの田舎の村こわいという印象をぬぐいされない……。

by rivarisaia | 2019-04-11 23:57 | | Trackback | Comments(6)
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Friday Black』Nana Kwame Adjei-Brenyah

シュールな話からSFっぽい話まで、ダークでパワフルな12編の話を収録。人種問題や消費社会に対する風刺の効いた……というとありがちに聞こえるけど、風刺の効きっぷりがすごくて、強烈なパンチをくらったような読後感。好みは分かれるだろうし、私もまだうまく消化できてないけど、読むなら今、という1冊。

冒頭の一篇が衝撃だった。「The Finkelstein 5」は、チェーンソーで5人の黒人の子供の首を切り落とした中年白人男性が、正当防衛を主張して無罪になるという事件が背景にある。そのことを深く嘆き、憤り、世の中に幻滅しているエマニュエルが主人公。

日常生活でエマニュエルは自分の”黒人度(blackness)”を10段階で切り替える。おだやかな口調で電話で話すと10段階の1.5、公共の場では肌の色が目に入らざるをえないので、ネクタイをしめて、つねに笑顔で小さな声で話したとしても4.0を下回ることはできない。仮にバスの中で黒人度を8.0近くに上げると、周囲に緊張がはしる。

ある日、エマニュエルが仕事の面接に行くことから、話がはじまる。

これと似たテーマを別の切り口で描いているのが「Zimmer Land」

テーマパークのジマーランドでは客が「正義を遂行するシミュレーション」ができる。ジマーランドに勤務する黒人の主人公は「住宅街で自警団に殺される役」をやっている。こう書くとわかるように、ジマーランドのジマーは、トレイヴォン・マーティン射殺事件の犯人ジョージ・ジマーマンからとっている。

テーマパークの人種差別的なあり方を変えたいと主人公はCEOに訴えるのだが……という話。

その他には、ディストピアな近未来SF(「The Era」「Through the Flash」)や、中絶した双子の胎児が父親の元に出現する話(これ気持ち悪かった)、12枚の舌を持つ神と契約した男が父親を連れていった病院でたらい回しにあう話(カフカ+ブッツァーティみたいなシュールさ)、同級生を射殺して自殺したいじめられっこの霊と彼に殺された学生の霊が協力しあってスクールシューティングの計画を阻止しようとする話などがある。

表題作「Friday Black」は、ショッピングモールで働くベテラン店員が主人公。毎年ブラックフライデーにはゾンビのようになった顧客の大群が押し寄せ、モール内は死屍累々、血で血を洗う過酷なセールが行われていた、という設定。同じョッピングモールと登場人物が登場する話がほかに2つある(「How to Sell a Jacket as Told by IceKing」「Retail」)。この3作シリーズもけっこうよかったな。

「ブラック・ミラー meets ブラック・ライヴズ・マター」という評をよく見かけるのも、なんとなくわかる。確かに「ブラック・ミラー」が好きな人は楽しめるはず。これがデビュー作で、今後も期待したい作家ですが、名前の読みはインタビュー映像で確認したところ、ナナ・クワメ・アジェ=ブレンニャです。覚えておこう。


収録作品
The Finkelstein 5
Things My Mother Said
The Era
Lark Street
The Hospital Where
Zimmer Land
Friday Black
The Lion & the Spider
Light Spitter
How to Sell a Jacket as Told by IceKing
In Retail
Through the Flash

by rivarisaia | 2019-04-06 21:18 | | Trackback | Comments(0)

The Silent Patient

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The Silent Patient』Alex Michaelides著、Celadon Books

有名な画家アリシアはファッションフォトグラファーの夫ガブリエルと幸せな結婚をしているかに見えた。
ところがある夜、アリシアは夫の顔を5回も銃で撃ちぬき殺害する。
事件から一言も口をきかなくなったアリシアは精神科施設に収容されていた。アリシアの担当となったサイコセラピストのテオは、事件の日にいったい何が起きたのかを探ろうとするのだが……

なかなか面白かったミステリー。表紙は2種類あります。

語り手のテオ自身も個人的な問題を抱えていて、そのせいなのかアリシアを救いたいという思いが強く、事件の背景を探ろうとして、どんどん深みにはまっていきます。なぜアリシアは夫を殺したのか。そもそも本当にアリシアが犯人なのか。アリシアは一体どんな人物なのか。どうしたら口を開いてくれるのか。

これ以上は詳しく知らないほうが楽しめるので、説明はここで終わり。何も考えずに読んでたら、途中でえっ!てなりました。また、1章がとても短いので、あともう1章だけ読んで続きは明日にしようなどと思っているうちに、読み終わってた。そのテンポのよさもしてやられた感じ。


by rivarisaia | 2019-04-05 23:22 | | Trackback | Comments(0)

『Florida』Lauren Groff

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Florida』Lauren Groff著、Riverhead

『Fates and Furies(邦訳:運命と復讐)』のローレン・グロフの短編集。単に好みの問題として、好きかと言われると個人的にはものすごく好き!というわけでもなかったんだけども、全体的にうまいなーとは思う。寓話のような話、シュールな話、壮大な話、幻想的な話から日常の光景を切り取った話まで、主にフロリダを舞台とした11の短編が収録されている。

そのなかで一番好きなのは、最初の「Ghosts and Empties」。育児に疲れて怒りっぽくなっている女性が、頭を冷やすための日課として夜の街を散歩する。灯りのついた窓の中のだれかの暮らし。暗闇ですれちがう人々。季節の移り変わりと光や音や匂い。町を歩いているだけの短い話なのに、長い長い時間の流れも感じさせながら鮮やかな印象を残すところが気に入っています。

収録作品リスト
Ghosts and Empties
At the Round Earth’s Imagined Corners
Dogs Go Wolf
The Midnight Zone
Eyewall
For the God of Love, for the Love of God
Salvador
Flower Hunters
Above and Below
Snake Stories
Yport


by rivarisaia | 2019-04-04 21:40 | | Trackback | Comments(0)

Where'd You Go, Bernadette

2012年に出た本で、ベストセラーになったコメディ小説。ちょうど『ゴーン・ガール』が出たのと同じ年。とても面白く読んで、そういえば感想書いてなかったので、映画化を機にちょこっとだけ書いておく。映画はリンクレイター監督で主演がケイト・ブランシェット、と期待できそうで、予告編も貼っておきます。

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Where'd You Go, Bernadette』Maria Semple著、

バーナデットは昔は才能のある建築家だったけど今は専業主婦として、成績優秀な娘のビー、マイクロソフトでバリバリ働くITエンジニアの夫エルギーとともにシアトルで暮らしている。

人づきあいがうまくいかないバーナデットは友人もいないし、近所からの評判も悪く、特に隣人オードリーとは犬猿の仲。とにかく人と関わりたくない性格で、身の回りのこともインドの秘書サービスを利用して行ったりする。

娘のビーが優秀な成績をとったご褒美に家族で南極旅行に行こうという計画が立ち上がってから、バーナデットの奇行がエスカレート、夫が対策を講じようとした矢先、彼女は忽然と姿を消す。

いったいどこ行っちゃったの、バーナデット?という話です。

学校の手紙や関係者のEメール、FAX、記事、医師のレポートなどさまざまな文書の合間にビーのナレーションが入る、というちょっと変わった構成。いろんな文書を読んでいくうちに、バーナデットとはどんな女性なのか、ということがだんだん明らかになってきて、最初と最後では彼女のイメージはガラッと変わっているはず。身近にいる夫がなんもわかっちゃないことも露呈するけど、娘のビーのほうがよくわかっていて、その上タフで頼りになるのが救い(子供だからかわいそうなんだけどね)。

日本でも映画が公開されるだろうと期待して、これ以上はあまり詳しくは書かないけど、バーナデットの気持ちはとてもよくわかる。特に能力のある女性がうまく活躍できない日本社会ではありがちな状況で、バーナデットに共感する人も多いんじゃないかなあ。

切ないけど、ユーモアもたっぷりのコメディ小説で(笑っちゃいけないけど、とても可笑しい場面もある)、読みやすいので映画の前か後にぜひどうぞー。



by rivarisaia | 2019-01-13 23:33 | | Trackback | Comments(0)
今年もまた年末恒例、渡辺由佳里さん主催の「これを読まずして年は越せないで賞」に審査員で参加しました!
そして昨日、各部門の優秀賞と大賞が決定したのでお知らせします!

まずは各部門の優秀賞
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児童書部門
The Miscalculations of Lightning Girl by Stacy McAnulty

YA(ヤングアダルト)部門
Far from the Tree by Robin Benway

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ノンフィクション部門
Educated by Tara Westover


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フィクション(ジャンル小説・大衆小説)部門
Seven Husbands of Evelyn Hugo by Taylor Jenkins Reid

フィクション(文芸小説)部門
Circe by Madeline Miller


そして、2018年これ読ま大賞作品は

Circe by Madeline Miller

次点
The Miscalculations of Lightning Girl by Stacy McAnulty



わたしは今年は本当にブログが更新できなくて、本の感想もぜんぜん書いていないのですが、候補作に選ばれたのはどれもおすすめ。ほかにどんな候補があるのかについては、洋書ファンクラブの由佳里さんのレビューをごらんください(タイトルをクリックすると由佳里さんのレビューに飛びます)。

由佳里さんのレビューへのリンクがない本で、わたしが感想書いたのは以下。


毎年書いてる気がしますが、来年はもう少しまめに更新するよう努力しますね。優秀賞の感想もアップするようにがんばるー。
では、冬休みに楽しい読書を!




by rivarisaia | 2018-12-28 18:23 | | Trackback | Comments(4)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや